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本土防衛戦開始 その1 第8章 雪豹突撃隊

 みなさん、おはようございます、こんにちは、こんばんは、お疲れ様です。

 一方、その頃・・・





「陽炎団から、応援部隊が派遣されるからぁ~」


「応援部隊ですか・・・?」


 半田が、不法侵入者の言葉を聞き、首を傾げる。


「警察総監部直轄の警察災害派遣隊では無く、陽炎団ですか・・・?」


「そうそう」


「何故?」


「警察総監部は、今回の帝国本土への連合軍の攻勢が、これが終わりじゃないからぁ~・・・と、読んでいるから~」


「ほぅほぅ」


「聞きたい~?」


「是非とも」


「偵察衛星や偵察機からの情報と、シギント等による情報によれば、北太平洋を通過して、連合国アメリカ合衆国海軍太平洋艦隊特別攻撃艦隊が、帝国本土への攻撃を計画しているぅ~・・・て」


「なるほど、在日アメリカ軍、自衛隊、ニューワールド連合軍は、連合国アメリカからの攻撃に対して、わざと見逃すという事ですか・・・今回の侵攻も連合国のメンツのためにわざと見逃したのでしょう・・・?」


「おや?そこまで知っているぅ~さすがは、石垣派」


「私にも自衛隊に政治家、官僚の中にも情報網があります。石垣派の創設者は、警察、自衛隊、海上保安庁の重役であり三頭同盟関係にありました。まあ、石垣兄弟ではあるが・・・」


「本庄派よりかは、新参者だけどね・・・」


「本庄派と比べてはいけません。本庄派は、帝国時代から警察組織に派閥を持っていましたから」


「そうなの~それどころか、徳川幕府体制の時代には、江戸城の重鎮でもあったから~まあ、幕末の時代、本庄派は、2つに分断されていたけど~」


「幕府側と薩長同盟側ですか・・・」


「そうそう~」


 不法侵入者は、頷く。


「幕府側についた本庄派の武士たちは、鳥羽伏見の戦い後も幕府につき、土方歳三(ひじかたとしぞう)と共に函館戦争を戦い抜いたの~」


「裏の歴史では、幕府側についた本庄派の志士たちは、戊辰戦争の時は官軍であった薩長軍に、一泡二泡を吹かしたと聞いています」


「薩長軍側についた本庄派の武士たちも、幕府軍に対して一泡も二泡も吹かしたのよぉ~」


「まあ史実の裏側の真相についての講義は置いといて・・・話を戻しましょう」


 半田が、咳払いをした。


「貴女から届けられた情報によりますと・・・彼らを検挙するには、捜査機関合同による一斉捜査が不可欠ですな」


「そうだねぇ~」


 不法侵入者が、惚けたような口調でつぶやく。


 半田が、内線電話の受話器をとった。


「私だ。私の名前で、北海道国家警察本部、特別高等警察局北海道支部、国家憲兵隊北海道国家憲兵本部に連絡、北海道管区警察局庁舎で、合同捜査本部を設置する。ただちに捜査関係者を集合させよ・・・と」


 半田が内線電話で、指示を出した。


「さて・・・彼らが、快く承諾するだろうか・・・」


「問題ないよぉ~関係各所には、匿名の名前で、この書類が提出されたからぁ~まあ、国家憲兵隊北海道国家憲兵本部には、文だけでは無く、爆竹セットで送っているからぁ~」


「まだ、あの事を根に持っているのですか?」


「もっちろん!国家憲兵隊の前身組織である陸軍憲兵隊の憲兵たちは、私を子供扱いしたぁ~絶対に許さない~」


「さぞかし、事後処理で本庄警視監が、頭を下げに行くのが、目に見えていますなぁ・・・」


 半田が、1つ思いついた事があった。


「石垣派の幹部警察官の元に来たのです・・・それも石垣派の幹部クラスの・・・ここだけに侵入していないでしょう?」


「もっちろん!半田警視監の私邸にも侵入し、個人所有のパソコンから、データを閲覧しましたぁ~」


 まったく悪びれずに白状する不法侵入者に、半田はため息を付く。


「・・・・・・」


「先ほど、連合国アメリカ海軍から特別攻撃艦隊が出動した、という事ですが、どこが目的地ですか?」


「それを聞いちゃう~?」


「ええ」


「アメリカ合衆国本土西海岸サンディエゴ軍港を出港したアメリカ海軍太平洋艦隊特別攻撃艦隊は、インドパシフィック合同軍合同海軍第7艦隊潜水艦部隊第74任務部隊所属の[ロサンゼルス]級原子力潜水艦と、菊水総隊海上自衛隊第2潜水隊群所属の[たいげい]型潜水艦が、密かに尾行しているよぉ~目的地は、史実のドーリットル隊が空襲を行った首都東京府で~すぅ」


「エルキア公国と、帝国との分断の可能性があるのでは・・・それか、ソ連軍への航空支援・・・ソ連をそそのかして帝国本土や満州地方に侵攻させたのです。外交上・・・彼らを支援する必要があるのでは・・・?」


「さすが石垣派・・・自衛隊にも幅を利かせているだけあって、防衛論や共同部隊行動論等にも精通しているぅ~」


「石垣派に属する警察官たちは、石垣派で創設された菊の紋様会という自衛官、海上保安官、その他公務員、政治家たちで構成された集会に属しています。そこでは、治安維持、反体制派等の対策についての研究や防衛論、共同部隊行動論等について幅広く研究しています」


「うん、知っているぅ~この前の集会の研究会には、私も出席させてもらった。かなりマニアックな防衛問題について議論していたねぇ~」


「会員では無い方が、勝手に集会の研究会に参加しているのは問題ですね・・・どうやって侵入しました?」


「それは秘密~」


「ふむ・・・では、次の集会の研究会では、対不法侵入者用害虫駆除燻薬(仮称)を焚こうかな・・・」


「はぁ~!?私、ゴキブリじゃない~!!」


「ゴキブリでしょう?」


「何それぇ~乙女に対して何て事を!!」


「貴女が1回侵入したら、50回は侵入されたと思え・・・と、ある方が言っていました」


「私は、ゴキブリじゃない~ブツブツ、ブツブツ・・・」


「秘密集会なので、部外者に聞かれては困るものがあるのです・・・特に石垣派に属していない警察官・・・公安関係者が聞くのは・・・」


「私は本庄派だけど、警察派閥の1つを潰すような考えは無いよぉ~そんな事をしたら、私たちの派閥も潰されるしぃ~いい事なんて、1つも無いよぉ~」


「本庄派は、警察派閥の中では最大勢力を持つ派閥・・・本庄派の警察官たちによって創設された桜の山会では、警察官だけでは無く、公安調査官、内閣情報調査官、大手警備会社の幹部、税関職員、入国警備官、麻薬取締官等で構成されていると聞きます。まあ、自衛官及び海上保安官は少数だと聞いていますが・・・」


「本庄派の桜の山会は、警察官及び特別司法警察員の資格を有する者たちで構成されているから、あくまでも各種事件の捜査を行う捜査員たちで、構成されているの」


「警察の派閥というのも考え物ですな・・・それで、女史、本庄派以外の警察派閥についての情報は、提供してはもらえないのか?」


「ええ~・・・どうしょうかなぁ~」


 不法侵入者が、悪戯っぽい笑みを浮かべる。


「教えていただけないのですか・・・?」


「石垣派が気にするのは、本庄派では無くてぇ~?他の派閥なんて、本庄派と石垣派から派生した派閥じゃない~?」


「それでも気になります」





 警察航空隊が所有するC-1改が、航空自衛隊の施設である千歳基地の滑走路に着陸した。


「はぁ~こんなに寒い時期だとう言うのに、さらに寒い北海道に飛ばされるとは・・・」


 陽炎団警備部警備第1課・特殊急襲部隊(SAT)制圧第1小隊に所属する森山(もりやま)重信(しげのぶ)巡査長が、ぶつぶつと文句をつぶやく。


「北海道で、大規模な出動があるのだろう・・・仕方ない」


 同じくSAT狙撃支援小隊に所属する、高荷尚也(たかになおや)巡査長が答える。


「俺たち、フィリピンに飛ばされたと思ったら、今度は北の北海道・・・それに、上海で行われるはずだった、旧中華人民共和国国民派勢力の武装警察特殊部隊・雪豹突撃隊との合同演習が延期になったんだ!あ~上海で、うまい飯やスイーツを食べる予定だったのに・・・恨むぞ、ソ連軍ども!」


「勝手に恨め。俺は北海道で、うまい札幌ラーメンでも食っている」


「裏切り者~!お前には、人間としての心が無いのか~!!?」


「そんなものは無い。お前も、いつまでもいじけてないで、札幌ラーメンを一緒に食うぞ」


「嫌だぁ~俺は本場の中国料理が、食べたい気分だったんだ~!!」


「札幌市に行けば、本場の中国料理が食えるぞ」


「「!!?」」


 傍らから聞こえた中国訛りのある日本語に、森重と高荷が振り返った。


「やあ、お二人さん」


「お前は・・・」


()じゃないか・・・どうして、ここに?」


 彼らに声をかけたのは、旧中華人民共和国国民派勢力の武装警察部隊・雪豹突撃隊に所属する()(ウン)(ラン)武警下士である。


「俺たちにも出動命令が出た。上の話では、とある女史から、北海道に潜み活動している中国共産党軍の工作員たちを拘束するために、日本の警察機関と大日本帝国の警察機関と合同で制圧するそうだ。だから俺たちも派遣された」


「そうか・・・なら、よろしく頼む」


「なあ、ここに中国料理があるって、本当か?」


 森重が、何に近寄る。


「相変わらず食いしん坊だな・・・ああ、俺の親戚が経営している中国料理店がある。北海道札幌市に新設された日本共和区北海道区で、店を出しているそうだ。味も保証するぞ」


「マジか!なら、北海道に飛ばされたのは悪くない」


 森重は、急に上機嫌になった。


「やれやれ・・・」


 高荷は、鼻を鳴らす。


「ところで、何」


「何だ?」


「中国共産党軍は、満州地方及び北京に攻勢をかけたと聞く・・・状況はどうなっている?」


「ああ。最近になって、突然中国共産党軍が強くなった・・・」


「強くなった?」


「そうだ。よほど優秀な軍師か参謀がついたのか・・・これまでの中国共産党軍は異なり、かなり組織的な遊撃戦や伏激戦を仕掛けてきている。中国国民党軍だけでは無く、旧中華人民共和国国民派勢力の解放軍陸軍、中華民国軍陸軍も苦戦を強いられている。さらに在中米軍陸軍部隊や海兵隊地上部隊も後退を開始した」


「なんと・・・」


「まあ、俺たち下っ端には聞かされていないが、どうやら、中国共産党軍を消耗させるために、深く深く引きずり込んでいるという話だ」


「へぇ~」


「だが、それだけでは無いらしい・・・ソ連軍、中国共産党軍、朝鮮共産主義派勢力で構成された義勇軍が、中国と朝鮮社会主義共和国との国境線に集結しているらしい・・・」


「再び侵攻するのか・・・?」


「懲りないねぇ~」


 高荷と森重の言葉が、重なる。





 千歳航空基地全域に、サイレンが鳴り響いた。


『ソ連領内の航空基地からソ連軍籍の戦略爆撃機群が出撃しました。基地及び周辺地域への空襲が予想されます。基地内にいる民間人及び利用者の皆様は、ただちに安全を確認されるまで防空壕に避難してください。基地警備隊の隊員及び航空警務官の指示に従ってください。ただし、不審な行動を行う者に対しては、安全を保障しかねます。場合によっては無警告で発砲する場合もあります』


「警察官及び消防吏員、消防団員の皆様、こちらに避難してください!空襲の可能性があります。安全が確認されまで、防空壕に避難してください!」


 基地警備隊の隊員が、拡声器で叫ぶ。


 基地警備隊に所属する基地防空用地対空誘導弾が展開する。


「やれやれ、ここが戦場か・・・」


 高荷が、つぶやく。


「警察官が民間人と一緒に防空壕に避難か・・・何か抵抗感があるな・・・」


 森重が、つぶやく。


「ああ、まったくだ」


 基地警備隊に所属する隊員たちが、64式7.62ミリ小銃を装備した状態で、駆け回っている。


「防衛出動命令と同時に警護出動の命令も発令されているから、千歳航空基地周辺に陸上自衛隊の部隊と北海道管区警察局警備部警備課に所属している銃器対策部隊が、共同で施設周辺の警備を行っているんだよな・・・」


「ああ」


 森重が高荷に確認をする。


「だから俺たちも、応援部隊として派遣された。北海道管区警察局警備部警備課の機動隊や銃器対策部隊、SATだけでは対応できないから、他のテロ対処部隊が必要なんだ」


「何だって、北海道にいるテロリストや工作員たちを一気に一網打尽にするんだ。腕がなるぜ・・・だが、最初の行動が防空壕の避難とは・・・」


「仕方ない。ここでは俺たちは部外者であり、お客さんだ。このような処置は当然だろう」


 駐機場エプロンからF-15J改が次々と誘導路に進入し、滑走路で止まる。


 その後、轟音と共にF-15J改が滑走路を滑走する。


「スクランブル(緊急発進)か・・・」


 森重が、つぶやく。


「皆さん、慌てず、ゆっくり進んでください。時間は十分にあります」


 基地警備隊の隊員が、拡声器で誘導する。


 F-15J改が、次々と空に上げる。


 基地上空を1周すると、編隊を組んで、目的地に向かっている。


 さらに上空から別の轟音が響いた。


「あれはF-16か・・・」


 空を見上げた高荷が、つぶやく。


「F-16って、三沢の在日米軍基地から離陸したのか・・・?」


 森重が、つぶやく。


 恐らく、今頃は航空自衛隊の三沢航空基地及び在日米軍の三沢基地でも、スクランブルがかかっているだろう。


 千歳航空基地に勤務する民間人たちが基地警備隊の隊員の誘導によって、防空壕に避難している。


 恐らく基地内には民間人は、いないだろう。


 ドローンが飛ばされ、基地全域を監視しているだろう。


 そこで怪しい動きをしている民間人は不審者と見なされ、基地警備隊の隊員と航空警務官が駆け付け、対応するだろう。


 先ほどの放送でもあったが、恐らく無警告で発砲する場合もあるだろうが・・・基本的には警告が発せられるだろう。


 いきなり撃つというのは、法規上難しいものだ。


 その民間人が日本国民であるか、大日本帝国国民又は外国人であるかによって対応は変わるだろう。

 本土防衛戦開始その1 第8章をお読みいただきありがとうございます。

 誤字脱字があったと思いますが、ご了承ください。

 次回の投稿は2月28日を予定しています。

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