初心忘れるべからず、ってね!
舞台は三年後。
ルナティックハウスでプチ同窓会をすることになった
一同は・・・?
☆輝流SIDE☆
「いらっしゃいませ~。あ、今日はツインテールなんだ、かわいいね」
「あ、ありがとうございます!」
「杉本さーん、私は私は?」
「服装がお洒落でいいね~オレはどっちも好みだよ?」
キャーキャー言いながら、嬉しそうに談笑する女子高生達。
それを見ながらオレはにこにこ笑ってみせる。
やあみんな! 元気?
ルナティックハウスのイケメン人気マスター・杉本輝流だよ!
自分でイケメンというのはいかにも自意識過剰な気がするけど、名付けたのは女子高生なため問題なし!
三年間マスターとしてやってきたわけだが、まさに幸せ絶頂! 夢が叶って桜満開だぜ!
「カメラ目線で何決めポーズしてるんすか。どこぞのアイドルじゃあるまいし」
ため息交じりでハンドミルを回しながら、呆れたような目で俺を見ているのはとーちゃんこと吉岡斗眞だ。
三年前からここでバイトをしていて、今は劉生大学に通う唯一の後輩!
コーヒーはとーちゃん、接客はオレという風に分担をしている。
他にも一応バイト仲間はいるが、今日はわけあって二人だけってわけ。
「いいじゃん、キメポーズするくらい。カメラサービスはみんなを笑顔にするんだよ♪」
「みんなって誰っすか」
「オレのファン♪」
「……あれから三年しかたってないっつうのに、ずいぶんとチャラくなりましたね。誰かさんにふられたせいですか?」
「初心忘れるべからず、ってね! オレ、昔からこんなんだから」
三年前、ここでともにバイトしていたメンバーは誰一人いない。
みんなそれぞれバラバラになり、たまにメールするくらいだ。
そんな中、外国に行っていたあまちゃんとチューンが帰ってくるのを機にミュウミュウがプチ同窓会を企画したのだ。
「つうか今日あれっすよね。同窓会。こんなに女性客いて、大丈夫なんすか。確か、貸し切りにするって言ってましたよね」
「大丈夫だよ~お客さんを待たせちゃまずいし。ミュウミュウ達に待っててもらえば」
「とてもおとなしく待てるような人じゃないと思いますが」
まあ確かにねーと相槌をうちながら、店員を呼ぶ音が聞こえたのでいそいそと駆けつける。
注文が入ると、とーちゃんはしぶしぶコーヒーを作り出した。
そんな時、だった。
店のドアが豪快に開いたのは。
「いらっしゃいま……」
「こぉら、リュウ! なんやあの桜の花びらの山は! この周辺だけ目立ちすぎやないかい! ちゃんと掃除しとるんか、ドアホウ!」
うわー。この甲高い声といい、説教ぐさいセリフといい……なんともまあ懐かしいものだ。
昔はめんどくさすぎて、嫌々聞いていたというのに。
いかにも怒っているように目を吊り上げながらオレを睨んでいるのは鈴木美宇、通称ミュウミュウだ。
三年間会っていなかったというのに口調からしてまったく違和感がない。
しいて言えば、格好が少し女の子らしく見えるところだろうか。
それにしても……
「三年ぶりに会って最初に言うことがそれ~? ミュウミュウ、えげつないね~」
「知らんがな。しかもなんや、この埃付きすぎな棚は! 掃除してないのバレバレや」
「相変わらずの潔癖症だな~これでも掃除してるんだけど」
そういいながら、ミュウミュウに場所を指定し待っててもらうように促す。
彼女が持ってきた酒の瓶を机に置くと、とーちゃんはサービスでコーヒーをついでくれた。
「お久しぶりっすね、鈴木先輩。見ない間に太りました?」
「余計なお世話や。つうか吉岡も大変やな~。こんなんがマスターで」
「先輩方がいたほうが、まだましでしたよ」
「ひどいな、とーちゃんまで」
久しぶりだからかたくさん話したいことがあるのに、邪魔をするようにお客さんが入ってくる。
今日に限ってやけに多いな。まあ、貸し切りっていう札をかけ忘れたオレが悪いんだけれども。
さすがに機嫌が悪いミュウミュウを待たせるのは気が引けるなあと思っていると、
「なんか大変そうやし、手伝ったろか?」
と口を開いた。
信じられますか、みなさん!
あのミュウミュウが! オレに! オレに気遣いを!?
「どしたの、ミュウミュウ。熱でもあるの?」
「あるかいな、アホウ」
「じゃかこれ偽物なんじゃないっすか」
「お前らはうちをなんやと思っとるん。掃除が行き届いてへんし、この客の多さから判断しただけや。制服の余りあるか?」
「アリガト~ミュウミュウ! じゃあお言葉に甘えて♪」
そう言いながら、オレは予備の制服を探しに更衣室へ入ったのだった。
(つづく!)
ここにきて、輝流の真実は
今もなお、彼女を思い続けているということです。
幸せにしてほしかったと、
友達には何度も言われましたが
他の人を好きになるようには、思えないというか・・・
これが輝流、ってことで私はいいと思ってます。
次回、元従業員メンバー集合!




