できちゃったんです……
舞台は三年後
ついに元従業員の四人が、
感動の再会を果たす!
☆天衣SIDE☆
「どういうことか説明あるよな、輝流」
不機嫌そうな魁皇さんの声が、店内にこだまする。
墓参りからルナティックハウスについた私達は、目の前の光景に驚いていました。
店内には輝流さんに斗眞さん、なぜか美宇ちゃんがいる。
しかも彼女は懐かしのルナティックハウスの制服を着ているのです。
「Hello、チューン! How Are You?(訳 ヤッホー、チューン! 元気~?)」
「I am soso。Bad,Why did you wear uniform Suzuki?(まあまあだな。つか、なんで鈴木が制服着てんだよ)」
「Pardon? I do not Speak English♪ Japanese please?(え? オレ英語わかんなーい♪ 日本語で言って?)」
英語で話し合っているようにも見えたが、輝流さんには魁皇さんの言葉が分かっていないようです。
魁皇さんのかわりに、私は気になっていることを彼女に聞き出した。
「あの、美宇ちゃん。どうして制服を着ていらっしゃるんですか?」
「ふっふーん、懐かしいやろ? 客が多かったみたいやから、貸し切り看板つける前に手伝ってたんや。じっと待つの嫌いなんでな」
「どうりでやけにキレイなわけだ」
呆れながら魁皇さんが言うのを、輝流さんはてへへと笑ってみせる。
随分会っていなかっというのに、何一つ変わらない。
とても懐かしい感じがします。
「よし! 貸し切り看板もかけたし、いっちょパーッとやるで!」
「んじゃ先輩方がんばってくださいね。オレ、明日早いんで先ぬけますから」
「えー? とーちゃんもやろうよー?」
「こういうのは先輩達だけでやったほうが盛り上がるってもんっすよ。じゃ、そーゆーことで」
大学生になったという斗眞さんは、少し大人っぽくなった気がします。
やはり三年たったからでしょうか。
「まあ吉岡は仕方ないだろ。ところで輝流、見ない間にずいぶんチャラ男化したな」
「チューンはなんだか不良っぽく見えるよ」
「元からだ」
「それを言うならオレもだけどね」
「天衣はひとしきり可愛くなったなあ! 女らしくなりやがって~このこの~」
「や、やめてくださいよー。美宇ちゃんだってかわいいじゃないですか」
いつもと変わらないような会話。
何もかもあの頃のまま、すごく懐かしいです。
酒を持ってきたという美宇ちゃんの提案でグラスをついでいった、その時だった。
「俺酒いらね。ついでに天衣も」
「なんでや? せっかくの宴会やで?」
「チューンもあまちゃんもお酒飲めたよね?」
「やめたんだよ、酒もタバコも。天衣は飲むの禁止されてる」
「禁止ぃ? まっっっさか天衣……あんた……」
「そのまさかで……できちゃったんです……赤ちゃん……」
「ええええええええ!?」
お二人の声が、同時に重なる。
恥ずかしくて、私はうつむくことしかできなかった。
留学してたといえ、梗華さんを通じて魁皇さんとはよく二人で会っていた。
違和感を覚えたのはごく最近で、今一か月らしい。
魁皇さんも驚いていましたが、顔を真っ赤にし
『順番は逆になっちまっちまったが、結婚するか』
と言ってくださいました。
だからこの機会にお姉さま方や、輝硫さん達に連絡しようと思ったのですが……
「認めんっ!」
「え、美宇ちゃん?」
「付き合うまではええ! が! 尾上と結婚なんざぜっっっっったい認めんで!」
予想通りの答え……まあ美宇ちゃんらしいですけど。
「チューンとあまちゃんって、まだ結婚してなかったの?」
「まあ、留学してたしな」
「普通行く前とかにしない? 相変わらずドヘタレだね、チューン」
「なんだと?」
「だって王様とにがっちゃんもするんだよ? それより遅いってどうなのよ」
そういえばそんなメールをもらったような気がする。
如月さんから卒業報告とともに、結婚しますというメールが。
結婚式はまだみたいですが、先を越されちゃいました。
「結婚が先とか後とからどうでもいいだろ。できたもんは仕方ない」
「せやけどなあ! 尾上と結婚して天衣が幸せになるとは思えん!」
「そ、そんなことありません! 魁皇さんは私のためにタバコもやめてくれたんですよ!? いつも守ってくれて!」
「天衣、恥ずかしいからそれ以上言わなくていい」
「まあまあ。二人が幸せそうなんだからいいじゃん。ほら、ミュウミュウお酒飲みなって」
不満そうながらも美宇ちゃんは酒を一気飲みする。
私は輝流が入れてくれたコーヒーを飲みながら、改めて魁皇さん達を見た。
「おお! うまいやん、これ! さすがうちの選んだ酒!」
「自画自賛すんな」
「こんなうまいもん飲めんとは、尾上はかわいそうやな~?」
「本当だ~♪ おいしいね、これ。チューン、一口いかが?」
「お前が飲んだ後のグラスは断固断る」
「まあまあ二人とも」
なだめながら、くすりと笑みがこぼれる。
二年前と変わらない、あの頃の日常が戻ってきたようなそんな感じだった。
(つづく・・・)
赤ちゃんができるには、私が経験したことがない
大人の世界が広がっているわけで
その背景をあまり知らないので、
大きい声では言えませんが
魁皇、お前、何をしたんだ。
って感じですね、はい。
次回、ここには来れなかったあの人の様子が!




