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第44話:お支払いは「お布団のにおい」


綺麗な道の先には、透明な「魔導障壁」が立ちはだかっていました。


『通行料:汝が今、その身に纏っている「安らぎの記憶」を燃料として返還せよ』


「あ、これ。またお供えの時間だねっ」


ぽこは、迷うことなく障壁に手を添えました。


「……ねえ、ぽこ。いいの?」


くうが、障壁の前で立ち止まりました。


「さっきの、クジラさんからもらった『お布団のにおい』……。とってもあったかくて、大好きだったのに。消えちゃうんだよ?」


「いいんだよ、くう。だって、道が綺麗になったから、もっと先まで走っていきたいんだもん。においがなくても、くうが隣にいれば、僕はそれだけでふわふわだよ」


ぽこが目を閉じると、さっき獲得したばかりの「安息の香り」が、青いデジタル信号になって障壁に吸い込まれていきました。


「……あ。いまね、頭の中が『ふわっ』てしたよぉ!」


障壁が水のように溶けていきます。


「ねえ、くう。なんだか、お鼻がすーすーするよぉ」


「あはは、本当だぁ。とっても、気持ちいい風だねぇ、ぽこ!」


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