迷子
テッテテー♪
隊長は赤い玉を手に入れた。
この玉が次の階層に行くための鍵になるらしい。
軽く休憩を挟み、次の階層の入り口に向かい歩き出す。
ぴしゃぴしゃぴしゃぴしゃ
ボスを倒したというのに、、、、、
ぴしゃぴしゃぴしゃぴしゃ
何時もより空気が重い、、、、、
ぴしゃぴしゃぴしゃぴしゃ
時々鍾乳石を見かけると何やら四人で相談している
ぴしゃぴしゃぴしゃぴしゃ
3時間程歩いたところで、休憩になった
休憩中も空気が重い、
さらにまた歩き出す
ぴしゃぴしゃぴしゃぴしゃ
(ん?)
ぴしゃぴしゃぴしゃぴしゃ
私の体内磁石が違和感を覚える、
(何や同じところくるくる回ってる、、、、、?)
小姉さんに コソッと 聞いてみる。
「もしかして、迷子になってます?私たち、、、、?」
ビクッ!! と分かりやすく反応してくれる小姉さん、
[「どうそしてそう思うの?」]
少し、どもり気味に質問返し、、、、。
(、、、コレ、迷子確定や、、、、、)
「視界の無い状態でもある程度方角を意識しながら歩く訓練はしてるんです、
その感覚を信じると元いた場所からまっすぐ進んで1時間位の感覚なんですよね、、、。」
ふー とタメ息
[「トーコちゃん凄いね」]
となぜか褒められた。
小姉さんは隊長を呼び止めて、今日の移動はここまでにしようと、提案する。
ある程度、野営の準備が整ったところで現状について説明してくれた。
この洞窟は推定40平方キロメートルの平らな空間で、目印となるものは時々立っている鍾乳石のみ、
出口の扉はまだ、発見されたことが無いらしい。
もちろん、壁沿いに歩くなんて事は過去何人も試しているらしく、だからこそ推定40kmという数字が出された。
ということで、おそらくは床に赤い玉の嵌る穴が空いているだろうと、捜索しているのだという。
実はこの4人ここに挑戦するのは今回で8回目、
どおりで手馴れた作業に見えたはずだ、、、、、
「っていうか、8回も来てるならそれなりに地図も埋まってるんじゃ無いです?」
なんて言ってみたが、この洞窟、鍾乳石の成長速度がとても早く、一週間もすると全然別の姿になっているらしい。
地面に傷をつけても足元を流れる水と砂にすぐに埋められ、
色なんかはもちろん付かない、
棒でも地面に挿していけば良さそうな物だがこの地面はとても硬く3センチほどの丸い棒を10センチ埋めるだけでも半日近い時間がかかるそうだ。
それでも、過去に挑戦したパーティはいるらしいのだが、なぜか数日で棒が消えてしまうらしい。
「2000人で横に並べば一人2メートル巾やん!」
コレは名案と 立ち上がりキメ顔で言ってみる。
隊長が皮袋から透明の板を取り出す、前に見たELディスプレイだ。
その板に登録していないと、ここに入ることは出来ないそうだ、
登録上限は一枚に付き6人、
そしてその板は世界で8枚しか発見されていない、、、、。
浅はかでしたすいません・・・・・。
真っ赤になって再び座る、
(40キロを彷徨って運よく10センチ程の玉の入る穴を探さなあかんて事、、、、?
絶望適やん、、、、、)
成るほど、だから伝えられてなかったんだなと納得する、
だって、誰だってゴールの見えない冒険なんてしたくないだろうから、、、、、
何か方法は無いものかとウンウンと唸っていると、隊長がトンと肩をたたいて一言
[「期待してるぞトーコ」]
え、
何を????
[「この状況でも方角が判るんだろう?実はさっき見ていた鍾乳石は3回目で、どうしたものかと困ってたんだ」]
図らずも皆の命運を託された私、 食料はまだ一ヶ月はもつから安心してと励まされた、、、、、
こんな景色も無いところに一ヶ月もいたら気が狂う、、、。




