ダメなんですぅ……
Sキャラ・斗眞の攻撃に耐え忍ぶ如月
はたして、彼の目的とは・・・
「そしたら、誰もいないはずなのに足音が少しずつ近づいてきて―」
ドキドキ……
「恐る恐るドアの隙間から外をのぞくと、そこにはミイラががーっと!」
ぎゃあああああああああああああああ!
「……にがっちゃん達何してるの」
ぱっとつけられた電気に私は目を閉じる。
がくがく震えながら、天衣さんとお互い抱き合った。
電気のスイッチのそばには、輝流さんと尾上さんが呆れたように私達を見つめている。
「何って怪談や、怪談。客が忘れてったこの本で、ちょいとやってみたんや」
「ああ、それであまちゃんとにがっちゃんが抱き合ってるわけね」
「す、すみません……こういう話、私ダメなんですぅ……」
私以上に怖がる天衣さんは、さらに私の体を抱きしめた。
ちなみに私も階段のようなお化け話は苦手である。
特に血を見るのが大嫌いで、そういうたぐいのものは絶対に関わらないと誓っている。
なのに美宇さんが「怪談聞かせたる!」 って言い出して……まったく、困ったものだ。
ちまたはすっかり六月過ぎた頃。怪談にはうってつけの夏というわけだ。
「お前ら……遊んでる暇があるなら働けよ」
「ええや~ん、今客おらんし」
「あのなあ」
「小姑っぽい奴は嫌われんで?」
にたっと美宇さんが意地悪そうに笑う。
尾上さんは小さく舌打ちしたかと思うと、私をじいっと見だした。
「水瀬」
「な、なんですか」
「お前の後ろに……幽霊がいる」
!?
「あ、今お前に触って……」
「ぎゃあああああああ!」
つい叫び散らし、天衣さんの後ろに隠れた。
「チューン、にがっちゃんで八つ当たりすんのやめてよ。かわいそうじゃん」
「怖がる様子があまりにも面白いから、つい。悪かったな、水瀬」
「全っ然反省してないじゃないですか! 許しませんよ、もう!」
くそぅ、またからかわれた!
臨時職員だけど人手不足だからを理由に毎日来る上に、いっつもからかってくるからマジで嫌だ!
「先輩方、オレ先に失礼していいっすか」
はっと我に返ると、すぐそこに斗眞君がいた。
私達をあわれんでいるかのような目を向けている。
「なんや、吉岡。上がるんか?」
「今から友達と遊びなんで」
「へぇ~とーちゃんにも友達いたんだ~」
「そのとーちゃんって呼び方やめてくんないっすか」
「だってニックネームつけにくいんだもん」
斗眞、だからとーちゃん。意外とシンプルだな。
それ以外につけるのがなかっただけだろうけど。
まあそれはいいとして……
「ちょいま~ち! 遊びのために抜けるとはどういうことやねん!」
「いいじゃないっすか、別に。じゃ、そういうことで」
ん? 待てよ、友達と遊び?
そういえば……
「ああああああ! 私、弟の送り迎えを頼まれてたんだったあああああああ!」
「如月さん、弟がいらっしゃるんですか?」
「高校生なんですけど、今日友達と遊びに行くとかで、送り迎えを母から頼まれてたんです! 少し抜けます!」
そういって外にある自転車にまたぐ。
一生懸命こいでいく私を、斗眞君がじいっと見ていた。
(つづく・・・)
シリアス(?)展開が続くなか、
KY的な内容なきもしますが……笑
個人的に、冒頭の怪談シーンがお気に入りです。
特にかいちゃん。
こういうイベントには、うってつけですよね。
ちなみに参戦していない輝流も、
怪談は平気だったりします。
次回、ついに真実があきらかに!!




