ここここれっ……まままさか……
それぞれがお祭りを思い思いに過ごす中
如月は明王との二人きりを満喫(?)していた・・・
「今から花火が上がるらしい。食べ物買ってくるから、先に場所とって待ってろ」
神宮さんはそういって、私と二手に分かれた。
花火が上がるなんて、結構規模が大きいんだなあと感心してしまう。
私の身近の祭りではあがることはあがるけど、そんなに大きくないんだよなあ。
場所を取りに来ると、花火を見ようとする客でいっぱいだった。
その多数なカップルなのを見て、なんだか複雑な気持ちになる。
そういえば、尾上さん達はうまくいったのだろうか。
あの二人も色々あったんだよなあ……
私達より、数年の月日を経て。
よし! 私も何とかして神宮さん呼びを卒業しなきゃ!
「待たせたな」
「あ、神宮さん! 場所ここで大丈夫ですか?」
「ああ。ほれ、頼まれた焼き鳥とお釣り」
「ありがとうございます! わざわざ買ってきてもらってすみません」
「自分のやつのついでだから、気にすんな」
神宮さんの柔らかい笑みは相変わらずかっこいい。
いなくなる騒動があってから、こうしてみる神宮さんがかっこよくてしょうがない。
よくリア充カップルを見てた時、四六時中一緒でうっとうしくないのか不思議だったけど。
今なら分かる。ずっと一緒にいた気持ち。
それが恋するってことなのかな?
「買い物するとき、尾上らに会ったぞ」
「え? 本当ですか!?」
「ああ。手握ってたから、からかってやった」
おんやまあ、珍しい、尾上さんがそんなことをするなんて。
彼と会ったスーパーでの出来事は、やはり私をからかっていたのだろうか。
人を小馬鹿にするような言い方しかしないから、疑心暗鬼が絶えないんだよなあ。
「私は輝流さん達に会いましたよ」
「あいつら、祭り来たのか。留守番しとくって聞いたのに」
「はい。輝流さんいわく、美宇さんにぱしられたみたいで。斗眞君もいました」
「すげー組み合わせだな」
まったくもって、神宮さんの言う通りだ。
斗眞君も輝流さんも、無理やり連れ去られたんだろうなあ。
二人とも、今頃美宇さんにこき使われまくってんのかなあ。大変そう。
そう思っていると、軽快な音が鳴り響く。
どうやら花火が始まったらしい。
赤、青、黄色……
色とりどりの花が、空に咲く。
美しくきれいな花火だった。
「桜庭にも鈴木にも感謝しねぇとな。こうして、少しでもお前といれるわけだし」
「お二人には、迷惑かけてばっかりで申し訳ないです」
「如月」
ふいに名前を呼ばれ、ぱっと振り向く。
彼は何か箱を取り出したかと思うと、私に差し出した。
「これは?」
「お前にプレゼント。約束、守れなかったから」
「約束?」
「去年のクリスマスに、誕生日ちゃんと祝うって言っただろ? 結局出来ずに終わっちまったから」
わざわざそんなことしなくてもよかったのに。
そう思いながら、私は箱の中を開ける。
ミョウに小さい箱だなあ。まるで指輪が入って……
……って……
「かかかかかかか神宮さん! ここここれっ……まままさか……」
「お前、動揺しすぎ」
「いやだって、指輪が入ってそうなやつに本当に入ってたら混乱しますよ!」
彼が差し出した箱には漫画やドラマで見る、指輪が入っていた。
キラキラと宝石がちりばめられている。
「な、なんで指輪なんか……」
「俺も正直不安だったんだよ。店やお前を置いて、去るっていうのは」
神宮さんは少し切なそうな顔を浮かべながら、花火を眺めた。
「吉岡がお前と知り合いなのも、杉本が誰かを好きなことも知ってた。だから不安だった。お前が、どこかに行ってしまうんじゃないかって」
「神宮さん……」
「それでもお前は待っていてくれた。だから、決めた。絶対悲しい顔にはさせない、俺が守ってやるって」
彼はそういうと、指輪を私の薬指にはめてくれた。
「無事に医者になって、お前が大学卒業したら……結婚しよう、如月」
嗚呼。これは夢、なのだろうか。
今の今まで夢見ていたことが、現実になっている。
こんなに迷惑をかけてきた私を、好きになってくれた人がいる。
「嫌だなんて……言うわけないでしょう? 私は明王さんが、大好きなんですから!!」
彼に抱き付いた瞬間、ピンク色の花火が空へ舞った。
そうして、私にとって最高の夏がゆっくりと幕を閉じたのだった……
(つづく・・・・)
すごく調整して、なんとかこの日に間に合いました!
そう! 今日はいい夫婦の日!!
これを狙ってたわけですよ! 私は!
おかげで本当はあった美宇達のお祭り模様は
なくなりました笑
Congratulations on your marriage!!
次回、本編終盤突入!!
舞台はかわって……?




