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異世界で魔改造された俺が、orzってる!  作者: 香しい肉球
俺、遺跡(仮)に立つ!!
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第13話 ネタばらし

ギルドカードの表記を少し修正しました。

→平均ポイントの数値を削除。




「おいおい、そんなに顔するなよ。言っただろ? お互いに腹を割ろうって、な。何故、俺がお前の秘密?を知ってるかは、ちゃんとネタばらしするから」


 レヴィは、言葉と共に「怪しくないよ~」と両手をヒラヒラさせている。本人は自己の潔白をアピールしているのだろうが、ニヤニヤ顔なので意味を成していない。むしろ、悪徳商人や詐欺師の相手をするぐらい安心できなさを与えてくる。


「んじゃ~、教えてない能力【スキル】から・・・それより、ネタばらしの方が先が良いかにゃ?」


 表情から空気を読んだようだ。

 俺の隣には、いつの間にかエルもポリポリと焼き菓子を齧りながら座っている。先程の軽い食事だけでは、欠食?少女達は満足できなかったらしく、街で買い込んだ自前の物を魔法の鞄から出して二人で食べていた。


「にゃっはは。ネタは単純、これのおかげにゃ~」


 レヴィは軽く笑った後にお茶らけた態度で自らのサングラスをずらす。とてもチープな感じで行われるネタばらしだったが、ネタ自体には驚愕させられた。

 現れたのは、左右特徴の違う眼だ。オッドアイというヤツだろう。だが、俺の知っているオッドアイとは少々・・・いや、かなり違う様相だった。

 右目は、街でも見かける一般的な鳶色の瞳で、トアと同じなのはさすが兄妹と言ったところだ。

 問題はもう片方の目。その目は、緋色の中に幾何学的な魔法陣が浮かび上がる瞳で、ボーっと鬼火のように怪しく光が灯っていた。明らかに異質な左目だ。

 

「魔眼っ?!」


「さすがエルっち、物知りだにゃ~」


 魔眼って・・・えっ、あの中二的な憧れオプション?


「ユーマは・・・なんか凄まじい顔してるにゃっ?! ・・・まあ、知らないようだから説明すると―――――」



 魔眼とは、特別な力を持つ魔物の眼を素材に錬金術で加工して生み出され、使用者の眼球と交換移植する事で初めて力を行使可能になる特殊な生態魔道具である。

 500年ぐらい前に起きた魔導大戦中にとある錬金術師集団により開発されたと伝えられ、当時の錬金技術を集結した戦術生態兵器だったという経緯がある。

 現在では、その錬金術のノウハウは喪失されている。現存している魔眼も大半は、魔術師ギルドが独占しており日々技術の復活を目指しているとか…。そんな事情から強力なコネでもない限り、一般人には一生拝む事のない希少な物なのだ。

 レヴィも闇オークションに顔を出した際、偶々出品されていたのを発見したそうだ。結果、迷宮踏破で得た稼ぎの8割を散財して漸く手に入れたらしい。

 ちなみに、レヴィの魔眼は『視る』事に特化した物とのコト。



「運が良かったぜぇ~ホント。潤沢な資金があるタイミングでの出会いだからな。・・・んで、入手即移植して今のスーパーで素敵な俺になったワケにゃ~」


 自慢するように自分の魔眼を指差して笑う。ウィンクもしてくるが、男のウィンクなど嬉しくもない。


「・・・そんな単純じゃないはず。魔眼は、確かに凄い力を与えてくれる。でも同時に、それを相殺して余るほどリスクも高い。・・・移植の際に受ける苦痛とそれに伴う心的外傷は、廃人になるレベル。・・・運が悪ければ、拒絶反応で死んでいても不思議じゃない」


「にゃははは。本当に物知りだな、エルっち。・・・その可能性は、確かに高かったぜぇ~。実際、移植してから三日三晩激痛に苛まれた後に十日間も生死を彷徨ったからな」


「・・・無茶をする」


「にゃはは、こっちにもそれなりの理由があったのにゃ~。……な、トア?」


「兄さん!」


 あれ? 今、トアって…


 急に話を振られたトアがいつもと違った雰囲気で狼狽している。レヴィに対応する態度も角がなく……なんか普通に妹な感じだ。


「大丈夫だ。短い時間だが過ごした感じ……この二人は信用できるとわかってるだろ? それに、ユーマもエルっちも色々と事情を抱えているみたいだし・・・な?」


 こちらにチラッと視線を送ってくる。例の左目が、若干だが輝きを増した気がした。『視』ているのだろうか。


「うん・・・わかった」


 トアは、似合わないほどビクビクしながらも促されるままに自分のギルドカードを俺達に差し出してきた。ギルドカードを持つ彼女の手が弱々しく震えている。


**************************************************************


所属:冒険者ギルド

名前:トア・グリード

種族:ヒューマン

年齢:16

職業:拳士モンク

属性:光

能力:剛力・拳聖・戦乙女の魂ヴァルキューレ・ソウル

特技:‐

ステータス:平均 D-(D)[筋力 C(C+) 体力 D(D+) 技能 D-(D) 敏捷 C-(C) 魔力 E- 精神 D-]


**************************************************************


「っ?!・・・納得した」


「アハハハ…。ごめんね、隠してて…」


「ん。安心するといい・・・このくらいで、私とトアとの友情は壊れない」


「エルちん!」

「・・・トア」


 ガシッと少女達が抱き合う。二人のバックには、青春オーラが満ちている気がする。

 そんな二人をレヴィもうんうんと頷きながら見守っている。保護者的な立ち位置だ。


 えーっと・・・ナニコレ?


 状況が掴めないのは、俺だけだ。

 取り残された感が半端ない。


 すっげー疎外感だな。

 一応、俺もわかった感じで乗るか? いや、でも意味わからんしな~。


 とりあえず、俺も保護者的立ち位置で二人を見守る事にした。傍観者Bを装っておく方がいいだろ?的な判断だ。




◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆




 一通り落ち着いた後、盛り上がっていた理由を説明してもらう。『えっ?!』って顔されたのが、少しだけ俺のガラスハートを抉った。


 盛り上がりの原因は、トアの能力【スキル】の戦乙女の魂ヴァルキューレ・ソウルにあった。

 これは一般的な能力【スキル】と違い、極稀にその人個人にしか発現しない固有能力【ユニークスキル】と呼ばれるものに該当するらしい。

 固有能力【ユニークスキル】は、一般的能力【スキル】と比べ独特かつ強力な効果を持っている事が普通で、歴史に名が残るような英雄や有名な実力者の全員が所有者だったとか。そんな訳で、固有能力【ユニークスキル】を持つ者は、判明しだい色々と難儀な状況に置かれる。権力者に囲われたり、嫉妬や妬みで要らぬトラブルに巻き込まれたりと…。

 トア自身も幼い頃に厄介な連中に目を付けられた結果、二人の両親が犠牲になったそうだ。詳しくは聞かなかった・・・本人も思い出したくないようだったし。



「こんな妹でも、たった一人の家族だからな。兄として守りたいと思うのが普通だろ? だからにゃ~、多少の無理もしたくなるにゃ~」


 レヴィが…レヴィが凄く格好良いです。


 妹思いな凄く真っ当な良い兄に見える。何故だか、とても解せないけど…。


「妹っちのは見せたから、次は俺のギルドカードだな。もちろん、隠し所なしの全開示にゃ~」


**************************************************************


所属:冒険者ギルド

名前:レヴィ・グリード

種族:ヒューマン

年齢:17

職業:探索士スカウト

属性:風

能力:俊敏・隠密

(生態能力:魔眼『視』)

特技:鑑定

ステータス:平均 D- [筋力 E 体力 D- 技能 C 敏捷 C 魔力 D- 精神 D-]


**************************************************************


 俺のギルドカードにはない生態能力という項目があった。【オリジンスキル】と呼ぶらしい。

 本来は、獣人や竜人などの種族専用の項目らしいのだが、魔眼を移植してから冒険者ギルドに追加させられたらしい。

 それで、肝心の二人の能力【スキル】詳細だが―――――


 能力【スキル】:拳聖 ・・・職業発現能力【スキル】の一つ。常時、筋力・体力・技能・敏捷のステータスが一段階補正される。ギルドカードのステータス欄の横に()で表示されているのが補正後のもの。また、打撃に魔力を込める事で、破邪(対アンデット)の特殊効果を発揮出来る。


 能力【スキル】:隠密 ・・・気配遮断・無音移動・潜伏などの斥候に便利な複合能力【スキル】。相手に発見された状態からでも一瞬だけ気を逸らせれば見失わせる事が可能で、戦闘にも使える。


 固有能力【ユニークスキル】:戦乙女の魂ヴァルキューレ・ソウル ・・・発動すると一定時間強制的にステータスを全てB+に上昇させる。ただし、能力【スキル】の発動時間終了と共に行動不能状態になり、4時間はステータスも全てE-に落ち込む。


 生態能力【オリジンスキル】:魔眼『視』 ・・・現在は、鑑定・暗視・望遠・魔力視の力が使える。


 ―――――という具合だ。


 職業発現能力【スキル】っていうのは、現在の職業が適性していると個人で多少の違いは出るものの、誰でも獲得できる一番ポピュラーな能力【スキル】だそうだ。トアの場合は、適性属性の『光』が影響した結果である。余談だが、この能力【スキル】が発現しなかったらギルドから転職を勧められるらしい。



「俺達の方は、こんな感じだにゃ~。んじゃー…銅色ランクのユーマ達には、口頭で正直にお願いするにゃ~」


「ん? 銅色ランクが、なんか関係あんのか?」


「にゃ~。ユーマ達のギルドカードに表示されている適性属性や能力【スキル】ってのは、虚偽も可能な自己申告だろ?」


「ああ……って事は、レヴィ達は違うのか?」


「銀色ランクからは能力【スキル】の件もあって、ギルドから強制的に調べられるのにゃ~。登録の時使用した魔道具の何倍も精密なヤツで、な」


「へえー。でもさ、わざわざ聞かなくてもレヴィは魔眼でわかるんじゃないのか? …『鑑定』ってのが、出来るんだろ?」


「にゃ~エルっちの方は。氷・風・闇の三属性持ちってのは驚いたけどにゃ~」


 ああ、確かに三属性は驚くよな・・・残り一つが闇ってのは初耳だけど、エルなら納得の属性だな。


「ほえぇー?! エルちんって三属性持ちなの? 凄いよ!!」」


「ん。・・・私は天才魔術師だから当然」


 エルは平静を装っているつもりのようだが、鼻はひくひくしてるし頬も緩んでいるので、本心が駄々漏れだ。尚、自分を殊更褒め称え続けたトアには御褒美として例のドライフルーツが進呈されていた。 



「少し話が逸れたが、問題はユーマだにゃ~」


「・・・俺?」


 ははっ…少しオリジナリティー溢れるマイボディーに問題でも? ホムンクルス体をベースにした竜と鬼のハイブリットなだけだよ? ちょっと、その辺探したらいるって! ・・・いないよな orz


「魔眼で鑑定してみたんだが、何かに妨害されてる……虫喰い状態? で、良く見えないのにゃ~。全神経を集中させて無理矢理覗いても…多分、状態異常耐性? おそらく、強い再生能力? 変身系能力もあるかも? って、感じだな。しかも、これにはユーマの戦闘を観察した俺の意見も入ってる。だから、確認の意味を込めてお願いしてるのにゃ~」


 妨害か・・・まあ、シャルロッテさんの仕業ですよね。


「俺のは、レヴィが言ったので大体合ってる。状態異常耐性、肉体再生能力……変身系能力もある」


「やっぱりか、俺の推理もなかなかだぜぃ」


「推理?」


「肉体再生は、最初の乱戦後にスリ傷一つなかっただろ? 前衛なのにな。変身系能力の方は、強化魔法を使ってるにしては魔力が『視』えなかったからだ。で、状態異常耐性なんだが・・・・・・俺の麻痺毒を誤爆したのに全然平気だったからにゃ~」


「誤爆って・・・おいっ! いつだよ、それ」


「バカデカい猪を一人で相手にしてる最中。・・・急に飛び込んだら危ないにゃよ(・ω<)」


 ・・・男のテヘぺロって、本気で殺意湧くんだな。


 危うく仲間の命を刈り取るところだった。

 結局、銃の引き金に指をかけるまでで済んだ。今は、俺の代わりに横で話を聞いていたトアがシバいてくれている。土佐弁空手少女もビックリな正中線五〇突きを決めてたからな、俺も矛を納めるよ。白目剥いてる? 知らんがな。


 にしても、バカデカい猪……ああ、あの中型トラック。レヴィは、一匹を一人で足止めしてたんだっけ……そういえば、俺達が駆け付けた時には、泡吹いてピクピクしてたな。麻痺毒か・・・やはり一発弾くか? 弾丸一発ぐらいの余裕はあるな…


 ぶり返す殺意に身を任せてもいいよね?

 だって、人間だもの。 byユーマ


 『イルリヒト』のシリンダーをスライドさせ、弾倉を確認する。


 うん、ちゃんと装填してる。


 鉄の重みの感触を満面の笑顔で確認後、俺は最早氷のオブジェ化している男へゆっくりと歩み寄った。





迷宮編に入ってから何か書き忘れてるな~と思っていたら、蟻ネタで「サンダ~」をしたかった事を忘れていました。

それをやりたいが為に蟻の魔物にしたのに… orz

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