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胡蝶蘭の花言葉は…  作者: 湊 紅菜
2/6

相手の家にて

 体を刺されるような視線が、先程から私に向けられている。勿論、この部屋には誰もいない(・・・・・)。これも試されているのか。それとも、単純な疑問か。はたまた…。やはり、最後の可能性が一番ありそうだな。


「お嬢さん、時間がかかってしまったよ。すまない」

「こちらこそ、急にお邪魔して申し訳ありません。少輔次郎しょうのじろう様」


 音も無く静かにいらっしゃったのは、毛利(もうり)少輔次郎しょうのじろう様。黒い髪で鼻筋が通り、切れ長の黒い目に強い光を灯していらっしゃる。この御方は毛利家の当主であらされる。ふみも無しに、お会い出来るような方ではないのだ。


「お嬢さん。この度の話」

「どうぞ!お断り下さいませ!貴方様に、得になるわけではないのです!」


 私が声を荒げたことに、感情がでないと言われてる方の表情が変わった。唖然とした表情で、呆然と私を見つめている。


「ですから、言ったじゃないですか。あなた」

「その、お嬢さんに悪意は無いと。あるのは、後悔と親族に対する憎しみだけだと」


 軽やかな声とともに現れた女性と、私と同い年のような男の人。

 女性は、茶色い美しい髪を、伸ばしている。その笑顔は、見惚れてしまうものであり、それでいて知性を感じさせる御方だ。

 男の人は、茶色いと黒が混じった髪が美しい人だ。顔は、整っていると言われている少輔次郎しょうのじろう様よりも整っている。勿論、知性を感じさせる気だ。

 私の予想が外れていなければ、御二方だと思うのだが、口に出して良いものか。


妙玖みょうきゅう様と又四郎またしろう様ですか…」

「本当に、あれらとは大違いね」


 私の言葉に、妙玖様が溜息を吐かれる。あれらとは、叔父叔母のことだろう。私も叔父叔母とよびたくないのだが…。


「私は、母様と父様に育てられたので。あの人達とは、本当ならば口を聞きたくも無いのですがね」

「それは、君に流れる血がそうしているんだね。(らん)さん」


 少輔次郎しょうのじろう様の声に空気が凍った。多分、話が耳に入っていたすべての人間に声が聞こえたことだろう。


「…君は覚えてないかもしれないが、会っているんだよ。蝶様と、幸成こうせい…いや、幸成ゆきなりが生きていた頃にね」

「待って!あなた…蝶様と幸成こうせい様ってもしかして…」

「へぇ。まさか、あの御二方の娘様でしたか」


 御三方の言葉に、思わず息を吐き出す。母様と父様を知っておられて、私でさえ、知られているとは。


「流石ですね。確かに、(わたくし)こそ、(ちょう)幸成(ゆきなり)の一人娘、蘭でございます。紅姫(べにひめ)と呼ばれております。どうぞ、蘭とお呼びください」


 一人称と、蘭呼びに御三方の眉が上がる。


「良いのかい?いみな呼びは親しい人間にしか…」

「あの人達は、親しい人間にしか、私を会わせなかったのです。そして、少輔次郎しょうのじろう様には諱を教えているのですから、大丈夫です。あっ、あれら(・・・)に対して教えておりませんので、ご安心ください」

「…良いのですか?。あれでも、血縁でしょう?」

「大丈夫ですよ、又四郎様。あいつらは、あの悪どもは、





 私の親を私の目の前で殺し、尚且つ、死人に対しても侮辱したのですよ」

次は、説明回

ですので、主人公がダラダラ語ります

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