表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
屍兎は自由人  作者: 平成兎
第二章 薔薇の王国
67/75

情報

「帝国兵……ッスか。

ソレはまたなんとも面倒な事になって来たッスね……」

「えぇ、私達が思っていたよりも、事態は複雑に、そして早く動くと思います。


早急に明日策を打つ為の情報が必要です」

「なるほど、だから俺の事早めに呼び出したんすね」

「えぇ、依頼していた分の情報は調べて頂けていると思ったので」

「俺の事、随分と信頼してるみたいッスね。

俺としては有難いッスけど……」

「貴方の手腕は、一ヶ月前にじっくり見せて貰いましたので」


一ヶ月前、モフさんの実力も奇襲作戦にも驚いたけど、何よりもこの人の情報を操る術には、脅威を感じた。

屍兎で、ある意味最も厄介なのはこの人だ。


「あぁ、そういやそうッスね。

タマモさんはあの件の被害者でしたね。


なるほど、合点が行ったッス」

「ではお互い納得した所で、早速依頼していた情報をお願いします」


「了解ッス。




では先ず、この国の種族についてですが、

種族間による差別や階級分けは、殆ど無いッスね。


亜人だからという理由で行動の制限や、偏見による敵対は先ず無いと考えて大丈夫ッスよ」

「そうですか……」


その情報は、正直意外だった。

けれど言われてみれば、あの港町の人達は、誰一人として私達に忌避感を抱いていない様に見えた。


「そこまで種族間差別が無い理由は何ですか?」

「先先代の国王の意向なんだそうです。


種族問わず、使える者は何でも使え。


ソレに従ってる内に、亜人を色眼鏡で見る事は無くなったんだそうですよ」


俄かには信じられない理由ですね。

人間は、明確に少数派な者達に対しては攻撃的な生き物です。


ソレが良いとか悪いとかでは無く、

そういうモノで、特に差別等は二、三回の世代交代で無くなる物なのではない筈だけど……。


……この場で幾ら考えても、無駄な事ね。


「では、階級間の差別はどうですか?」

種族間差別が無いなら、或いは……


「それに関しては、酷い物ですね」

「ソレは駄目なんですね……」

「はい、亜人人間問わず優秀な者をという思想が、貴族達に自分達は優秀だから裕福で平民は優秀じゃないから貧乏なんだという勘違いをさせたみたいッスね。


貴族にも優秀な者が居るのは事実ですが、殆どは選民意識に凝り固まった、豚ですね」


嫌悪を全面に出した顔で、慎吾さんが言う。



彼は役目柄、余り感情を表に出さないのに……。

余程酷かったのでしょうね。


「え、えっと、宗教はどうでした?」


「宗教に関してですが……先ず、この国は宗教の自由を認めています。


そして、魔法がある世界に於いて、強く何かを信仰する宗教よりも、強い騎士等を信仰する所謂ファンクラブの方が多く、確定して宗教を名乗る者達はかなり少ないですね。


宗教と言っても、こうあるべきであるという教えと言った、教訓に近い物のみを取り入れる、ある意味日本の様な宗教の在り方が多いです。


なので、強く信仰されている宗教はこの国では二つだけでした」


「二つ……ですか?」

予想していたよりもかなり少ない……。


「えぇ、二つです。


一つ目は、所謂カルト教団って奴でしょうね。


名前はダモン教。

何でも、魔王を信仰している集団なんだそうですよ」

「魔王?」


流石ファンタジー世界。

居るんですね。そんな存在が……。


「この宗教は、一部の貴族達の間で流行っている宗教ですね。


後、そのダモンという存在は、調べてみた所、相当な怪物でした」

「怪物ですか?というか、実在するんですね」

正直、信じられない。

魔王という存在も、カルト教団が信仰している存在も。


「はい、実在すると考えるべきでしょうね。

事実、魔王ダモンが国を複数滅ぼしたという記録がこの国の歴史書に残っていました。


他にも複数魔王の存在を揶揄する記述が見られました。


名前がダモンかは兎も角、少なくとも魔王という存在は居ると考えるべきでしょうね」


「……魔王が今回の件に関わって来る可能性は?」

「充分あり得るでしょうね。

ソレどころか、既に関与している可能性すらあります」

「そうですか……。


まぁ、今考えても仕方ないですね。

じゃあ、もう一つの宗教について教えて下さい」


「…了解。


もう一つの宗教は、フレイア教。

女神を信仰している、主に平民に信仰されている宗教です」


何か……普通。

「………普通だなぁ。って思ってしまってる辺り、大分先輩に毒されてるみたいッスね」


……そうなのかも。


「それで、フレイア教についてですが、残念ながら調べる事は出来ませんでした」

「調べられなかった?

ソレは、時間が足りなかったって事ですか?」


「いえ、俺の情報収集能力ではフレイア教を調べる事は出来なかったって意味です」

「ソレは……随分と、キナ臭い宗教団体ですね」

「えぇ、唯一つ言える事があるとすれば、


亜人や人間に対して彼等が危害を加える事は無いって事だけです」

「そう……ですか……」


貴族による平民への差別行為。

プレイヤー1の情報収集能力を持つ慎吾さんの調べられない宗教団体。



……厄介ですね。


今後、私達に害が及ばないと良いのですが……。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ