表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
詩集 想箱  作者: TiLA
7/30

想い火

あなたとふたり

夜の道を歩く

川のせせらぎが

遠くから聞こえてくる


月の明かりは

雲に隠れて

湿った闇が

夜を満たしていく


シャリ、シャリ、と

あなたの歩く

草履の音を聞きながら


何を言われるでもなく

何か言うわけでもなく


ただそっと

あなたの背中を見つめて

その後を歩いていく

いつものように


ただ胸いっぱいの

せつなさと共に


やがて橋に差し掛かると

あなたがふいに足を止め

視界の背中が

急に大きくなって


心はもう

胸から飛び出しそうになり

せせらぎも

もう耳には入らなくて



ゆっくりと

あなたが指差した

その暗闇の先に

淡い黄緑の蛍火が

瞬いていた


いとしい

いとしいと

誰かに伝えるように


一途な想い火が

夜にささやくように


ほのかに輝く

その光の魂が

この胸からも舞って


今すぐあなたの心に

灯せたらいいのに


愛しい

愛しいよと……


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ