だって……
斗眞の目的を知ったうえで明かされた、
長きにわたる輝流の片思い。
それを知った如月は一人で思い悩んでいた・・・
カタカタと打ち込む音だけが、部屋にこだまする。
文字数がかなりいったところで、私はふうっとため息をついた。
パソコンの画面を見ながら、机に肘を立てる。
現実がうまくいかないほど小説が進む。
それが現実逃避だってことはもうわかっている。
小説はただの妄想に過ぎない、あるべきない世界なのだから。
輝流さんの告白からまだ二日しかたっていない。
今日が定休日で本当助かった。
昨日も一応バイトはいったが、輝流さんとは会っていない。
斗眞君とだって、一言もかわせていない。
気まずい私の様子に気付いたのか、よく美宇さん達が心配して色々聞いてきたっけ。
……私のバカ。今まで何をやってきたんだ。
他人の思いも気づいてあげられないなんて、無責任すぎる。
どうして私は、同じ過ちを何度も繰り返すことしかできないのだろう……
そんな時、一本のメールが携帯に届いた。
どうせ広告とかそういうのだろうと思いながら、仕方なく携帯に手を伸ばす。
メールボックスにある新着のメールに、私は立ち上がった。
同時に、全速力で家を出てある場所へと向かう。
なんでって? だって、だって、このメールは……!
「よぉ、如月。来ないかと思ったよ」
「神宮……さん……」
間違いない、神宮さんだ。
髪が少し伸びていて、一つにゴムで縛っている。
何だか大人っぽい雰囲気がいつもより増していて、よりかっこよく見える、
「二か月ぶりくらいか? 来てくれてありがとな」
「かみっ、みやっ、さん……」
「お前、なんで泣いてるんだよ」
「だって……うれしくて……すみません」
いつの間にか、目から涙が零れ落ちていた。
子供のように泣きじゃくる私を、神宮さんは優しく抱きしめてくれた。
神宮さんに会えた喜びと、今までの不安が涙となってあふれ出た。
(つづく・・・)
どS斗眞の攻防、輝流の告白に続いて!
とうとうマスター・明王が帰ってきましたよ!!
ここのところ、シリアス展開が多いような気がしますが
その辺はまあ、許してくださいませ。
次回はマスターの真実が明らかになります!




