ミーは何しに龍の国へ
ところで、僕らはなんで龍の国に連れらるわけ?
そもそもさ、それがわかってないのよ。
「え?龍神様説明してないんですか?」
してないよ。
聞こうと思ったんだけど、魚に心を奪われて話が進まなかったんだよ。
「通りで質素な格好してると思った。
あの、どちらが龍を倒した方?
年齢はなんとなく聞いていたんだけど、それがどちらか俺らには分からなくて。
ほら、俺と龍神様のどっちが歳上か、そっちにも分からないでしょ?
そんな感じで見分けがつかないのよ。
だから言葉がわかる俺が来たんだけど、不快に思ったならごめんね。」
いや、僕らも同じだよ。
他種族の年齢なんて分からないよね。
龍を倒したのは僕だよ。
ラルフといいます。
こっちは父のジェマ。
「そっかそっか…すげーな、ラルフ。
あ、勘違いすんなよ?
仇を取ろうとかそういうんじゃないからね。
俺らは挑戦を受けるのが種族として好きで、自分たちが最強だって理解してる。
だから、倒したやつはスゲーし、倒されたやつも、そんなスゲーやつの挑戦を逃げなかったんだから尊敬されるべき。
そうだろ?
カッコいいだろ?
そんなやつ。」
あはは。
カッコいいね。
「だろ?
ラルフとやったのは嫋々のだろ?
存在が消えたのはわかってるんだ。
…あいつは死んだのか?」
いや、惚れた人間がいるのがわかったから、僕が願って人間にして貰ったんだ。
「あ?
じゃあ今回の話はなんなんだ?
いや、それはカッコいいけどよ。
お前が願ったから龍の国へとご招待ってもんだと思ったから、話が繋がんないんだよ。」
いや、だから今回の話ってなにさ。
それを聞いてないんだよ、僕らはさ。
「あぁ、悪い。
結婚式、お前の。」
はぁ?
婚約者いるよ、僕は。
「えぇ!
でも願われたんだよ。
だから龍神様が張り切ってあっという間に準備始めてさ。
…じゃあ相手も知らないよな。」
知らないよ。
アンヌが来てるならなんの問題もないけど…違うんでしょ。
「俺らはそのアンヌを知らないもん、無理だよ。
はぁ…じゃあ、願いはあんたの仲間だな。
さっきの話から察するに、自分が嫋々を嫁に貰って幸せだからお裾分けしたんだろ。
…それをウチの神様がハジけてとんでもない相手をアテンドしたって訳。
いやー、大騒ぎよ、ウチの方々。」
怖い事いうなよ。
とんでもない相手って…。
…方々?
スピラさんみたいなフランクな口調の人が、方々っていう相手って…怖いんだけど。
「あ?あぁ、ウチらのお姫さんだ。」
おぉ…。
断ったりは…。
「龍王様、怒り狂って血の涙を流しながら許可出してたぜ…。
やっぱなしなんて俺は言えねーな…。
言ってみてもいいけど。」
龍神様!
龍神様なら言えるんじゃない?
「怖かったなぁ、あの時の龍王。
願いじゃなかったら世界滅ぼしてたんじゃないか?」
使えねぇ!
龍にとって願いってそんなに重要なのね。
「そうだ。
普通、人の身では絶対に勝てない、そいつの全てを懸けたる勝負の果てに得た、その願いを無碍にすることなど出来ない。
故に我らは全力で讃える。
この身を賭して、龍のプライドに賭けてな。」
そう言われれば確かに。
今回もペリンとエアリスの長い願いの果てに叶ったんだから。
やっぱなしで、とはならないよね。
「しかし…ペリンがそんな気の利いた願いを出すとは、私は思えんぞ?」
お父さんの言う通りだ。
僕もそう思う。
あー、でもさ、隣にいたでしょ。
勝手に人の幸せお裾分けしそうな妄想魔女が。
「あ、リナリーンも一緒に戦ったんだったな。
なら仕方ない。」
仕方ないってあんた…。
確定だ。
リナリーンが勝手に願ったんだ。
あの人あれでかなり浮かれてたんだな…。
まぁ、自分が幸せの絶頂なら、そんなこと考えることもあるか。
それならギリギリ許せ…ない!
なんだそれ!
人の話も聞かず、何を勝手に願ってんだ!
言ったよ?
僕はエアリスとリナリーンに。
帰ったら婚約者と会うのが楽しみだって。
都合の良いとこしか聞かないし、自分の思い描いた未来に固執してるから婚期が遅れに遅れたのに!
がぁー!
「お、良い咆哮じゃないか。
龍としてもやっていけるぜ、ラルフ。」
やめろ!
戻ってくれ!僕を家に帰してください!
アイム!カム!ホーム!




