フランス人のメイドさん
最近、『勇気爆発バーンブレイバーン』というアニメにハマっているんですよ。
OP曲が良くて、カラオケにこの曲が入ったら絶対に歌おうと思って頭の中でヘビーローテーションしたり、鼻唄を歌ったりしています。
以前、近場のメイドカフェに行ったんですけど、そこは初めて入るお店でシステムが少し変わっていました。
確か一曲につき100円? 追加すると一曲カラオケが歌えるとのことでした。
他のお客さんはバーカウンターに結構座っていたんですが、誰も歌う人がいないので自分は一人でアニソンを歌っていました。
自分が5曲くらい連続で歌っていると、何人か他のお客さんたちも歌い始めました。ちなみに自分は音痴なので後から歌う人のハードルが低くなったのではないかと思います。
そこで、他の人の歌を聞いていると、皆普通にJポップを歌っていました。自分はここはメイドカフェなのでお客さん全員がオタクだと思ってアニソンを歌っていたので、恥ずかしくなりました。
もしかしたら、他のお客さんはオタクではないけど可愛らしいメイドさんたちに接客されるのが好きでメイドカフェに来たのかな? と邪推してしまいました。それともメイドさんたちにオタク認定されないように、あえてアニソンを歌わなかったのかもしれません。
メイドさんと言えば━━
正確な記録は残っていませんが、19世紀末から20世紀初頭の数年間にかけて“フランスのメイドさん”と呼ばれた中年男性がいました。
サンフランシスコにあるあまり評判のよくないコマーシャル街のバーバーリーコースト地区に“マダム・マルセルのパリ屋敷”という○館が大店を構えていました。
そこに常連として訪れていたのが、通称“フランスのメイドさん”です。
この“フランスのメイドさん”は、婦人用の服を携えて店に来ると、その服に着替えてから、館の中をパーラーから屋根裏部屋までバタバタと掃除をして、その間いっさいの言葉を発しなかったとのことです。
掃除が終わると、元の服に着替えてからパーラーのテーブルの上に1ドル銀貨を置いて帰っていくのが常だったそうです。
この“フランスのメイドさん”は数年間にわたり毎日同じことを繰り返していたそうです。
当然、この“フランスのメイドさん”については、様々な憶測が飛び交いました。
館で働いている女性たちは「きっと有名な政治家」だろうと言い。ジャーナリストたちは「地位の高い銀行家かビジネスマンの可能性がある」、“ポリス・ガゼット”紙は「宗教関係者」などと噂しあいました。
一体この“フランスのメイドさん”が何者であったのかはわかっていません。登場した時と同じようにいつの間にか来店することがなくなったそうです。
いずれにせよ、毎日1ドル、週7ドルという金額は、当時のアメリカの平均的な家庭の生活費に相当するということから、「ある程度の金持ちなのは間違いない」というのが共通認識だったようです。
もちろん店主のマダム・マルセルは“フランスのメイドさん”の正体を知っていたと思われますが、この手の商売で成功するための鉄則として、客の正体の秘密を墓まで持っていきました。