ゴブリン語る
さて、勢いで卒業してしまった今日この頃。ヒトアが最近ずっと腕組みしてくるので元のサイズに戻れず、
MPが枯渇気味のゴブリンです。皆さまーいかがお過ごしでしょうか?
私は、今拷問の最中です。
ゴブリンの足を紐で括り逆さに吊るす、これだけなんだが、これがなかなかに効くんだよな。
後は、ウォリアー達に任せるとして。外に出る。ここでようやく元のサイズに戻れる。
実は小さなサイズの時は鬼人って言うギリ人の範囲に入る種族に擬態する事で小さくなってるので、これであの国に行って兵士になってってのも考えたがそれは騙している様で悪い。
え?一夫一妻?ゴブリンにそんな制度があるとお思いで?基本リーダー以外は多夫多妻リーダーは一夫多妻もしくは多夫一妻制が基本だな。
この国の人間は一夫多妻が基本、ただ愛に優劣をつけてはいけませんよって言うしきたりにはなってる。
「ヒトア、そろそろ放してくれないか?MPが切れた時近くにいると吹き飛ばされるぞ。」
「えへへい」
こんな具合である。うん、正気を取り戻すまではこのまま置いておくか。ゴブリン達が笑顔でこちらによってくる。そうだな、MP温存の為に今日は昔話でもしようか。
ずーっと昔俺は名もなきゴブリンだった。ある時オークっていう豚のモンスターがいるんだが、そいつと戦ってボコボコにされた。
死にそうになりながら、逃げ切るとコロニーに出た。基本野生のゴブリンはコロニーに入ったら殺されるのが基本なんだが、そこは俺を暖かく迎えてくれた。その時、ゴブ爺ちゃんに出会った。
そこで色んな事を学び、人間の話が出た時俺は好奇心に駆られて、街にこっそり行ったんだ。そこで、俺はまぁまた人間にボコボコにされた、オークと違って、奴らにとってゴブリンはモンスター。トドメを刺されると思ったその時一人の女性が助けてくれた。その女性の横顔はとても綺麗で、俺は一目惚れした。
帰った時は爺ちゃんに死ぬほど怒られたっけな。そのあとしばらくして、その女性の顔を見ることになった。
ゴブ爺ちゃんが拾ってきた新聞に書いてあったんだ。
ルガン帝国、ルーガ姫ルガン学園に三年後入学確定。
あれは一年前だったか。え?育ちすぎじゃって?ゴブ爺ちゃんは伝説のゴブリンだから名を頂いたことで大幅に育った。力を持つものが名をつければそのものは進化が何割か増すって言ってた気がする。頭が悪かった頃だからあんまり覚えてないが。
まぁ、そんなわけで俺は姫様が好きになった。
ゴブリン達は下手くそな口笛を鳴らす。照れくさくなって、頭の横をかく。ヒトアは一瞬むすっとしたが、俺の夢を知っていて好きになってくれた。俺に対する思いが変わってもそういてくれるだろうか?
「そうだ、ゴブルその学園に行ってみたら良いんじゃない?ゴブルが必要になる作業は当分無さそうだし。」
「その手があったか!!でも、それは姫を騙すことになるし。」
「小さい事は気にしない!!ゴブリンが人と認められる世の中になるまで引き止めておくだけでいいのよ。」
「な、なるほど?」
「その間に俺も強くなる、強くなってまた会おう!!」
さっきまでの調子は何処へやら立ち上がってニカッと笑う。
強がりの笑顔を見せてまで、俺の背中を押してくれる。俺はその思いに答えないとな。
「あぁ、人間という奴を学んでくるよ。」
ちょっと導入に無理があった気がするけど、学生編スタートです。甘酸っぱい青春をもう一度送ってみたいものですな。失われた時間はもう帰っては来ない。今を大切に生きねばな。ガッハッハ!!
気に入ったらコメントブクマ評価お願いします。やる気が出ます。