疑うことから始まる世界:ルネ・デカルトが遺した確かな座標
#人類を変えた足跡シリーズ物語 第六十一回
1596年3月31日 、ルネ・デカルトが生まれました。
René Descartes は、五感が捉えるこの世界に対して、常に深い疑いの目を向けていた数少ない探求者の一人です。冬の日に暖炉のそばでまどろんでいる時でさえ、この明るく、暖かく、心地よい世界のすべてが、実はただの夢に過ぎないのではないかと思いを巡らせずにはいられませんでした。
彼にとって、私たちが世界について知っていることのすべては、感覚が引き起こす錯覚に過ぎないのかもしれません。感覚に頼って得た出来事は、決して絶対的な真実にはなり得ないのです。「我思う、ゆえに我あり(Cogito, ergo sum)」。彼は「疑う」という行為そのものを除いて、あらゆるものを疑い抜きました。彼を魅了したのは、「三角形の内角の和は常に180度である」といった真実でした。それはあやふやな感覚に頼らず、純粋に考える力と数学的な論理の展開のみに支えられているからです。
この世界がどこかおかしいと気づいたのは、彼が最初でも、最後でもありません。彼よりはるか昔、中国の Zhuangzi(荘子)も同じような疑問を抱きました。深い夢から目覚めた彼は、自分が蝶になった夢を見ていた Zhuangzi なのか、それとも Zhuangzi になった夢を見ている蝶なのか、もはや分からなくなってしまったのです。
彼の死後、映画『The Matrix』の中で Neo は、現実と虚構の世界へと続く2つの錠剤を受け取り、『Inception』の独楽は回り続け、今も止まる気配はありません。これらはすべて、René Descartes が現代に遺した大いなる遺産なのです。
もちろん、彼が遺したものはこれだけにとどまりません。解析幾何学の創始者として、彼は私たちが数学の授業でよく知る「直交座標系(Cartesian coordinate system)」を発明しました。彼は2本の線を交差させ、この世界全体をその上に描き出したのです。
広く知られている偉人の逸話によれば、彼が数学や科学の歴史に多大な影響を与えたこの座標系を発明できたのは、ベッドに横たわっている時に蜘蛛の巣を見たからだとされています。しかし、これは明らかに疑わしいものです。その本当の起源は、深く考えることや数学的な論理に対する彼の強い関心と、ひたむきな探求心そのものにあります。
彼は、自らの理性によって世界を位置づけた人です。あの純粋な思考の世界の中で、彼は私たち一人一人のために、確かな座標を見つけ出してくれたのです。




