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幕間

前の回に入れようと思っていた文章ですが構成の都合上おかしくなるので独立した話として入れました。超短いです

 私は打倒された。

 傷だらけの体がひび割れ、何かの液体が飛び散る。河豚がしぼむように私という物体が弛緩していく。


 ああ、これが死というものか。

 誰にでも訪れる筈だった死というものか。

 森羅万象が怯え竦む消滅というものか

 

 しかし、不思議と私は冬の空のような清々しい気分でもあった。

 

 曇天から覗く太陽が私の額を温めた。少しばかり感傷的になってしまう。

 

 私に幼少期などはない。この世に目覚めた時から決められた姿をしていた。

 

 神に作られた私は使命を与えられた。

 この拳で木の実を打ち砕くように人間を肉塊に変えていく仕事だ。

 

 いつ、思い返してもきわめて退屈な時間だった。ここに居座り、手を紅に染めては朝日が登るのを待つ。神は何も言わない。私が使命を怠ろうとも忠言しにもこない。

 

 だから、私は怠惰な時間を消費するために拳を振るった。いつしか、殺す事が私の存在理由になっていった。

 

 永劫なる殺戮の合間に、私は神に乞う事もあった。

 

 何故私はあなたに作られたのか。

 何故私は殺し続けねばならないのか。


 そして、いつまで生きればいいのか。


 答えは返ってこなかった。

 だが、今、答え合わせはされたのだ。


 生きるも死ぬも、為すも為さないも、私という唯一無二が決定する出来事なのだと。

 だから……私は感謝をしている。私を打倒し、神の使命を否定した十字の英雄(クルスニク)に。


 


 ――――長い時間が立ち、私は約束のために再び目覚めようとしている。

 

 とても誇らしい気分だ。

 何故か?

 それは、私が初めて”自分の意思”で決めたことだからだ。

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