ずっと好きだったんだ
斗眞の攻撃に救いの手を差し伸べてくれたのは、輝流だった!
安堵したのもつかの間、
彼から告げられたのは衝撃の真実だった・・・
「好きだよ。にがっちゃんのことが、ずっと好きだったんだ」
風が輝流さんと私の間を吹き抜ける。
彼は笑みを崩そうともせず、静かに私を見つめている。
嘘だと、信じたかった。
斗眞君のことを励ますような形で言っているのかもしれない。
輝流さんは優しいから、きっと冗談のつもりで言ったんだ。
そう信じたかったけど出来なかった。
彼があまりにもキレイな笑顔だったから。
迷いも、何も感じさせないような優しいいつもの笑みで……
「好きだよって……輝流さん、いつから……?」
「にがっちゃんと初めて二人きりで仕事したあたりかな?」
「そ、そんなに前から……」
「実感したのは、チューンと三人だけでいた時だったけどね」
それでも、結構前の話じゃないか。
今までよくも気づかなかったな、私。
鈍いってレベルで済まされる問題じゃないよ……
「じゃあ付き合ってとか言った時も、仮デートをした時も、私を好きだったってことですか?」
「まね。ほとんど王様のついでだったけど」
「どうして!? 神宮さんが好きだって知ってたのに、どうして!?」
吐いたセリフに思わず怒気が含まれてしまう。
だって、好きな人に両想いの相手がいるって分かってるのに協力し続けたんだよ?
私だったらそんなの無理だよ……
「どうしてってそんなの決まってるじゃん」
「決まってる……?」
「にがっちゃんに、幸せになってほしいからだよ」
思わず目をぱちぱちさせてしまう。
彼はなおも笑顔で変わらない口調で言った。
「にがっちゃんを苦しめるから、言わないつもりだった。けどチューンがあまちゃんに告白した時、オレもしようってやっと決意できたんだ。後悔、したくないから」
輝流さんはそういうと、私の頭の上に手を乗せた。
「気持ちはちゃんと伝えたかったから! じゃね! にがっちゃん! また今度!」
「あっ……輝流さん……!」
去りゆく背中を見ながら、私の頭は彼に言われた言葉が次々と浮かんできた。
『にがっちゃんはにがっちゃんの好きなようにやればいいんだよ』
『オレを純粋なにがっちゃんのファンとして、小説を読ませてくれない?』
小説に自信を無くした私に、ファンとして読んでくれると言ったこと。
『オレと付き合わね? オレを彼の彼氏にするの』
神宮さんと付き合うときのために、わざわざ付き合おうと言ったこと。
『オレにがっちゃんが書く小説、好きだよ。まるでにがっちゃん自身の心が書いてあるみたいで』
うまくいかない小説について、励まして言ってくれたこと。
そして何より
『にがっちゃんは自分が思ってる以上に、かわいいとオレは思う。自分に自信もって、行ってきな』
神宮さんとのデート前、彼が言ってくれた嘘偽りない言葉……
……最悪だ、私。
何にも気づいてあげられなかった。
輝流さんだけじゃない。神宮さんのことも、斗眞君のことも。
私はただどうすることもできずに、その場で泣き崩れたのだった……
(つづく・・・)
とうとう思いをぶっちゃけた輝流ですが、その裏では
色々な思いが交錯していることでしょう。
けなげすぎますよね・・・
連載当初は、こんなことになるなんて思ってもみませんでした。
一方で昨日は、美宇ちゃんの誕生日でした。
他作品にて公開中です☆
次回、ついにあの人が・・・?




