表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
78/78

第80話:はじめましての、あした


まほうの泉から、ぽこん、と二つの泡がはじけました。


「……ふぁ。よく寝たねぇ」


「うん。……ねえ、キミ、だれ?」


白い毛並みの「ぽこ」と、青い帽子の「くう」が顔を見合わせました。


彼らの背後には、動かなくなった黄金の機械がそびえ、足元には、一冊のぼろぼろになった「手記」が落ちていました。


「わかんない。でも、キミ、とってもいい匂いがするよ」


「ふふふ。キミもだよ。お日様の匂いだねぇ」


二人は、その手記を「面白い模様の石ころ」だと思って、大切にポシェットにしまいました。


そこへ、一人の銀色の髪の女の子が、少し疲れたような、でも晴れやかな笑顔で歩いてきました。


「ねえ、くう。あの子、だれだろう。……迷子かなぁ」


「わかんない! でも、なんだか胸が『きゅん』とするから、一緒に遊ぼうよって言ってみようよ」


二人は女の子に駆け寄り、声を合わせました。


「「ねえ、はじめまして! いっしょに冒険、いかない?」」


女の子は一瞬だけ、泣きそうな顔をして、それから世界で一番優しい声で答えました。


「……ええ。はじめまして。行きましょう、どこまでも」


二人は手を繋ぎ、女の子を真ん中にして、トコトコと歩きだしました。


どこへ向かうのか、どうして歩くのか。そんなことは、もうどうでもいいことでした。


「ねえ、ぽこ」


「なに? くう」


「ふふふ。……なんでもない」


「ふふふ。なあんだ」


三人の影は、新しく生まれ変わった眩しい太陽の光の中に、ゆっくりと溶けていきました。


(完)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ