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LIKEとLOVEの境界線 後編

アニメキャラと、神宮明王

二人の好きな人の間で、

如月は迷走する!


「ありがとうございます、またお越しくださいませ~」


笑顔を振りまきながら。客を見送る。

ドアが閉まると同時に、私は深いため息をついた。

あれから数時間、結局これといった答えを見つけることができていない状態である。

明王さんが好きなのに、あきお様との違いも言えないとか最悪じゃん! 私!

あかん、かなりやばいパターンに陥ってしまっている!

付き合ってもらっていただけでなく、指輪まで渡されゆくゆくは結婚することになるんですよ!?

このままじゃ、明王さんをあきお様としてみてたことがバレバレだ。

そんなことはない!

確かあきお様は好きだが、それで明王さんも好きになったなんて……


「み~な~せ」


「ぎゃああああああ!」


「なんだ、変な声出して。見えないもんでも見えたのか?」


急に声をかけられ、つい大声をあげた私だったが相手を見てさらに声が漏れそうになった。

言わずと知れた、尾上さんだ。

彼から微かにたばこのにおいがする。


「お、尾上さん! 驚かさないでください!」


「ああ、悪い。小さすぎてどこにいるかわからなかった」


「小さいって言わないでください!」


「で、どーなんだよ。答えは出たのか?」


ぎくっ。

まずい、このままではからかわれる確率百パーセントじゃないか!

相手は尾上さんだ。うかつに返事して、明王さんに伝わりかねない……

かといってまとまってもいない考えを並べてもなあ。


「あ、当たり前じゃないですか! 私は明王さんと婚約したんですよ!? 違いの一つや二つくらい……」


「じゃあ言えよ」


「そっ、それはあ、そのう……」


「あきれた。お前……そんな中途半端な答えで、吉岡や輝流の気持ちを断ったのか?」


えっ……?


「あれ、チューン。休憩終わったの~?」


「今さっきな。何してんだ?」


「ん? 今客がいないから、倉庫の整理でもって思ってさ」


ふと横を見ると、いつの間にいたのか輝流さんが優しい笑顔を浮かべていた。

やがて私と尾上さんを見比べ、どうしたの? と聞いてくる。

斗眞君と輝流さんの気持ち。

それは今の私にとって、かけがえのないものでもある。

こんな私をずっと、ずっと好きでいてくれた二人。

それを断ってまで、私は明王さんを選んだ。

それはやはり、あきお様とのことがあったから?

神宮明王を、あきお様としてみていたから?


「……輝流さん。お願いがあります」


「にがっちゃん?」


「一日だけ……一日だけでいいんです。私を……輝流さんのものにしてくれませんか……?」


ごめんなさい、明王さん。

でも、私は知りたいんです。

私自身がどれだけ神宮明王さんを必要しているか。

あきお様の面影を求めているか……


「え、な、ちょ、どーゆーこと!? にがっちゃん、冗談だよね!?」


らしくない声が聞こえ、ゆっくり顔をあげる。

そこには顔を真っ赤にした、輝流さんの姿があった。


「オレのものにってことはあれでしょ? あんなことやこんなことをして的な! 無理無理無理! にがっちゃんは王様と付き合ってるるのにそんなことしちゃダメ!」


「少しは落ち着けよ、輝流。このヘタレ」


「おお落ち着いてるし! ていうか、チューンに言われたくない!」


あ、あれ? 何だ、この状況。

私はただ明王さんとのことを思っていったんだが……こんな輝流さんは初めて見たな。

なんだか、すごくかわいらしいというか……


「かああああああああああつ!」


「いっだ!」


とそこに、体を何かでたたかれる。

振り返ると、そこにはゴム製のバッドを持った美宇さんがいた。


「なあにちんたら浮気しとんねん、如月! 見損なったぞ!」


「危ないじゃないですか! わざわざバッドで殴らなくても!」


「シャラップ! ええか、如月! 好きになるっちゅーこと自体が悪いことやない! 恋愛することに意義があるんや!」


彼女はそう言いながら、バッドを床にたたきつけ説教交じりに言った。


「あんたは何も感じなかったんか? マスターがいなくなった、あの時!」


明王さんが、いなくなったとき……

そうだ、確か連絡もなしにいなくなっちゃったんだっけ。

何か大切なものをなくしたように、心に穴が開いたみたいだった。

あの時の喪失感は今思い出しても、不安に駆られる。

また、彼がいなくなってしまったらと。

私は……


「美宇ちゃんの言う通りです。せっかくマスターさんと一緒にいるのに、離れてしまうなんて悲しくないですか?」


「天衣さん……」


「その人のどこを好きになったかなんて、分かんなくっても大丈夫です。好きになったその気持ちが大事なんですから」


二人の言葉が、すごく身に染みる。

私は今まで何を見ていたんだろうな。

本当、私は明王さんの彼女失格だよ……

よし! きめた!


「何か知らんが、吹っ切れたみたいだな」


「オレが好きになったにがっちゃんは、そんなんじゃない。いつもみたいに、元気なにがっちゃんを見せてよっ」


四人の言葉を糧に、私はうなずきまた一歩踏み出す決意をした。

明王さんと明王様の、決着をつけるために……


(つづく!!!)

次回、番外編完結とともにほんとにほんとの

最終回となります


最後の最後まで如月を不憫にしている気も

しますが、なんといっても

この従業員たちの絆、というか強さですよ

頼もしい仲間に巡りあえて

作者として誇らしいです


というわけで、次回は最終回。

如月の運命はいかに……

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