↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黄昏は悲しき堕天使達のシュプール  作者: Mr.M
三章 Remnant 6月

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
46/137

第46話 「葉山実果」

俺が屋上に顔を出すと

すでに3人は煙草を吸っていた。


「それ大吾に盗られたヤツだ!」

すぐに洋が俺の持っているビデオカメラに

気付いた。

「大吾の家に侵入して取り返してきたんだ」

「まじかよ!

 あっくん、すげーよ!さんきゅー」

俺が冗談交じりに言うと

洋は飛びあがって喜んだ。


「そうだ。聞いてくれよ」

洋は吸いかけの煙草を地面に捨てると

乱暴に踏みつけてからポンッと手を叩いた。

「今日の昼休みが終わるちょっと前にさ、

 屋上のフェンスのところに人がいたんだ。

 誰だと思うよ?」

翔太は「さあ?」と言って煙を吐き出し、

茜は「わからないわ」と首を傾げた。

俺は首を竦めた。

「何と。ボス猿と葉山だったんだよ」

そう言って洋は大袈裟に両手を広げた。

「それで洋はドッジボールから早く抜けて

 校舎に戻ったんだね」

翔太は洋の話に合点がいったのか

うんうんと何度も頷いていた。

「ひひひ。謎を解いてこそ名探偵だぜ」

「前に放課後、

 グランドでドッジボールをしてた女の子よ?

 覚えてる?あっくん?」

茜の説明に俺は頷いた。

同時に頭には体操着に書かれた

「葉山実果」

という文字が浮かんでいた。

「でも猿田先生と葉山さんが一緒にいたとして、

 それがどうしたの?

 何も問題はないんじゃないかしら?」

洋は茜のその問いには答えず話を続けた。


校舎に戻った洋は階段を駆け上がった。

そして屋上の扉の前で葉山とぶつかった。

洋は体勢を崩し葉山は勢いよく尻餅をついた。

「そしたらさ。葉山が泣いてたんだ」

それほど強くぶつかったわけではない

と洋は俺達に主張した。

洋が謝ろうと口を開きかけたその時、

扉が開いてボス猿が現れた。

直後、

葉山は立ち上がって階段を駆け下りていった。

洋が葉山の後姿に目を奪われていると、

「こんなところで何をしてるんだ!

 もうすぐ休み時間は終わる。

 早く教室に戻れ!」

とボス猿に怒鳴られたという。


「あれは絶対に何かあるぜ」

ボス猿への不満をぶちまけた後で、

洋はそう言って口元を歪ませた。

「そういえば最近の葉山さん、

 元気がなさそうね」

茜の声がぼんやりと耳に入ってくる中で、

俺は大変なことを思い出していた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。