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生存 ~ウェイクアップ~

さぁ始まりましたシーズン2!

ツイッターなどで寄せていただいた意見を元にもうちょっと簡潔にしました!

心理描写で始まる新たなシーズン、本作のテーマである「生きる」ということにアプローチします!

 ふと気がつくとモモは草原の真ん中に立っていた。なぜ、と彼女は考えるが前後の記憶が定かではない。

 だがこの青空と、優しい風の匂いと穏やかな陽の暖かさは不思議と心を落ち着かせてくれる。

 ここはそれとなく覚えている場所だ。名前は思い出せない。ただ全身で目の前の草原に愛しさを感じる。まるで自分の身体の一部のように。


 遠くの方に何か動きがあった。

 豆粒のようなそれはまもなく人型になり、赤いポンチョをはためかせて走ってきた。


 驚き半分、懐かしさ半分で自然に口角が上がる。本当に懐かしい。セーラーカラーのついた子供っぽいデザインのポンチョだ。当時はこれがかわいいと思って好んで着ていた。今もポンチョを愛用しているのはそのせいだ。


 昔のモモは眼帯をしていた。これまた懐かしいものだ。ということは12、13歳くらいの頃だろう。確か少し前の戦いで目を負傷していたはずだ。

 つけている眼帯は黒の革製でピンクのバラの模様が描かれている。”彼女”がお見舞いで持ってきた品だった記憶がある。モモは医療品のものと効用もそれほど変わらないのでつけていた。


 過去の自分が見える。つまりこれは夢だ。自分は遠いところからの気奥の再生を眺めている。


 もしかして、とモモは思う。

 このまま見続けていれば”彼女”に会えるのでは?

 眼帯をくれた”彼女”に、

 もう二度と会えない”彼女”に。


 昔のモモは何かをみとめると大きく手を振り、喜色満面でその名を呼んだ。


 たった。

 たったそれだけで胸の中が溢れそうになる。


 誰も呼ぶことのない名前、決して返事が返って来ない名前。

 ただ、ただ”彼女”に会いたい。押さえていた寂しさと悲しみがせり上がってくる。目的も何もかも失った今、何よりも”彼女”が必要だった。


 幻でもいい。ほんの一瞬瞬きする間だけでもいい。お願いだから……


 モモは後ろを振り返り―――――


 「ッッ…!」


 白い天井を見た。

 目が醒めたのだ。


 「う、あぁ……」


 いつも。

 いつもこうだ。

 幻でさえ決して会えない無慈悲な現実が刃を胸に捩じ込んでくる。

 いない、存在しない、彼女はもう生きていない。

 私が……ボクが……この手で……!


 痛い、とても痛い。心も体も全部傷だらけ、全部、全部からっぽ。何もない、空虚。

 自分という何かは空気のようにそこにあるだけ。いないのと同じ、景色ですらない。


 抑えきれない嗚咽が孤独の部屋に漏れる。日々の虚しさに目を背け、楽なものばかり見つめていた代償が涙となってとめどなく氾濫する。


 生きるのもやっとで、自分じゃ何もできなくて、人のために何かできたことなんてなくて、それでも人を助ける。自分がどうなるかなんて考えなくて、考えない。自分の存在価値なんて他人に認めてもらう以外にない。希望も何もないならせめて意義ある死だ。だからメアリを助けて死んでしまおうと考えていた。

 だけどいたぶられて、生命を冒涜され、殺されかかった時、本当は死にたくない自分に気づいた。

 どうしようもなく醜悪だ。なんのために生きるかもわかっていないのに生きるなんて。


 ほら、結局は一人善がりだ。

 誰かが耳元で囁く。


 気付かなかった自らのエゴ。とても悔しくて、情けない。


 ”彼女”なら。

 ”彼女”ならなんと言ってくれるだろう。言葉が欲しい。会いたい、会いたい。


 でもそんなの絶対に無理だ。泣いたって、死んでみたって会えるわけがないんだ。


 もう何も考えたくない。感情の濁流に身を任せ、今はただ止まっていたい。


 モモは一人ベッドにうずくまって泣いた。なんのために泣くのか何で泣くのか、全部遠くに押しやってまた自分を抑えられるように慟哭を上げる。


 「…………」


 鏡に自分の顔が写っている。不思議な一致だ。左眼も負傷していたらしく白い眼帯をがつけられていた。

 その横の目に光はない。


 むき出しの自分を見せられているようだった。

 お前は死んでいる。四年前のあの時からずっと、停滞したままだと。


 声にも顔にも出ない笑いがお腹の辺りで何度か跳ねる。


 少し落ち着いた頃、遠慮がちなのにドアのノックが聞こえた。壮年の女性の声で入っていいかと聞いてくる。モモはかすれた声でどうぞ、と呟いた。


 部屋に入ってきたのは黒の僧衣の上に白衣を着た五十代後半ぐらいの老女であった。しわが少なく、はきはきした印象を受ける。


 「ありゃ、どうしたんだい?泣いてるよ」


 まだ涙が流れていたらしい。壮年の女性から受け取ったハンカチで目元とほほに当てて涙を拭く。


 「昨日の事を思い出しちゃったのかい?それとも別の事?なんにせよ吐き出しちまいなよ、アタシにさ。そのほうが楽だよ」

 

 モモは笑おうとしたが顔が引き攣っただけだった。礼を言ってハンカチを返す。


 「寂しいから泣いただけです……もう……大丈夫……」


 です、と続けようとして嘘だということに気づく。視界から壮年の女性をフレームアウトしてうつむく。


 「じゃあ、アタシがここにいたほうがいいさね。どうだい?」


 モモはこっくりと頷いた。

 壮年の女性は車輪のついた丸イスを転がしてベッドに近づいた。

 重傷を負っているモモに丁寧に手を貸し、ベッドに座らせた。


 「いっ………」

 「おうおうおう、ごめんよ」


 お腹のあたりに鋭い痛みが走ってモモは呻く。どのくらいの負傷なのだろうか。モモはベッドのヘリを背にして座り、今更骨折していることに気がついた。


 鳩尾のあたりから模様のついた包帯でくるまれている。これでもかとばかりに穴を開けられた両脚は血が滲んでいるところもあった。よく生きているな、と自分でも思う。


 「あぁ、そうそう。出血が多かったから輸血しておいたんだけど気分はどうだい?ま、今はわかんないか!」


 壮年の女性はケタケタと朗らかに笑う。


 「アタシはアサド·イスマイール。アサド婆だ。アルザス郊外のマレーヌ聖堂の主司祭をやっている者だ。今は町医者みたいなこともやってるよ。アンタの名前は?」


モモは少し迷って”(あざな)”を名乗った。


 「モモ・クレムって言います。本当の名前じゃないんですけど…」

 「ん?どういうことだい?」

 「えっと、生家の習わしで、真名と”(あざな)”というのがあるんですけど、人前で真名、本当の名前を言っちゃいけないんです。だから人に読んでもらう名前…として”(あざな)”があって、私はそれがモモ・クレムなんです」

 「へぇ面白いねぇ」


 モモはわずかに頭をうごかした。


 「じゃあモモちゃん。改めてあんたの考えをアタシに言ってごらん。この老いぼれがしっかり聞いといてやるからさ」


 アサド婆はニッ、と白い歯を見せて笑った。

 モモは少し困った。彼女が抱えているのは簡単に名詞がつけられるほどはっきりと形を持っているものではなかったからだ。漠然として、もっとアバウトで、見えない霧雨が体を包んでいる。そんな不確かなイメージ。

 今までこの空気のようにまとわりつくじめじめした感情を押さえつけていたために、考えること、向き合うことがなかった。それがあの異形に嬲られ、殺されかけた瞬間に自身の心の真相を暴かれてしまった。今更目を背けようにもすでに記憶に焼き付けられて逃げ場がない。どうすればいいかがわからないから対処のしようがない。モモはこの事をアサド婆に伝えた。


 「詩的に表現するね。私の見立てじゃあね、それは不安だ」

 「不安…ですか?」

 「明確に言い切れる感情もなく、そんなふうに言い表すことしかできないなら不安としか言えないさ」


 そうかもしれない。

 生きる目的もないまま生きるのはとても辛く、苦しいことだ。苦しみをぶつけられるような本当に親しい人物もおらず、ただ心の奥底に空虚な痛みをしまいこむことしかできなかった。いつしかモモはそれを忘れ、仮初の救済に浸りきっていたにすぎなかったのだ。常々感じていた足元がおぼつかない様な感覚はまさに不安が最適解ではないのか。

 


 「じゃあ、仮にモモちゃんが不安に思っているとして、問題は何が不安なのかってことさね」

 「それは…わかってるんですけど…」

 「言ってごらん?」


 モモは初対面の人物に話していいことかわからなかったが、アサド婆の眼がチャーミングに動くのを見て話すのを決めた。


 「……その……なんのために生きてるのかっていうのが…わからないです」

 「ほう。なかなか難しいね」

 「昨日の夜襲われて…それで生きたいって思ったんです。……でも…でもなんで生きるのかがわからないことを忘れてるのも思い出して、もう何がなんだか…」


 ふんふん、とアサド婆は頷く。


 「じゃあ、こう考えてみようか。モモちゃんはどんなことをしたら安心する?」

 「安心…?」

 「嬉しくなったりとか楽しくなったりとか」


 モモは少し考えてから話しだした。


 「人を助けたりしてお礼を言われたたり、笑顔を見たりとかする時……綺麗な景色を見た時とか…いろいろあるけど、その3つが一番嬉しくなると……思います」


 口にするとき、知らず知らず御者やメアリ、徴兵された青年の顔が思い浮かんだ。


 「もうちょっと具体的にはなしてごらん?」

 「具体…的?」

 「アタシのしらない人たちを出しても構わないよ。詳しくモモちゃんの知り合いの人達との交流を言ってみて」


 モモはアサド婆の意図がわからなかったが半分思考停止で言葉に従った。


 「その……御者のアルフレッドチャーリーという方がいるんですけど、私の働いているカフェレストランの常連さんで、彼、私にごはんをおごってくれるんです。確かに、私は金欠気味で食べるのに困ることも多くて助かるんですけど、一向に彼に恩返しできてなくて…だから、彼が来店したときはできるだけ私が注文を取りに行くようにしてます。アルフレッドさんはいつも疲れた顔をしてますけど、私と話すときはちょっとだけ、元気な顔になりますから。日頃の感謝を込めて、そうしてます」

 「うんうん」

 「あと、メアリって女の子がいるんですけど…」

 「友達かい?」

 「はい。彼女とは仲が良くて、度々彼女のところでお茶会をやったりしてるんです。とても明るくて、感情がはっきりしてて話してると楽しいんです。心が、その、ぽかぽかするというか」

 「好きなんだ?」

 「はい。好きですよ」


 迷うことなく答えてモモは即座にはっとした。この言い方だと誤解を招きかねない。


 「あ、いえ、その、友達として好きという意味でして…」

 「ほう。そっちの気がアリと…」

 「違いますっ違いますっ、私は普通ですってっ」


 本当にメアリが”好き”ならばそれはとんでもない事だ。同性のしかも子供相手に恋情など倫理的にまずいところが多すぎる。

 

 「わかったってば。他には?」


 あたふたと弁明するモモを見てアサド婆は口元のにやけを手で隠して問うた。


 「えっと、…3日ほど前にフリードリッヒという方と出会って、千人針をやってくれって頼まれたんです」

 「千人針?なんだいそれは」

 「東洋の風習の一つで、女性一人につき、一縫いして千回繰り返すと弾除けのお守りになるらしいんです。たまたま私が最後に縫うことになって。……正直私が最後に間に合ってよかったって思ってます」

 「へぇ、どうして?」

 「その……不謹慎な言い方かもしれませんけど、もしかしたらいなくなっちゃう人を、覚えられたから……」

 「つまり、その兵隊さんが死んじゃっても彼を覚えていられる人になれてよかったってことかい?」

 「はい…私は、人は死んでも誰かの記憶の中で生き続けるって思うんです…。だから……覚えてられてよかったって…」


 それは本当だろうか。

 記憶の中で生き続けるなら、なぜこうも”彼女”に会えないのだろう。生きているはずならなぜこんなに苦しいのか。

 死んでいるからだ。

 生きてなんかいない。

 自分が生きたいと思ったのがその証拠だ。死んだら何にもならない。ただ、ゆっくりと塵のように消えていくだけ。

 それに気づいたとき、モモは嗚咽を抑えることができなかった。


 「違う…違う!そんなの嘘だっ…死ぬのは楽でもなんでもないっ…消えることは何よりも怖いっ痛めつけられて…っ何もかも否定されてるみたいで…メアリが助かれば死んでもいいって思ったのにっ…死にたくなくてっ…!いやだっ…もう、全部いやっ…」

 

 感情の洪水が胸の中で暴れまわる。否定否定否定。逃げたい、何も考えたくない、楽になりたい、全部全部ありとあらゆるすべてを記憶のかなたに置いていきたい。

 どうしてこんな気持ちにならなければいけないのか。なんで私が。答えは一つ、自分のせいだ。逃げ道もなく、ただ苦しみに身をさらすことしかできない。ただ、一人苛まされ続けるだけ………。


 ふと、モモは人肌の温もりを覚えた。ほほにアサド婆の手がやさしく添えられている。

 あふれ出る涙でゆがむ視界の中に、穏やかな笑みを見つけると、胸の奥の痛みが和らぐような気がした。

 苦痛の涙はうれしさに変った。誰にも打ち明けられなかった心が、差し込む光を見つけ重石の役割を終える。


 「一人で抱えるんじゃない。アタシが一緒に向き合うよ」

 「っ…うっ…ふっ…いいん、です…か?」

 「それが、アタシの役目さ。人間は助け合いだよ」


 アサド婆はしばらくモモが落ち着くまで背中をさすり続けてあげた。モモにはそれがなによりも頼もしく、心強かった。

 

 鼻をすすって、左手で目元を拭う。

 顔を上げると真向かいに鏡があった。

 さっきよりはいい顔をしているような気がする。


 「…あの、アサド婆さん、ごめんなさい。さっきからずっと取り乱してばっかりで…」

 「仕方ないさね。日頃いろんなものため込んで、昨日はあんなひどい目にあったなら情緒不安定になるのも無理はないさ」


 さ、深呼吸、深呼吸、とアサド婆の言うとおりにモモは息を吸って吐くのを何度か繰り返す。


 「さて、やっとだけど、モモちゃんの不安の原因がわかったよ」

 

 モモは真面目な顔でアサド婆を見つめる。


 「いわゆる欲求不満だ」

 「……えっ?」

 「具体的に言えば、モモちゃんは誰かに必要とされたがってるってことだ。さっき、カフェレストランで働いてるって言ったろ?接客業をしてるのがその証拠だよ。人に感謝される時、今自分が必要とされていると感じているけども、その確証がないから不安に思うんだ」


 モモは初め、それを聞いて目を丸くし、それから一気に顔を赤らめた。なぜか猛烈に恥ずかしくなって左手で顔を抑える。


 「ええっ!?なんだいその反応は!」

 「だ、だって…」


 モモは喘ぎ喘ぎ言う。


 「わ、私が、そ、その、誰かに必要とされたがってるなんて、そんなっ、あ、あさましくって…そ、そんなの…」

 「いやいやいや、人間として誰かに必要とされたい願望なんて超々々々々あたりまえだよ!」


 耳まで真っ赤になったモモはふるふると頭を左右に振った。


 「いいかい、モモちゃん。人間は集団で生きるものさね、一人じゃ決して生きていけない。働いて稼ぐにしたって、誰かに雇ってもらうか、雇うしかないだろう?人とのかかわりがなければ人間生きられんのさ。よってモモちゃん」


 アサド婆はモモの手をつかみ強引に引っぺがした。


 「誰かに必要とされたい、その欲求は、人間としてごくごく自然さね!」

 「し…自然…?」


 ふぅ…とアサド婆はため息をついた。


 「まぁ、百や二百も前ならたかだかそんなことで苦しむことはなかったさ。あの頃はみんなで助け合って、その精神基盤には神様がいたから穏やかな人生が送れたのさ。けど、今は違う。依り代を失った人間はアイデンティティっていう強い自分自身の心の柱がなけりゃやっていけなくなってしまった…。何をもって、自分の存在証明をするのか。そのやり方がわからなくて、人に教えてもらえないから、こんな当たり前のことでも、人は苦しむようになったのさね」

 「…アイデン…ティティ…?」

 「なんでもいいんだよ。スポーツができる、勉強ができるとか。アタシの場合は自分の医術さね。自分で自分の好きなとこ、探しな。自分を大事にして、自信を持つ。頼りがいがあるようになると、自然に人から必要とされるようになるよ、モモちゃん」


 ぽん、とアサド婆はモモの頭に手を置いた。


 「だいたいモモちゃんはねー、もっと自分に自信をもっていいんだよ。ほら、顔なんて文句なしの超べっぴんさん!まつげはとーっても長くてふさふさ、目も大きくて形もいいし、鼻筋きれいだし、唇もふっくらでおいしそうだねぇ~!しかもだよ、この細さ!体もうっすら筋肉がついていてラインが完璧!なにさ、このウエストのくびれ!あたしが乙女だったころよりしっかりしてるじゃないか!さらに脚が長い!都会のモデルさんにもこんなのいないよ!アタシが男だったらね!十中百九、百中百で嫁にするね!」


 アサド婆の剣幕に圧倒されて、モモは顔を赤くしたまま茫然とアサド婆を見つめることしかできなかった。

 しばし、ほめに褒めちぎって、ふと、アサド婆はモモが魂の抜けた顔でこちらを見ていることに気づいた。

 ゆっくりと眼前で手を振るとモモはハッとして目をしばたかせる。

 

 「どうしたんだい?」

 「あっ、えっ、いえっ…その…」


 急に慌ててモモは左手を無意味にぶんぶんした。ちらっ、と上目遣いにアサド婆を見て、なぜか顔を手で覆って俯く。

 

 「本当にどうしたのさ?」


 あまりのモモの挙動不審さに、アサド婆は思わず噴き出した。


 「あのっ…っ、そのっ…そ、そんなっふうに、言われたっ、ことっないから…はっ、はっ、はず、恥ずかひっ…」


 ギャッハッハッハ!とアサド婆は大声で、膝を叩きながら大爆笑した。


 「はーモモちゃんってば生真面目だねぇ!だってほんとのことじゃないかさっきアタシが言った事!はぁ~かわいいねぇ、モモちゃん!若い!」


 高笑いを続けるアサド婆にモモはなお、恥ずかしそうにしていた。

 もうちょっとからかってやろうかと思ったが、これ以上続けるとかわいそうに思えてきたので、水をとってくると言って、アサド婆は部屋を離れることにした。

 

 



 



 

 

 

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