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ゴブリン討伐隊

俺たちはたいまつを片手に草原に立っていた。


フレインがゴブリン討伐の依頼を持ってきてから二日後の深夜。直接依頼を受けた冒険者だけがレンゼン市の外に集結していた。集まっているのはゴールドランクやシルバーランクばかりでブロンズは俺たちしかいないようだった。あたりは草原が広がっていて、夜でなければ見晴らしがいい。


他の冒険者たちやレンゼン市民たちはゴブリンの群れの侵攻を知らされていない。パニックになって二次被害が出るのを防ぐためらしい。

今頃アイリスさんは幽霊ホテルの自室ですやすやと寝ていることだろう。


俺は目を凝らして周りを見渡した。さすがに強者揃いだ。魔法力500以上がわんさかいる。中でも、女性冒険者と楽しそうに談笑している大きな剣を持った男と端の方で岩に腰掛けている杖を持ちマントを羽織った女は別格で、二人とも魔法力が3000以上ある。ん?そういえば初めてギルドに行ったときにこっちを見ていた冒険者の中にあの二人もいたような……。



「お集りの皆さん聞いてください。偵察チームの話だとゴブリンの群れはもうすぐそこまで迫ってきているようです。いいですか。絶対にゴブリンをレンゼン市内に入れないようにここでくいとめてください。お願いします」


とギルドの受付係の女性が大声で冒険者たちに呼びかけた。冒険者たちの間に緊張感が走る。ベテラン揃いでもやはり魔物との実戦となると気は抜けない。

俺はいつも微弱な魔力を身に纏っているが、さらに魔力を集中させ身に纏う魔力量を増やした。

そして俺は横にいたフレインとソフィに自分の魔力を分け与えた。フレインの魔法力が600から2000に上がり、ソフィの魔法力も0から2000に上がった。これでどんな相手でも問題ないだろう。


「なぁフレイン。聞いてなかったけどこの依頼の報酬っていくら――」


「来たぞっ!!」


誰かが声を発した。

足音を消し、暗闇に紛れてゴブリンの先遣部隊が奇襲を仕掛けてきたのだ。しかしそこはゴールドランクとシルバーランクの合同チーム。一瞬ひるんだもののすぐに体勢を立て直しゴブリンたちを迎撃していく。ゴブリンたちの応援部隊も駆けつけてくるが、冒険者たちは次々と倒していく。大剣を持った男とマントを羽織った女は実力の一端も見せずにゴブリンたちを楽々とほふっている。俺たちはベテラン冒険者たちの目を逃れて襲い掛かってくるゴブリンたちを素手で返り討ちにしていた。


長時間が経過してそれでも戦闘はまだ続いていた。ゴブリンの数はきりがなく次第に冒険者たちにも疲れの色が見えてきていた。

「くそっ!」

「えいっ!」

「うわああぁ!」

とあちらこちらから聞こえてくる。


戦いは長引いていた。そのとき、


『ガアアアァァァァッ!!』


という怒号が響き渡った。

すると前線で戦っていたゴブリンたちが一斉に後退していく。冒険者たちは皆安どの表情を見せるが、大剣を持った男とマントを羽織った女は逆に顔がこわばる。

俺は目に魔力を集中させゴブリンたちが後退していく方を見る。するとゴブリンの軍隊の後ろの方からゴブリンたちが次々と宙に舞っていく様子が見えた。

地響きのような足音がゆっくりとしかし着実に近付いてくる。

なんだ?



ゴブリンの群れがすっかり後退していなくなると一体の巨大なゴブリンが姿を現した。

大剣を持った男がこぼす。


「……あいつはキングゴブリンだ」


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