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恣
僕は、彼女の墓参りに来ていた。
彼女が好きだったホウセンカの花束を添える。目を瞑り、静かに手を合わせる。目を開けてふと視線を落とすと、スノードロップが咲いていた。近くには、クロユリの花束もある。
僕は、ふと口にする。
「ごめんね…。僕があの時、一人で行っていれば、こんなことにはならなかったのに。」
僕は立ち上がり、家に帰る。
その途中で、石を投げられた。
十一、二歳くらいの男子だろうか。
「お前、姉ちゃんを死に追いやったやつだろ?偽善者が墓参りに来るなよ!」
もうこの反応には慣れた。
あいつがいなければ、こうはならなかったのに。
僕は彼にホウセンカの花を一輪投げる。
そして、背を向けて歩く。
呼ぶ声も聞こえたが、僕は無視して歩く。
涙が出てきた。なぜだろう。
その問いに答えようとしながら、僕はあの日の前後のことを思い出す。




