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第5話:なんでもない(1)


「ねえ、くう」


「なに? ぽこ」


「ふふふ。……なんでもない」


二人は、巨大な「いねむり竜」のしっぽの上に座っていました。


竜がひといき吐くたびに、まわりのお花が青白く燃えます。


「なんでもない、ってなあに」


「あのね、くうのお耳が、一回だけぴこって動いたから」


「ふふふ。なあんだ」


竜が寝返りをうって、二人は空高く放りだされました。


地面にぶつかるまでの短いあいだ、二人は手をつないで、雲が綿菓子みたいだねと笑いあいました。


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