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エピソード1:出逢い

俺、佐倉悠斗(さくらゆうと)はごく普通の28歳サラリーマン。

いつも通りの日常を送っていたところ、親友で悪友でもある春樹(はるき)から連絡があった。


その一通の連絡から、俺の日常が変化してゆく…。

昼休憩…今日もコーヒーを片手に、紫煙を吐く。

夏だ、8月。特に何も変わらない日常を過ごしていた。


ピロン、とふいにLINEの通知音が響く。

メッセージを確認すると、親友…そして悪友である春樹(はるき)からだった。

悠斗(ゆうと)ー、今日合コン来ねえ?人数足りなくなっちまってさ。』


俺ははぁ、と溜め息をつく。

こんなことで呼び出されるのは既に慣れていた。

明日は幸いにも土曜…休日だ、いいだろう。


『何時から?』そう返信すると秒速で返信が来た。

『21時!恩に着る!いつもの居酒屋で』…と。


定時は18時。

21時なら仕事終わり、家に入り風呂に入る時間もあるだろう。


昼休憩が終わりデスクに戻ると、部下の三浦(みうら)が声をかけてきた。

佐倉(さくら)課長、お疲れ様です。こちらの資料なのですが…」

三浦が近づいてくると、ふわっと女性独特な香水の香りがした。


「ああ、このまま進めてくれ。頼む。」

俺はそう返事して自分のPCに向き合った。


定時にきっちり仕事を終えると、俺はPCをシャットダウンする。

『お疲れ様です。』俺含め、部下たちも皆帰宅の準備を始める。

「お先に失礼」…俺は部下たちにそう言って、帰路についた。


帰宅すると、まずネクタイを緩める。思わずはぁ、と溜め息が漏れる。

「準備するか…」俺は一人、そう呟きスーツをクローゼットにかけて風呂に向かった。


鏡を見る。

ツーブロックの良くある髪型に社内規定にて染められない黒髪。

俺の顔は…好きという人もいればそうでもない、という人もいる。

いわゆるフツメンだと自認していた。



「悠斗!こっちこっち!」

時間通り21時にいつもの居酒屋に向かうと、春樹が居酒屋の前で手招きしていた。

「今日は5対5の合コンだ、もう俺ら以外は集まってる。因みに…可愛い子が多いぞ!お持ち帰りしたいもんだな~。」

春樹はニヤッと笑った。


居酒屋の個室に通されると、何回か合コンで顔合わせしたことのある男3人と、全く面識の無い女5人がいた。


「お待たせしましたー!んじゃ自己紹介から始めますか!」司会を務める春樹が言う。

俺たちは各々簡単に名前、年齢、職業などを自己紹介していった。


その最後…5人目に自己紹介した女に俺は目がいった。

他の4人とは違いその女は、このクソ暑い時期に室内にも関わらず長袖の、しかも手の甲まで隠れるようなサマーカーディガンのようなものを羽織っていた。


その女は奈津美(なつみ)と名乗った。年齢は俺の3つ下…25歳、フリーターだそうだ。

また、こう言っては失礼だが…他の4人は美人、可愛い系なのに対してその女は不細工でも美人でもない容姿をしていた。

肩までの黒髪ボブ、すこしそばかすの目立つ頬、奥二重の瞳。

まじまじと見ているのを悟られないよう、俺はすぐ目を逸らした。


自己紹介の後。俺たちは合コンらしく盛り上がって話をし始めた。



夜も0時を回ったころ解散となり、俺たちはグループLINEを作成し各々LINEを交換することになった。

『今日は楽しかったです!』

『また集まりましょう!』

『春樹さん、今度はいつにしますか?』

流石女性陣は連絡がマメである、解散してすぐそんなLINEがグループに連投されていた。


またピロン、とLINEが鳴る。

『よろしくお願いします。』

そうLINEを送ってきたのは、奈津美だった。


他の女たちは自撮り、ペットなど可愛いアイコンにも関わらず…奈津美のアイコンは真っ黒だった。

『やっぱり変わった女だな…』そう、思った。


しかし何となく奈津美のことが気になった俺は、気付けば奈津美の個人LINEを追加していた。

ここまでお読みくださりありがとうございます。

次回、『奈津美という女』に続きます。

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