第16話『初会合』
静かになったところで会話する大人たち。
「キーツ、ナタル、それからクリスタさん。さっきトゥーラから『プティ・シェ・ヌウ』のこと聞いてさ。俺は本の仕入れ担当に任命されたとこ。仲間入りしたんでよろしく」
ポールがさらっと事情を説明して、キーツとナタル、そしてクリスタも「ああ」という顔になった。
「そういえば、あの時はポール抜きだったもんね」
キーツが振り返ると、ナタルも二度頷いた。
「じゃあ。『プティ・シェ・ヌウ』共同経営者の初会合だね。家内にその話をしたら大喜びでね。早速、オービット・アクシスでカピトリヌスの郷土料理本を取り寄せたんだよ」
「へぇーっ!」
ポールたちが感心すると、クリスタがにっこり笑って大きなバッグに手を入れた。
「今、お見せしますわ」
さっと分厚い本を取り出す。どうやら家にあった本をテレポートさせるというすご技をやってのけたらしい。
「クリスタは表の修法者なんだ」
ナタルはデレデレして言った。
「今は子育てに専念してます」
「な、なるほど。そりゃ心強い」
ポールは戸惑いを隠せなかった。
クリスタの向かいに座ったトゥーラは、本を手渡されて感無量のようだった。そっとページを繰る。
マーゴットがクリスタにそっと耳打ちした。
「とってもきれいなお姉ちゃんね、ママ」
「そうね」
「えっ、なぁに?」
ナタルが割って入る。マーゴットはぱっと俯いた。
「トゥーラさんがとってもきれいなお姉ちゃんだって」
「ああ!」
ポールたちの合点がいく。トゥーラもお返しに言った。
「ありがとう、マギーちゃん。あなたもとっても素敵でかわいいわ」
「エヘヘ」
ここでまたポールが茶々を入れる。
「マギーちゃん、トゥーラは俺と結婚するんだぜ」
トゥーラが真っ赤になる。いつの間に、とキーツとナタルは思った。
「えーっ、似合わなーい!」
「所詮、お子ちゃまには俺の魅力はわかんないよなー!」
ポールが変顔をすると、マーゴットはケラケラ笑った。
「キャー、変な顔!」
さすが100%だった。




