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無気力系召喚者、覚醒する  作者: 火川蓮
第五章

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chapter36 大規模調査開始

こうして、大規模調査が始まった。

街の外に出たオレたちは、グループごとに散り散りになっていく。

オレもゴブリンを探そうと動き出したところで、“なぜか一緒にいる”ギルマスが声をかけた。


「ケイタ――あんた。“魔法を使ってゴブリンを見つけた”って言ってたね。そいつを使いな」


どうやら、しっかり覚えていたらしい。

オレも闇雲に探すつもりはない。


「わかりました」


ため息をつき、《ウィンドウィスパー》を発動する。

無魔法の探査サーチを応用した風魔法だ。


相変わらず音はうるさいが、慎重に周囲の足音を聞き分ける。

すると――複数の足音が森の奥から聞こえてきた。


「こっちです」


魔法を切り、音が聞こえた方向へ向かう。


■ ■ ■


現場に着くと――そこには大量のゴブリンがいた。

数はざっと百体ほどか。


「ゴブリンがあんなにたくさん…」


「すぐに討伐しましょう!!」


先輩冒険者が圧倒され、声を上げた。


「待ちな!!」


ギルマスの一喝で、空気がピリッと引き締まる。


「そうですよ。あれだけの数です。無策に突っ込むのは危険です」


オレも頷き、意見を述べた。


「ケイタ、あんたが言えることかい?」


ギルマスは最近のオレの失敗を蒸し返す。


「確かに、多勢に無勢ではありますが――最初のとき以外は、ちゃんと計算して動いてますよ」


昨日も火魔法の練習ついでに肉を焼いていたら、再びゴブリン群とフォレストウルフ群に襲われた。

殲滅し、死体をギルドに持ち帰ると、ギルマスに叱られるはめになった――不可抗力なのに。

そのため、ギルマスから「どの口が言ってるんだい」と言われてしまった。


ここで揉めても仕方ない。

ゴブリンたちに見つからないうちに片付けよう。


「まず、オレが撹乱しますので、みなさんは――逃げようとしているゴブリンたちを倒してください」

オレがそう言うと、待ったがかかる。


「それは危険だ。新人の君に任せるわけには…」


先輩冒険者のひとりが声を上げた。


「誰かがやらないといけないことです。それに――オレには“秘策”がありますので」


もちろん秘策があるのは嘘だ。

だが、この中で機動力があるのはオレだろう。


オレは“召喚者”――この世界とは別の魔法知識を持っているのだ。

反論を受け、先輩冒険者は「わかったよ」と答え、引き下がった。


「それじゃ、あんたのお手並み拝見と行こうかね」


ギルマスがそう言い、戦闘開始の合図となった。

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