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精霊剣士の物語〜Sauvenile〜  作者: 伊藤睡蓮
精霊剣士の物語〜Sauvenile〜
13/23

精霊剣士の物語~sauvenile〜其の拾参

24,〜紅葉秋翔vs悪魔刻のレオ・前編〜

「「行くぜ相棒!」」魔力が爆発的に膨れ上がる。


「こ、この魔力はなんだ!俺たちデモンシアの12星座の悪魔に匹敵する魔力だと⁉︎」

今の俺たちならこの力をコントロールできる。みんながいてくれるから、守ってやれる。


「「俺たちがみんなを、守る!精霊の加護・炎舞(ベラーダ・えんぶ)!」」


全身を紅き炎が優しく包む。父さんが俺に最後に見せてくれた技、精霊の加護を自分なりにアレンジを加えてみた。うまくいった。これなら、勝てる。


「さっきの続きを始めようぜ。」


「調子に乗るなっ!俺が灰にしてやる。炎魔(フーフェル)Ⅲ!」レオの手から放たれる黒い炎。


「いくぞ、イグニ!炎纏(フィアーラップ)。」刀に炎が集中する。烈火のごとく燃える炎を纏った刀を振るう。レオの放った炎魔をかき消した。


「ほーぅ。たしかにこの間より少しは成長したみたいだな。だが、所詮ざこはざこ。炎魔Ⅴ!」今度は手に纏って飛びかかってきた。

刀と、レオの手がぶつかる。


「やっぱお前の腕、おかしいんじゃねぇのか!こんだけ力入れて斬れないってどんだけ硬ぇんだよ!」

「お前の力が貧弱なだけだろ。」レオはそう言って笑った。こいつ、武精祭の時も手刀とか言って俺の剣を粉々にしてくれたよな。まじでどうなってんだよ。それでも、前と戦った時よりも手応えを感じるのは確かだ。このまま押し切る!


「バカか?このまま押し切ろうなんて甘い考えさせるかよ。炎魔。」地面に手を叩きつけ、衝撃波を飛ばした。レオから咄嗟に距離をとる。


「さて、お前の強さは分かった。俺も全力で行かせてもらう。倍増分身(デッドビート)!」


これは、魔法じゃない⁉︎


レオの体から黒い炎が1つ、2つ、3つと現れる。その炎は徐々に形を保っていき、最後にはレオとそっくりな分身?が3体現れた。


「これが悪魔の持つ能力か。真冬と春香が倒したのはこの分身だな。」

俺の答えにレオは頷いた。


「あぁ。分身するごとに分身体の力は落ちるが、こいつら自身も倍増の能力を持ってる。分身はできねぇが俺の最大魔力に近づけることができる。」

これがレオの能力か。それにしても本体合わせて4対1か。


「数は問題じゃないんだろ?炎魔爆散(フーフェルショット)!」横からロークが拡散型の炎魔を放った。そういえばこいつらもいたな。このぐらい躱すのは簡単だ。


「ならば我々を倒してみるがいい。炎魔槍(フーフェルランツェ)。」ソーロが黒い炎の槍を放つ。

こんな槍ぐらいタイミングさえ分かれば簡単に斬れる。放たれた炎魔槍を真っ二つに斬る。


「あぶねー。この力使ってなかったらやばかったな。」


「そうか、危なかったか。」

真上から声がする。レオが俺の真上に飛んでこちらに向かって手をかざしている。


「どこ見てんだ?」今度は右側。

「よそ見はよくねぇな。」左。

前にも俺を嘲笑うレオが立っている。


その横にはローク、ソーロがいる。


「囲まれたか。しかも、どいつが本体だ?イグニ、分かるか?」

(分からん。4体のレオ、どれもほとんど魔力が同じで区別がつかねぇ。)

レオもそう言ってたし、そりゃそうだよな。


「本物の区別なんかしてらんねぇぞ。炎魔獅子Ⅴ!」


「「「炎魔獅子Ⅴ!」」」

4体のレオからそれぞれ黒き炎の獅子が現れ、俺たちに向かってくる。


「まじかよ!イグニ、避けるぞ。紅翼(アーラ)!」背中に炎の翼をつくり、黒き獅子を躱す。


「数が多すぎる!」全部消すしかない。


「炎孤の尻尾Ⅴ!」刀を振って、獅子をなぎ払うが、全てを防ぐことはできなかった。残った獅子がくらいついてくる。


「くそっ!紅翼・炎舞(アーラ・えんぶ)!」背中の炎の翼でくらいついてきた獅子をふりほどく。


「隙だらけですよ。炎魔Ⅲ。」ソーロは槍に炎魔を纏って俺に突き刺した。


「ぐっ!」

体に纏った炎のおかげで貫通することはなかったが、かなりの痛みだった。ソーロに刀を振るが刀は空中で弾かれる。

ロークが的確に刀を狙って撃っていた。


「どこ見てんだ炎の精霊使い!」

横からレオが右手を斜め上に、左手を斜め下の構えで広げ、突進してくる。この構えは見たことがない。やばい。


炎魔獅子牙(フーファルレオード)。」獅子の牙、両手に黒い炎を纏い獲物を噛み殺す時のように両手を振る。

「紅一閃・炎舞!」負けるわけにはいかない。刀の切っ先を前に突撃する。


両者ともに激しくぶつかった。レオの心臓の部分を確実に貫いた。まずは一体。


左肩の部分から出血している。さっきの攻撃を少しくらったか。


「へー、俺の分身を一体倒したか。6対1だったのによくやったな。まぁ、今のが分身の中でも1番弱いやつなんだがな。それと、分身が2体になったことで俺の分身の力はまた少し強くなる。1体になったら俺本体が2人いると考えてもいいな。」

まじかよ。精霊の加護を使っても流石に悪魔5体と戦うのは魔力の消費もでかいし、早く決めないと。


そういえば………奴の能力、何かがおかしい。


ーーー真冬&詩織&ジェミニ

「6対1、かなり厳しいわね。」

隣に槍やら炎で四肢を貫かれてボロボロになっている悪魔、ジェミニは戦いを見ながらそう口にした。


「厳しいってことは、あなたは味方?」詩織が不思議そうに首を傾げて言う。私も正直状況にはイマイチついていけてないけど、秋翔がジェミニを庇ったってことはそう言うことなんでしょうね。


「ジェミニ、理由は後でちゃんと聞くわよ。」ジェミニはそう言った私を見る。


「なに?何か言いたいことあるなら言いなさい。」


「あんたたち……よく生きてたわね。レオが来たからてっきり死んじゃったかと思ったけど。」生きてて嬉しいってことは最初から味方だったってこと?この安心したような表情。間違いなさそうね。本当にわけがわからかい。


「私だって死んだと思ったわよ。詩織さんのおかげ。とりあえず、ボロボロのままだと私も直視したくないから、詩織さん、ジェミニを少しでも回復させてあげて。」


「う、うん。範囲回復(ヒールエリア)。」


「ありがとね、2人とも。この借りは必ず返すわ。」

礼を言うジェミニ。悪魔がここまでお人好しだと本当に調子が狂うわね。それも悪魔の中でもトップクラスだろうから尚更。


私は秋翔と一緒に戦う、と言いたいところだけど、生憎魔力が残ってないし無理ね。それに、かえって邪魔になりそうだし。


「秋翔があんな技隠してるなんて思わなかったわ。」

「やっぱり真冬さんも初めて見るんだね。秋翔くんのあの姿。」紅い炎を身に纏って急に魔力が膨れ上がった。確か精霊の加護、って言ってたわね。


「それでもやっぱりレオと1人で戦うならまだしも、能力使われて数的に不利なのに、中級が2体もいる。紅葉秋翔、かなりやばいわよ。」ジェミニは深刻そうな顔つきで言った。そんなこと、言われなくても分かってる。どうしたらこの状況を変えられる?


(真冬、1つだけ方法があるzei。)ライム?

(また勝手に人の心を。)

(すまないzei。)

(まったく………いいわ。方法ってなに?)

(俺の魔力を使え。そうすれば一時的にだが魔法が使えるようになるzei。)

ライムの魔力を?でも、そんなことしたら。


(魔力が完全になくなれば死ぬな。そうじゃなかったとしても、俺は暫く戦えなくなるな。けど、今この状況で戦いに行けるのは俺たちだZEI!)


(そうだけど、精霊にとって魔力は命そのもの、本当に危険なことなのよ。)

(俺を信じろ。迷ってる時間なんてない。それに、イグニだって魔力使ってピンピンしてたzei。)

………。


(それは多分あいつの精霊が特殊なだけよ。………絶対死なせないから、ライム。)

(当たり前だzei。)

「詩織、ジェミニはここにいて。」


「真冬さん?」詩織が心配そうに私を見つめてくる。

「大丈夫。ちょっとだけレオに仕返しするだけよ。」


ーーー

5対1か、数は減ったけど、分身の魔力が上がって結局さっきよりも状況が悪くなった気がするな。このまま長期戦になればいつかは精霊の加護が解けてなぶり殺しにされる。その前になんとかしないと。

「大変そうね?手をかしたほうがいい?」

「あぁ、たの…む。って、真冬⁉︎なんでお前が出てきてんだよ!」

真冬は俺の体を下から上と徐々に視線を上に向けて見ている。


「さっきあれだけ攻撃くらっといてこのぐらいのダメージに抑えられてるんだから、やっぱり精霊の加護ってやつは凄いのね。でも、数が多すぎる。あなたの全力出しきるにはどのぐらいの数ならいけそう?」


「そうだな、3対1とか?………って。」

真冬は一体なにを考えてるんだ。


「お前、魔力ないだろ。そんな状態で戦えるわけないだろ。」

「ライムの魔力をなくならない程度でうまく使う。これ、ちなみにライムの提案。」ライムの魔力を?イグニも魔力使って学園まで飛んでもらったことがあるが、確かあいつそん時爆睡して当分起きなかったような。


「正直、お前が来てくれて安心した。」

真冬は意外なことを言われたのか少し口を開きながら驚いていた。

「え……どうして?」


「どうしてって、なんでだろうな。わかんないけど、安心して背中任せられるって感じ?そんな感じ。」真冬は顔を赤くしたと思ったら、後ろを向いた。


「あんた、それ言う人間違えてるわよ。あんたを好きでいる人に言っときなさい。」


「なにわけわかんねぇこと言ってんだ?」

真冬はこちらに顔を合わせようとしない。


「話は終わったかー?」

レオの声に、俺と真冬は正面を向く。


「おっ、どうやら終わったみたいだな。」

レオが少し前に出てくる。


「悪いな、待たせちまって。すぐに倒してやるから。炎纏。」

「そうね、なるべく早めに終わらせましょう。氷衣(グラージョン)。」真冬が氷の羽衣を纏う。辺りの空気が冷たくなったのが分かった。


「やば、今の俺でも寒さを感じる。さすが真冬。」

「あんたのとなりにいると暑くてこれ以上耐えられなかったから、ちょうどいいわね。」

こいつ。


「私たちの全力で魔力的にローク、ソーロの相手で手一杯よ。」


「充分すぎるぜ、真冬。レオ、お前ら3体の相手は俺だ!お前みたいなやつは子分といないとろくに戦えないビビりなんだろ?」


「んだと?おい、ローク、ソーロ。あいつに俺の恐ろしさを分からせてやる。お前は氷纏った雑魚の女とジェミニを片付けとけ。」

「了解。」

「かしこまりました。」


よし、うまくいった。


頼むぞ、真冬。


ーーー真冬vsローク&ソーロ

「さっさと終わらせましょう。私もそんなに長く戦ってられないの。」


「我々もはやくジェミニを討たなければいけない。」

「邪魔者は全員倒す。」ソーロは槍、ロークは銃みたいね。遠近どちらもバランスが取れてる感じかしら?めんどうね。大技を連発もできないし、なるべく一箇所に固まらせてから撃たないと。


氷人形(グラスドール)氷拘束(グラスゲン)、氷拘束Ⅱ。」自分と同じサイズの氷の人形を造る。


「レオ様の能力とは程遠いな。」ロークは氷人形を見て笑っていた。


「後悔しても知らないわよ?」

ロークの元へと走る。氷人形も同時にロークに向かっていく。


「ロークだけではないぞ。炎魔。」左からソーロが黒い炎を纏った槍を前に構えて突進してくる。


「知ってるわよ。氷槍(ギアランツェ)。」左手に氷の槍を形成して放つ、槍同士がぶつかる。


「その程度で私の槍は破れんぞ!炎魔槍Ⅲ。」氷槍が砕かれる。炎魔槍、今あれをまともにくらったら氷衣が解ける。


凍結斬(フロストシュラク)!」刀を振って冷気を放つ。炎魔槍は真冬の左側ギリギリで凍った。


「よそ見すんなよ。」さっきまで少し前にいたロークが目の前にいる。


「炎魔Ⅲ。」黒い炎が私の体を包む。


「くっ、熱い……。」思わず倒れこむ。氷人形はロークの背後に回って刀を振りかざしていたが、簡単にロークに壊された。

「かかったわね。」氷拘束。氷人形から氷が伸びる。ロークを捕らえるために。これで動きを封じれば。


「雑魚が。」片手でロークに伸びていた氷を砕かれた。

そして、その次は倒れた私に覆いかぶさるようにロークがまたがった。身動きがとれない。


「おいおいおい、こんなもんかよ?なんで出てきたんだ、お前。大人しくしてれば死ななかったかもしれないのに。いや、どの道死んでたか。ヒヒヒッ!」不気味に笑うローク。


ソーロもゆっくりと近づいてくる。

「ローク、レオ様の元へ行くぞ。こんな奴に構ってる暇はない。」


あと少し……。もう一歩踏み込んできなさい。ソーロが私の顔横に立つ。充分!

右手はまだ刀を握れてる。まだ、戦える。


左手の掌を床につける。


「氷拘束Ⅱ、発動!」ロークとソーロの足元から長い氷が飛び出す。

氷は2体の悪魔に絡まって動きを封じた。


「なんだ、これは⁉︎」

「これはさっきの氷人形と同時に発動させていたのか⁉︎」


「えぇ。手っ取り早く集めるには私がやられていた方が近づいてきやすいでしょ?」ちょっと危なかったけど。うまくいったからモーマンタイ。


絶対凍結斬(アブソートシュラク)。」刀を縦に振る。前方は白銀の世界へと変わる。2体の悪魔を氷が覆っていた。2体の悪魔はどんどんと黒い灰のようになって消えていく。終わった。

「ライム、お疲れ様。ありがとね。」刀は力が抜けたように犬のストラップとなって私の手におさまった。


25,〜紅葉秋翔vsデモンシアのレオ・後編〜

「レオの分身2体と、本体。よし、これなら勝てる。」真冬に感謝しないとな。5対1じゃ無理だったことも3人ならなんとかいける。


「この俺様に勝てるだと?お前ら精霊使いごときが悪魔に勝てるはずがないだろ。」

分身を含めた三体のレオは余裕の表情で俺たちをあざ笑っている。


俺とイグニはそんなレオを見て"ある事"を考えていた。

(なぁ、シュウ。)イグニが俺に語りかけてくる。

(イグニの言いたいことは分かってる。)俺たちが知るべき最優先の事。


((レオの本体ってどいつだ?))

さっぱり分からない。本体さえ見つければ大技を決めて勝利!という流れが出来上がるが、分身体を大技で倒してしまうと学習されて次にその攻撃が当たるか分からない。


(普通に考えたら、本体って真ん中にいるんじゃねぇか?)

(シュウ、お前は分かってないな。そう見せかけて左右のどちらかにいるパターンだぜこれは。)

(イグニはどいつだと思う?)

(……それが分かってたら苦労してねぇよ。)

つまり、一体ずつ潰していくしかない。


「もったいぶらずに魔力使ってくか。炎纏(フィアーラップ)。紅連閃。」

高速の連撃で3体のレオを分断する。


「紅翼、火焔破斬(フレアスター)Ⅱ!」紅き翼を広げて刀を強く握ってレオへと向かう。刀は激しく燃える炎を纏い、切っ先はレオへと向ける。


「炎魔槍Ⅲ!」レオが黒い炎で造られた槍を放つ。刀と炎の槍がぶつかる。


「後ろががらあきだぜ!」後ろから2体のレオが走り寄ってくる。刀は今使えない。


「刀だけが武器じゃねぇよ、レオ。紅翼・炎舞Ⅲ!」背中の炎は勢いを増してレオを襲う。炎に包まれたレオは不意を突かれたのかもがき苦しんでいるように見える。


「次はお前だ!炎狐の尻尾Ⅴ。」炎狐の尻尾で全ての炎の槍を払いのけ、刀を上にあげる。刀から炎が天まで届くような高さまで昇る。


「炎魔獅子牙Ⅱ!」紅く燃える尻尾と、黒き獅子の牙が激しくぶつかり、衝撃波がおこる。見事に相殺。


紅翼・炎舞で火だるまになっていたはずの2体のレオは、いつのまにか真後ろに立っていた。炎魔獅子牙Ⅱを繰り出したレオも、平然と前に立っている。


「「終わりだな、炎の精霊使い。」」


「確かに早めに終わらせてもらった方がありがたいな。」


刀に灯る炎がより一層激しく燃え始める。

「なんだ⁉︎この魔力は!」3体のレオは俺の刀から放たれる魔力に驚きを隠せていない。やっぱり、父さんはいつまでも俺の憧れの精霊剣士だ。


「紅翼。」素早く真上に飛ぶと、視界に3体のレオを捉える。


「イグニ、焔狐の尻尾(ヴォルクナテイル)。」


刀から放たれる烈火の炎は狐の尾を模して3体のレオをなぎ払う。レオは胸の前で手を交差して炎を防ごうとしていたが、全身が炎に包まれた。


「今ので本体が倒せてたらいいんだけどな。」そう呟くように言うと、イグニが俺に向けて冷たく言う。

「お前な、それは毎度お馴染みのフラグってやつだぞ。」


イグニがそういった途端、目の前の炎に穴が開く。そこからボロボロになりながらもこちらに駆けてくるレオの姿がある。


分身が本体を守ったのか。刀を構えようとした瞬間、体から魔力が抜けるのが分かった。


全身に纏っていた炎が、風に吹かれたように消えていく。


精霊の加護・炎舞の効果時間を過ぎた⁉︎


「あ………⁈」その場に倒れこむ。


そんな俺を見てレオはニヤリと笑いながら、手に魔力を集中させている。

「終わりだ、紅葉秋翔!炎魔獅子Ⅲ!」黒き炎の獅子がこちらに向かって放たれた。


避けようと思っても、身体が思うように動かない。精霊の加護をあてにし過ぎた。


黒き獅子が近づいてくる中、誰かが俺とレオの間に立ち、炎魔獅子に触れた。その瞬間、黒き獅子は跡形もなく消えてしまった。


「上出来よ、紅葉秋翔くん。まさかここまでレオを追い詰めれるとは思ってなかったわ。本当なら1人で倒してもらいたかったってのが本音なんだけどー。ここまで弱ってれば今の私とレオの力は五分五分。」

この声、まさか………。顔を前に向ける。


「ジェミニなのか?お前……動けたのか?」

ジェミニは首を振る。

「動けるようになったのはあの子達のおかげ。」そう言って詩織と真冬のいる方を見ていた。


「ほら、あなたも立って戦いなさい。私の魔力、ちょっと貸すから。」そう言って俺の方に手を向けられた。


身体の内側に魔力が宿るのを感じた。


「おまえって、本当によく分からねぇな。」ゆっくりと立ち上がって、ジェミニの元に歩いていく。


「謎多き女の子は嫌い?」ジェミニは片目を閉じながら尋ねる。それがわざとなのか、それとも回復しきれていないのかは何となくわかる。


「嫌いとまでは言わないが、何考えてるか分かんないからな。」

そう答えるとジェミニは俺より1歩前に出る。


「そう。だったらこれが終わったらちゃんと話す。今はレオを倒す、それでいい?」

黙って俺は頷いた。


レオと最後の決着をつける時だ!

どうも、改めまして、作者の伊藤 睡蓮です

レオとの決着まであとすこし!

勝つのはどちらか、は次の投稿をお待ちいただければと思います。おそらく、1ヶ月ほどだと思いますが、また遅れるようでしたらご連絡いたします(〃・д・) -д-))ペコリン


秋翔の新技、新形態、その他のメンバーもまだまだこれから活躍していきますので、そちらにもご期待ください!


それではまた!

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