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屍兎は自由人  作者: 平成兎
第二章 薔薇の王国
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怪僧

体調崩れてました。ごめんなさい|ω・`)

「……此処は、何処ダァー!!!」

やぁ、皆さん。

現在絶賛迷子中の月兎です。


図書館は何処でしょうか?







あの後、灰トに付き合った後、流石にそろそろ行かねば、と、灰トを説得して図書館に向かおうとした所までは良かった。

だが、途中である事に気づいてしまった。


図書館の場所を聞くのを忘れていたのだ。

気づいた後、約40分程文字通り飛び回って探したが、全く何処か分からない。


「つーか、まずどんな見た目かも分かんないのに見つけれる訳無いよな……」

溜息を吐きながら、そもそも見つけれる訳がない事に今更気付く。

連日の徹夜で、頭が回らないとはいえ、こんな事にも気づけないとは……。


「しょうがない。人に聞くか……」

海斗はもう着いたよなぁ。

俺も早く行かなきゃな。

時間は有限だし……。


屋根から降りて、人を探す。

ココは変な所で、さっきの甘味の店がある場所と同じ雰囲気なのに、人っ子1人居やしない。


……酷く静かだ。


少なくとも10分前位には、人の気配はしていた。

なのに、今は人っ子1人居やしない。

どうもおかしい……。


「おーい!!誰か居ませんかー!!!」


かー!!かー!!かー!!


……駄目だ。どうやらココには山彦さんしか居ないらしい。


「何か変な所に迷い込んじまったなぁ……」


少なくとも、俺の気配感知の範囲である半径500mには生き物は居ないみたいだ。

これじゃあまるでゴーストタウンだ。

此処がファンタジー世界なのは分かってたが、まさか唐突に謎の場所に来させられるとは……。

恐ろしやぁ……。




にしても、有り得るのか?

幾らファンタジー世界でも、王都の中でここまで広い範囲に人が居ない事なんて……。


後、考えられるのは此処が王都じゃないって説だが、だとしたらヤバイ。

転移魔法?って言うのかねぇ?そんなもん、free onlineには無い筈だが……。


……考えてもしゃーないか。


取り敢えず、この街に一番詳しい慎吾に電話して、このゴーストタウンに付いて聞く。

もし知らなかったら……まぁ、普通に詰みですね。


そう思い、ステータス画面を開こうとして……開けなかった。


……普通に詰みですね……。




じゃなくて、一体どうなってんだ?

ステータス画面を開けない?

何?何事?リアルの方で何かあったか?

モフ太郎(月白家の兎)が何かやらかしました?

いや、そういう系統のトラブルの対策を、灰トがしてないとは思えない。


なら、今最もこの異常事態の原因と思われる異常な事は……この空間だ。

この街は十中八九普通じゃねぇ。

そして、恐らく王都でもない。


此処は一体何処だ……?

「此処は曼荼羅……貴様等を滅す為だけに存在する、聖域よ」

「!?」

声のした方向に視線を向けると、













ソコには、右手に独鈷杵、左手に数珠を持った……神父服の男が立っていた。


髪の毛は白髪。瞳は蒼い。そして、両の頬には特徴的な巨大な爪痕がそれぞれ一つずつあった。

首にはタリスマンを掛けている。

現実世界ならばコスプレの可能性もあったが、この世界の住人であるこの男は、何らかの宗教を信仰しているのは、一目瞭然であった。


普通の人間なら、彼を見掛ければ、関わりたくないとばかりに少し距離を取るだろう。

だがもし、このゴーストタウンで月兎と同じ状況に立たされた時に、彼に会ったならば、



この空間は、彼の何らかの術によって発生した物だと思うだろう。


(何だアイツ?神も仏も信じてますってか?

怪し過ぎるだろ)

「あー、えっと、アンタは此処が何処か知ってるのか?」

「此処は曼荼羅……貴様等を滅す為だけに存在する、聖域よ」

「いや、それはさっき聞きました。

そうじゃなくて、どういう原理で出来てんの?アンタさっき突然現れたみたいだし、この空間の事、詳しく知ってるんでしょ?

少なくとも、この空間を貸して貰ってるだけの下っ端って訳じゃないだろ?」


普通、貴様等を滅すと言われれば、少しは警戒態勢に入っても良い筈なのに、月兎は一切構えないまま男に質問する。

しかも、明らかに答えてくれなさそうな質問を。


「ソレを貴様が知る必要は無い。

あの淫売の手先である貴様が」

「淫売?誰の事だ?」

「ソレも貴様の知る必要の無い事だ。

これから私に滅される貴様にはな」


男はそう言うと、強く大地を踏みしめ、月兎に飛び掛って来る。

一瞬で月兎の前まで来た男は、躊躇無くその拳を突き出す。

「おいおい、随分物騒だなぁ」


月兎は、男の正拳突きを屈んで避け、完全に突き出された男の腕を右手で掴み、跳んだ。

そして、男の顔面目掛けて蹴りを放つ。


男は月兎の蹴りを、体を激しく反らすことで回避する……と同時に、左手で月兎の脚を掴む。

そして、月兎の体を振り回して、地面に叩きつける。

月兎は、叩きつけられたと同時に受身を取り、叩きつける勢いを利用して男を脚で振り回して空中に放り飛ばす。


放り飛ばされた男は、特に驚いた様子も見せず、空中で一回転して着地する。

月兎は、受身こそ取れたものの、予想以上に衝撃が大きかったのか、フラフラと立ち上がっていた。










想像以上にヤバいな……。

魔力は感じなかった。つまり、コイツは魔力抜きの唯の怪力だけでこの力を発揮したと考えるべきだ。

そして、十中八九魔法を使えるだろう。

つまり、今の攻撃は牽制と考えるべきだろう。


正直勘弁して欲しい……。


今の叩きつけだけで、コッチはフラフラなのだ。


そして、何よりもヤバいのは、俺が今碌な刀を持っていないという事だ。

ドクロもハクも村正も、全員ココには居ない。

作れる武器は、投剣作製で作れる短剣位の物な訳だが、当然そんな獲物では目の前の怪物は怯みもしないだろう。

ついでに言うなら、あの至近距離での蹴りを余裕で避けられた時点で、まず今のままじゃ勝てないというのは確定している。


後、もう一つ、気になる事がある。

あのおっさんが言っていた事だ。


あの淫売の手先。


アイツは俺の事をそう読んでいた。

気になるのは、コレが何を指すか?という事だ。

そして、コレがもしプレイヤーの事を指すなら、正直大ピンチなのだ。


何故かと言うと、コレもアイツが言っていた事だが、アイツは俺を滅すると言っていた。


もし、プレイヤーの事を知っているなら、そんな言い方するだろうか?

プレイヤーの事を知っているという事は、間違いなく俺達が死んでも蘇るという事は知っているだろう。

なら、殺しても死なないなら、言い方も退散させる!!とか、失せろ!!とか、そんな言い方をするだろう。


だが、奴は滅すると口にした。


ほぼ100%有り得ないが、此処で殺されれば、俺は復活出来ないかもしれない。

ステータス画面を開けないのが、この空間が原因なら、その信憑性は増す。


と、なればやる事は一つだ。


俺は、全力で地面を踏みしめて、アイツに背を向けて全力で……逃げた。
















「逃がさんぞ貴様ァァァァァァアアア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!!」


俺が逃亡を選んだと認識したと同時に、咆哮を上げながら、凄まじい速度で追い掛けて来る。

先程とは桁違いの速度で追い掛けて来る神父だが、少しおかしい。


何で魔術を使わないんだ?


俺を全速力で追い掛けるなら、身体強化の魔術も使って追い掛ける筈だ。

なのに、あの神父は魔法も使わずに追い掛けて来る。


もしかして、使えないのか?


俺はそもそも最初から魔術を使えないから、

気づけなかったが、この空間は魔術も封じてるのか?

ステータス画面を開けなくさせちまう様な空間だ。魔術を使えなくしても何もおかしくは無いが……何とも恐ろしい空間だな。

もしこの空間に入ったのが俺じゃなくて、海斗や紅音だったなら……最悪もうやられていただろう。

そういう意味では幸運だったのかもしれないな……。


「貴様だけは、貴様だけは逃がす訳には行かぬのだァァァァァァァァァア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!!

決して、決してェェエエ工!!!!」


……随分と嫌われたもんだな。


「歪みし魂を持つモノを!!!これ以上この世界に蔓延らせる訳にはァァァァァァァァァア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!!」


歪みし魂?キョンシーって事か?

だから俺を此処に閉じ込めたのか?

まぁ、狙われる理由なんか割とどうでもいいわ。


それよりも、ここまで全力で追い掛けて来るって事は、この空間には出口があるんだろうな。

出口が無いなら、追い掛ける必要なんか無いだろうからな。

あの神父にどんな事情があるかは知らねぇが、コッチもタダで捕まるわけにはいかねぇしな。


出口があるなら、絶対脱出してやる。


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