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悲劇
その日、セイラは本を買いに出掛けていた。
目当ての本を買えたセイラが二時間後家に帰ると、兄と見知らぬ男性がいた。
家に帰ってきたセイラの姿を見て、兄のセツがにっこりと笑って言った言葉。
「ああ、セイラ、おかえり。彼、君の婚約者ね」
その言葉をお茶を飲む? と変えても不思議でないくらい爽やかな笑顔だった。
「へ? は? え?」
困惑顔で兄を見るセイラ。
兄はただ笑っている。
──嘘ではないようだ。
「えぇええええぇえっ!?」
ようやく理解したとき。
バサバサッと買ってきた本を悲鳴と共に落とした。




