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54 盗賊討伐依頼

だいぶん間があいてしまいました。

のんびりと更新しかできませんが、楽しんでいただけたら幸いです。

「ねえ、グリー。」


「なんだ?ロディ。」


「採集依頼、ないねー。」


「だなぁ。どうすっかなぁ。トライドがやめとけって教えてくれたのに行くのはなぁ。」


朝早くからギルドに来ていたロディとグリーたちは、まさかアワカビゴケの採集依頼があのダンジョン「ボワリゾン」のものしかないとは思いもせず、面食らっていた。


「仕方ない。別の依頼を受けよう。これなんかどうだ?」


フィズが手に取ったのは、ホーンラビットの肉の依頼だ。どこかの食堂からの依頼なので急遽たくさんいることになったのだろう。


「せっかくトライドさんに聞いたのにね~。残念だね。」


ロディはフィズが持っている依頼書を見ながら、つぶやいていると、後ろから声がかかった。


「何が残念なんだ?」


「トライドさん!!」


「よお。」


トライドに声をかけられ、ロディは振り向いて驚いた。グリーたちは渡りに船だとトライドを囲んだ。


「なあ、トライドさん。アワカビゴケの採集依頼、ボワリゾンしかないんだよ。何かおすすめのとことかあるか?」


「あー、そろそろ時期終わりか。悪い、そこまで考えてなかった。・・・なら、ザリィ峠の盗賊退治、一緒に行かないか?またギルドから声をかけられたんだが、人数が足りないらしくてな。」


トライドはがしがしと頭をかきながら考え,ロディたちを誘った。


「え?それは地方騎士団の仕事だろう?」


ジェインがキョトンとした顔で尋ねた。


「最近はあちこちで盗賊やら魔物の大量発生やら事件だらけで,地方騎士団だけでは,人数が足りていないんだとよ。」


「ああ!それなら俺たちも退治したぜ?魔物。」


ジェインがぽんと手を打った。


「そうなのか?」


「王都からこっちへ向かう途中で泊まっていた村が数種のウルフの群れに襲われたんだ。一晩中戦ったよ。」


「へえ,すげえじゃねぇか。やるなぁ。」


フィズの言葉にトライドが眉をあげてにやりと笑う。目を見張りながら褒めるトライドに,グリーたちは照れる。


「いや、それほどでも。」


「あんたにほめられると気分がいいな。」


「俺等よりロディがすごかったなぁ。」


「?この嬢ちゃんがか?」


フィズの言葉に,トライドはロディを見て驚く。


「ああ,弓も魔法も動きも,俺達の比じゃない。その討伐依頼,一緒に受けるから,ぜひそのときにロディの動きを見てください。ロディはかなり優秀な冒険者だ。」


「へえ、そりゃあ、楽しみだ。」


トライドはロディを見てにかっとわらった。ロディも一緒に行けることが楽しみでにこにこする。グリーはロディの様子から行く気になっていることを見て取ると、トライドに尋ね始めた。


「盗賊退治はいつからなんだ?」


「これからだ。このまま集合場所に行くぞ。」


「作戦予定時間は?」


「今日の昼から明日の夜まで。一気にたたみかけて壊滅させるつもりだ。」


「それくらいなら宿に荷物を取りに帰ればすぐ行ける。よし,荷物持ってからもう一回来るから待っててくれよ。」


「ああ、わかった。急げよ。」


グリーたちは急いで宿に戻り荷物を採ってくると,トライドと一緒に待ち合わせ場所まで行った。




「トライドさん,おまたせー!」


「おう,意外と早かったな,ロディ。」


「うん。私は荷物まとめてたから。ジェインが大変そうだったよ。」


「ん?」


確かにロディの姿はあるが,他の男三人の姿が見えない。


「まだ来ていないのか?」


「うーんと,さっきまで一緒にいたんだけどなぁ。」


トライドに問いかけられ,ロディも首をかしげる。と、道の奥のほうからグリーの声が聞こえてくる。


「おーい、今ジェインのかばんの底が抜けて、新たしいかばん買ってんだ。もうちょっと待ってくれ。」


「ジェイン、そうとう買ってたからなぁ。」


「いったい何を買ってたんだ?」


「体力回復薬と魔力回復薬。この間ウルフの群れと戦ったときに,なくて大変だったから。」


「魔法使いはそういうとこ、大事だよな。」


ロディとトライドが話していると、ようやく三人が到着した。


「っふっ、はー、はー。遅れて、すまん、トライド。」


ジェインがものすごく息を荒らして謝る。


「いや、全力で走ってこなくても待つぞ。」


「いや、恩人を待たせちまってんだからな。走るさ。な?」


全く息の切れていないグリーが答えるが、ジェインもフィズも息が切れて声が出せず、頷いて答えていた。


「まあ、歩いているうちに息も整うだろ。ほら、あそこに冒険者が集まってるだろ。」


トライドが差し示す方向をみると、結構な人数の冒険者が集まっていた。ロディたちはすっとその集まりの傍に寄った。


「おお、トライド!ようやく着たか!」


「あれがうちのギルマス、ギルディアス=オーティスだ。」


とトライドはロディたちに教えてから答えた。ギルディアスは未だ現役冒険者ができそうなほど大柄で力こぶなどが見えるような老人だ。顔に刻まれた大きな切り傷は歴戦の戦士を彷彿させる。


「おう。新規の参加者連れてきた!」


「そりゃ助かるな。誰だ?」


「この四人だ。」


「ほう、元気のよさそうなやつらだな。いいぞ。これで全員揃ったな。出発するぞ!!」


ギルドマスターの声が辺りに響くと、冒険者たちがぞろぞろとその後を歩いて行く。大きな幌のついた荷馬車にのったギルドマスターのあとを歩いてついていく冒険者たち。馬車には山のように荷物が積んであるようで、幌がふくらんでいる。また冒険者たちの最後尾をもう一台の荷馬車がついていく。荷馬車に挟まれた形でのったりまったりと進んで行った。


【設定54】

ギルディアス=オーティス

ルットステンの冒険者ギルドのギルドマスター。すでに冒険者を引退した爺。

しかし、未だ冒険者に劣らない力を発揮してみせる豪傑。

トライドはギルディアスに鍛えられた若者の一人。

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