表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最弱スキル「腸内鑑定」の腸活令嬢が、呪われた令息のフローラを整えたら——彼は王になりました  作者: 嘉ノ海祈栄


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3/6

 その日から、エリーゼの奇行が始まった。

 

 父の手を舐め、母の頬にキスをせがみ、侍女の指を口に入れようとする。庭に出されたときは、土を掴んで躊躇なく口へ含み、犬が近づいてくれば、喜んで顔を舐めさせた。


 カーライル伯爵家は、小さな混乱に包まれる。


「エリーゼお嬢様が、また土を……!」

「あの子は一体、何を考えているんだ」

「呪いでは……?」


 しかし当のエリーゼは、混乱している周囲をよそに、毎日着々と菌を集めていた。


(土壌菌、よし。口腔菌、よし。皮膚常在菌、よし。あとは食物繊維。プレバイオティクスが足りない。善玉菌のエサがないと、せっかく取り込んだ菌が定着しない……)


 問題は、赤ちゃんの身体では、誰も固形物を与えてくれないことだった。


 エリーゼは考えた。考えて、考えて、ある日の庭での散歩中、答えを見つけた。

 

 雑草だ。


 柔らかい葉の部分なら、歯がなくても小さく違って食べられる。繊維質も豊富だし、善玉菌のエサになりそうだ。


 早速エリーゼは庭の端に生えていた柔らかそうな草を掴み、口に運んだ。


 苦い。とても苦い。思わず顔をしかめる。


(……でもこれが命の味だ)


 前世の記憶の中で、誰かに言った言葉がよみがえった。過酷な自然で生き抜くために、植物が身につけた生命の力。


(この力で、私の身体も強くなりますように)


 そんな祈りをこめながら、必死に草を口に入れた。


「ぎゃああああ! お嬢様が草を食べてる!!」


 侍女の悲鳴が、庭に響き渡った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ