佐渡島ドライブ2ー佐渡島って島だけど島じゃなかった。
東京駅から新潟駅まで2時間、新潟から佐渡島の両津港まで高速船で1時間。
7時に東京を出れば昼前には両津港に着く。
旅にはいい距離だ。
そしてフェリーでの船旅。
遠くに来た!』て感じがしてウキウキしてくる。
いよいよ両津港に船が着岸した。
カモメがゲートの屋根にとまりこちらを見ている。
「お兄、到着だって!」
ほなみはシートベルトを外すと立ち上がった。
今日は、マリンシャツにカーゴバンツ。行動力重視で遊ぶ気満々だ。
「我は先に行っとるぞ!」
サヤとサラは窓をすり抜け、先に桟橋へと飛んでいく。
2人はキャミソールと短パン、サンダルのお揃い夏旅行コーデ。大胆な素肌見せは日焼けを気にする必要ないからだ。
抜け駆けはズルいと、急いで出口に向かう。
船のタラップを降りるとほなみは拳を突き上げ叫んだ。
『ざまあみろ〜!!』
『『ざまあみろ〜!!』』サヤもサラ続けて叫ぶ。
テンション高すぎだろ。
周りからの視線が…と思ったが、気にされていない。家族連れが海をみたり、グループで写真を撮ったり、ワイワイと賑やかだ。船着場は旅の始まりに華やいでいる。
『ここは南極じゃないぞ?そんなネタ、誰もわからんぞ。』
アニメの1シーンだ。
『お兄はわかってるじゃない!』
ほなみはニヤニヤ笑う。
『そりゃ、あれだけエンドレスで流されれば、嫌でも覚えるさ。』
そんなことを言いながらぼくらは佐渡島に上陸した。
レンタカー店のお兄さんに見送られ、ぼくらを乗せたアルト丸(軽自動車)は古い商店街を走る
佐渡島は細長い島を2つ、ずらしてくっつけたような形をしている。
その東側にあるのが両津港だ。
ぼくらはそこからレンタカーで南西の先、小木半島に向かう。
佐渡の名物、たらい舟に乗る為だ。
。
『たらい舟って何じゃ?』
『昔、佐渡島の人はたらいに乗って魚を採ったんだって。』
『たらいって天井から落ちて来るあれじゃろ?何故、わざわざそんな物に乗ったんじゃ?他に何かあるじゃろ。』
『ひっくり返りそうだね。』
サヤとサラは首をかしげる。
『さぁ、謎だよね?乗ってみたらわかるかな?』
ほなみも首をかしげる。
『そうじゃな。試すのが一番じゃ。』
『一番じゃ!』
サラがニコニコ笑っていう。
『それじゃ、たらい舟までレッツゴー!』
商店街を左折し、350号線に入った。
佐渡島を東西に結ぶ主要道路、のはずだが片側一車線ののどかな道だった。
渋滞もなく快調に市街地を抜けた。
左の木々の間から加茂湖の湖畔が見える。
『加茂湖って新潟最大の湖なんだって。』
ほのかがガイドブックを見ながら言った。
『島の中にある湖が最大なの?』
サラが不思議そうに首をかしげる。
木々の間からでは湖の全容が見えない。
『よし、わしが見てこよう。』
サヤが、スッと車の天井から外に飛び出し加茂湖の方に飛んでいく。
だが、350号線は右になだらかに曲がっていく。湖畔から遠ざかっていく。
サヤは依代のぼくから遠くへは離れられない。
バタバタ足掻いていたが、サヤもリードで引かれる犬のように湖から離れていった。
『何も見えんかった〜』
残念そうに戻ってきた。
右に左に緩やかに曲がる350号線をアルト丸は進む。350号線は昔から街道だったのだろう。
市街地と交互に古い町並、昔からあるであろう立派な農家が続く。
遠くの小高い丘に立つ大きな神社。立派な鳥居が見える。
『佐渡ってさ、何か歴史を感じるね。』
『佐渡は金山もあったし、昔から重要な島だったんだろうね。』
『おや、あれは学校かのう?』
『あ、二宮金次郎像があったよ。私、初めての見たかも。』
『うちの小学校にはなかったからな。』
ぼくも見たことないなぁ…実際、どれくらいの学校にあるのだろう?
『あ、その像、知ってます!夜に歩く像ですよね?』
『わしが見たアニメでは目が光っていたぞ!』
そんな町並をしばらく楽しみながら走り、カーナビに従い左折をする。
街道から離れ建物のがなくなると視界が急に広がった。
風に揺れさざめく緑の稲穂が遠くに連なる山々まで広がっている。
高く深い青い空。
深い緑と青の間を道が真っ直ぐに走っていた。
景色は一面の夏の田園に変わった。
『お兄、窓開けていい?』
『いいけど、手を出すなよ?』
途端に夏の風が車内を回る。
『あっつい!!』
そう笑いながらもほなみは窓を開けたまま笑っている。
最高の開放感だ。
『佐渡島ってでっかいなぁ。』
真っ直ぐに続く道を走りながら呟く。
こんな広大な景色を見るとは思ってなかった。
『島じゃないみたい!』
『じゃあ、なんだ?島より大きな…なんだろな??』
首をかしげる。
『ぴったりの言葉が思いつかないね。』
『佐渡はでっかいってことじゃな!』
『佐渡はでっかいな!』
サヤもサラも笑っている。
ま、それでいいか!
アルト丸は快調に田園を走っていく。
川を渡ったところで堤に車を停め小休憩。
車から降り、背を伸ばして水を飲む。
日差しが眩しい。
サヤとサラはふわふわ飛び回っている。
『綺麗な鳥がいますよ!』
サラが川の少し上流をを指さす。
『弦、あれが朱鷺ではないか?』
澄んだ川面に立つ大きな薄紅色の鳥がいた。
魚を狙っているのか、水面をじっと見ている。
『どこどこ??』
ほなみがサラの指さす方を探す。
その声に驚いたのか、バサッと羽を広げ飛び立った。
大きな翼で優雅に空高く飛んでいく。
『あれ、朱鷺だよね、きっと!』
『ああ、普通にいるんだな。』
ぼくらは朱鷺がとんでゆくの見上げた。
朱鷺はやがて点となり青い空にきえていった。
『最高の旅ですね!』
サラが嬉しそうに降りてきた。
『うん、最っ高!!』
ほなみがサラを抱える。
サヤもぼくの頭の上戻って来た。
『よし、出発だ!!』
ぼくらは小さな軽に乗り込んだ。
佐渡の旅では350号線に大変お世話になりました。景色が多彩でドライブしていてとても楽しい道でした!
お寺や小学校の位置関係はかなり怪しいです。すいません。




