面接
「ごめん下さーい!」
俺は金属質な両開きのドアを叩いた。
(このドアおっきいー。分厚そうだけど、中までちゃんと音響いてんのかな)
そんな事を考えていると、
ギギギぃぃぃ
ドアが外側へ開かれた。
「菴輔�繧医≧縺ァ縺吶°?」
(すごく、大きい。)
190はあるであろうその長身のてっぺんには女性の顔があった。右手には白い布で全身をぐるぐる巻きにされたデカ長い獲物をもち、上から見下すその視線は、明らかに警戒の意思を感じる。
(てか、夏乃がいないと現地語分かんないじゃん!やばいヤバいやばい!早く喋んなきゃ殺される!)
「あ!あの!」
「俺をここで働かせてください!」
言葉を聞いた女は、昔下校中に外国人観光客に話しかけらた夏乃と同じ表情を浮かべていた。
————————————————
俺は建物の中へなぜか入れてもらい、そのまま奥の大きな部屋へと連れて行かれた。小さめの椅子に座らされて待っていると、2人入って来た。
1人は、さっきの女ほどじゃないが、185cmくらいのほんのりふとっちょな男。指輪などのアクセサリーがジャラジャラしている。
もう1人は夏乃だった。「なぜ」と思ったが、彼らは夏乃が言語の壁なく喋れる人物だと知っていて、通訳のために呼んだのだろうと気づいた。
(入って来た時一瞬声出そうになっちゃった)
男は俺の真正面にあった大きな椅子に座り、夏乃はその右側に立ち、巨大女は俺の右後ろに立って、事は始まった。
「私が通訳をします。よろしくお願いします。」
「あ、はい!よろしくお願いします。」
(言いつけ通り、ちゃんと他人の振りしないとな。)
「菴輔@縺ォ縺阪◆繧薙□縺�」
「お前は何をしに来た。」
「はい!私は、ここで働きたいです!」
「彼はここで働きたいようです。」
「蜒阪″縺溘>�滂シ�!?」
男は驚いたのか、目を見開かせて夏乃に何かを突発的に言い放った。
(そんな驚くのか、なんだよーどんなお仕事なんだよー。)
男と夏乃が少し話し始めたので、俺がチラッと右後ろを見ると、巨大女が驚いたような呆れたような顔でこちらを見ていた。
すぐさま視線を前に戻した。
(本当にどんな仕事だよ)
「来てくれて、ありがたい。人手はずっと足りないからな。早い話、そこにサインしてくれれば、すぐにでも働けるぞ」
いつのまにか、まとまった話を夏乃が答えており、一枚の紙とペンを渡された。契約書なのだろう。
「サイン……ですか?」
「彼はサインを不審に思っています。」
「騾�↓險縺医�縺薙%縺ォ繧オ繧、繝ウ」
「逆に言えばこのサインをしない限り、此処では働けないぞ」
(正直怖い。何故ならこの紙に書かれている言葉が一ミリも理解できないからだ)
どうしよう、夏乃!
俺は目だけを夏乃に合わせ、訴えかけた。
(どうすれば良い!夏乃!)
彼女は俺の視線に気づいて、細かくウインクをしてくれた。相変わらず下手だ。
(よし!分かった!)
俺はつらつらーっとサインし終え、紙を返した。
それは夏乃の罠だった。




