chapter36 大規模調査開始
こうして、大規模調査が始まった。
街の外に出たオレたちは、グループごとに散り散りになっていく。
オレもゴブリンを探そうと動き出したところで、“なぜか一緒にいる”ギルマスが声をかけた。
「ケイタ――あんた。“魔法を使ってゴブリンを見つけた”って言ってたね。そいつを使いな」
どうやら、しっかり覚えていたらしい。
オレも闇雲に探すつもりはない。
「わかりました」
ため息をつき、《ウィンドウィスパー》を発動する。
無魔法の探査を応用した風魔法だ。
相変わらず音はうるさいが、慎重に周囲の足音を聞き分ける。
すると――複数の足音が森の奥から聞こえてきた。
「こっちです」
魔法を切り、音が聞こえた方向へ向かう。
■ ■ ■
現場に着くと――そこには大量のゴブリンがいた。
数はざっと百体ほどか。
「ゴブリンがあんなにたくさん…」
「すぐに討伐しましょう!!」
先輩冒険者が圧倒され、声を上げた。
「待ちな!!」
ギルマスの一喝で、空気がピリッと引き締まる。
「そうですよ。あれだけの数です。無策に突っ込むのは危険です」
オレも頷き、意見を述べた。
「ケイタ、あんたが言えることかい?」
ギルマスは最近のオレの失敗を蒸し返す。
「確かに、多勢に無勢ではありますが――最初のとき以外は、ちゃんと計算して動いてますよ」
昨日も火魔法の練習ついでに肉を焼いていたら、再びゴブリン群とフォレストウルフ群に襲われた。
殲滅し、死体をギルドに持ち帰ると、ギルマスに叱られるはめになった――不可抗力なのに。
そのため、ギルマスから「どの口が言ってるんだい」と言われてしまった。
ここで揉めても仕方ない。
ゴブリンたちに見つからないうちに片付けよう。
「まず、オレが撹乱しますので、みなさんは――逃げようとしているゴブリンたちを倒してください」
オレがそう言うと、待ったがかかる。
「それは危険だ。新人の君に任せるわけには…」
先輩冒険者のひとりが声を上げた。
「誰かがやらないといけないことです。それに――オレには“秘策”がありますので」
もちろん秘策があるのは嘘だ。
だが、この中で機動力があるのはオレだろう。
オレは“召喚者”――この世界とは別の魔法知識を持っているのだ。
反論を受け、先輩冒険者は「わかったよ」と答え、引き下がった。
「それじゃ、あんたのお手並み拝見と行こうかね」
ギルマスがそう言い、戦闘開始の合図となった。
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