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あれから二日後の夜、マスク姿の僕はハシブトの部屋にいた。
部屋には、タンスと机とベッドしかないシンプルなつくり。
かつて部屋の主が、ほとんど持って行った。
元々美野里の部屋で、母が離婚したのちに再婚相手を住まわせた場所。
美野里の部屋が空いていたので、今はハシブトが使っていた。
そのハシブトは、ベッドの上で横になっていた。
黒のパジャマ姿に着替えたハシブトは、布団の中でおとなしくしていた。
僕が中に入ると、目を開けたが顔は赤い。体を起こして、出迎えたハシブト。
僕はハシブトに赤いガウンを、かけてあげた。
「起こしちゃった?」
「いや、起きていたぞ」
「そうか、体調はどうだ?」
「体温は少し下がったようだ」
「医者からもらった薬、ちゃんと飲んでいるか?」
「すごいな、この薬はカラスにも効くのだな」
ハシブトが目で、上の薬を見せていた。
棚の上には、お盆におかれた薬とカラのコップが見えた。
「僕や美野里が子供のころからかかりつけの医者だから、信頼はおけるよ」
「そうか……明日にでも学校に行けそうだ」
ハシブトの笑顔は、なんだか癒される気分だった。
「何か食べるか?今日は母さんも父さんも戻ってこないから」
「喜久……『母さん』と呼ぶようになったな」
「えっ、ああ。うん。おかゆでいいか?」
「そうだな、おかゆで頼む」
ハシブトがそういうと、家のチャイムが鳴っていた。
(だれだろう、母さんはまだ戻ってこないし)
「ちょっと見てくる」僕は、そう言い残してハシブトの部屋を後にした。




