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孤独を癒すカラス  作者: 葉月 優奈
五話:ツグミの夏声
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あれから二日後の夜、マスク姿の僕はハシブトの部屋にいた。

部屋には、タンスと机とベッドしかないシンプルなつくり。

かつて部屋の主が、ほとんど持って行った。

元々美野里の部屋で、母が離婚したのちに再婚相手を住まわせた場所。

美野里の部屋が空いていたので、今はハシブトが使っていた。


そのハシブトは、ベッドの上で横になっていた。

黒のパジャマ姿に着替えたハシブトは、布団の中でおとなしくしていた。

僕が中に入ると、目を開けたが顔は赤い。体を起こして、出迎えたハシブト。

僕はハシブトに赤いガウンを、かけてあげた。


「起こしちゃった?」

「いや、起きていたぞ」

「そうか、体調はどうだ?」

「体温は少し下がったようだ」

「医者からもらった薬、ちゃんと飲んでいるか?」

「すごいな、この薬はカラスにも効くのだな」

ハシブトが目で、上の薬を見せていた。

棚の上には、お盆におかれた薬とカラのコップが見えた。


「僕や美野里が子供のころからかかりつけの医者だから、信頼はおけるよ」

「そうか……明日にでも学校に行けそうだ」

ハシブトの笑顔は、なんだか癒される気分だった。


「何か食べるか?今日は母さんも父さんも戻ってこないから」

「喜久……『母さん』と呼ぶようになったな」

「えっ、ああ。うん。おかゆでいいか?」

「そうだな、おかゆで頼む」

ハシブトがそういうと、家のチャイムが鳴っていた。


(だれだろう、母さんはまだ戻ってこないし)

「ちょっと見てくる」僕は、そう言い残してハシブトの部屋を後にした。


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