【現在】『しろいろの街の、その骨の体温の』(村田沙耶香)
2012年発行。
芥川賞を獲った『コンビニ人間』。それ以前に村田沙耶香センセが書かれた作品ですね。
前半は体感的に女の子しかわからないような部分を覗きみる背徳感があったりも……。と、そんな思いもどこへやら、途中から完全に主人公にリンクさせられている自分がいましたね(年齢も性別も全然違うってのに……)。
閉塞感と息苦しさがもう半端ない……のにページをめくる手が止まらず。
作中にある、所謂『上の人』と呼ばれる人たち(極端に言えば「いじめる側」の人たち──あくまで極端に言えばです)。
彼らも、もしこれを読んだら苦しくなることがあるんだろうか?
そもそも自分が『上の人』と自覚してる人なんて本当に存在するんだろうか?
この小説を読んで苦しくなる人がなるだけ多い方が──むしろそんな世界の方がいいような気がするなぁ~などと思ってしまいましたね。
特に215ページ目。ここは、まるまるアンキパンに写して飲み込んでおきたいくらいの下りがありました。「なぜその人と一緒にいたいのか?」という問いにこれ以上ないくらいの答えをもらったような気がします。
タイトルや表紙が表すごとく、主人公が暮らしている町、「開発が途中で打ち切られたまま、中途半端なニュータウン──」自体も重要な役割を持ってますね。もう一人の主人公と言っても差し支えないくらいに。
時おり、町の表現がとても肉々しいというか、少し気持ち悪くなるところもありました。いや、もちろんいい意味でですけどね。
楽しく……というのはまた違うのかな? すごく興味深く読めました。うん、面白かった。




