一日中お説教なんて認められるか!!
アリシアちゃんがとんでもないツンドラをかましてくれたおかげで今はとても寒いです。
光は特にありませんが月が明かり私を照らしてくれる。まるでスポットライトみたいに
「お嬢様、大丈夫ですか?」
「ニ、ニルフィーーーー」
呆然と立っているところに現れたのはメイドのニルフィーナだった。
月明かりとランプの光がニルフィを照らし、両目を隠している銀髪の髪が幻想的に輝いていた
気づいたらニルフィに抱きついていた
ふ、感傷的になってしまったがニルフィの巨峰が私を癒してくれるのだよ!
「そ、そんなに辛いお話だったのですか?」
「そ、そうなんだよ~、ぐへへ」
ニルフィーナのアイアンクローが私の頭を掴んだ
頭に青筋がこれは怒ってるやつですね。はい…
足が地面についてないから痛い!!首にダメージがあああ!
「どうして頭をこすり付けてくるのですか?」
「ふへへへ、いたたたったたたぁぁぁぁ!!」
「お嬢様には全然辛い話ではなかったのですね」
ギチギチとなってはいけない音が頭蓋骨から鳴り始めてる
これはあかん…あかんやつや
そんな危険な状態になりながらだったけど手を離してくれました
「もう心配して損しました」
「あぁえっと、ごめんね?」
「なんで疑問文なんですか…」
ニルフィは本当に心配してくれてたみたいだ。
今回の話は特に辛いものではなかったし改めて心配されるのは少し・・・う~ん
「これからはお嬢様ではなくということはご主人様と呼ぶべきでしょうか?」
「それは、父さんに使うべきじゃない?」
「それはそうなんですが…」
ニルフィの歯切れが悪い
ははぁ~ん。わかりましたぞ
「それならあなたとか旦那様とか愛しい人でも好きな呼び方していいよ」
「はっ馬鹿なこと言わないでください」
「おっふ、ナイス罵倒です」
「求婚なら性別と年齢を何とかしてください」
年齢と性別でいいのか無茶だな。私は女の子になっちゃったし。
そんな談笑しながら、私は部屋に戻った。
ベットの上に寝転がりこれからの事を思っていると心地よい睡魔が襲ってきた
さてこれからどうしようかなぁ
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翌日
目を覚ましたらそこは見知らぬ天井だった!
なぁんてことはないけどね!!いつもの変わらぬ天井だよ
カーテンを開き太陽に向かって大きく伸びをする
太陽が真上に近い、もう昼近くくらいだろうか
ん?
昼近く…
「え、あああああ。ぎぃやああああああああああああああああ!寝過ごしたぁぁぁぁぁ!!」
あぁぁぁえっと今日は何の習い事の日だったけぇ
確か本日は月の日なので午前は宮廷作法の日ですねぇ…
あはははは、終わったなぁ
あれ、おかしいな、これからの未来を考えると目から汗が大量に出てくるぞぉ
「ユーリ様、何してるんですか?」
「あははは、寝過ごしてるんだよ」
部屋に入ってきたニルフィに返答しながら私はベットに戻る
「ってなんでベットに入るんですか!」
「ツンドラの好感度イベントが死んだからさ~」
ニルフィが呆れたように掛け布団を取ってくる
む、そう簡単にはベッドから出ぬぞ!
ニルフィとの掛け布団の取り合いが始まる
「支離滅裂なこと言いながらベッドに戻らないでください!!」
「ははは、お母様の一子相伝である篭り技術だぁぁ」
「もう!何でこんな力があるんですか!」
ますます掛け布団の取り合いが激しくなる
ここまでくるともう意地だ!絶対に離さないぞ!私は布団と生涯を共にするのだぁぁ!
「やだぁああ!今日はお部屋に篭るのぉ!というかどうして起こしてくれないのさぁ!」
「今日の予定では起こす必要ないからです!」
「ウソダッ!!」
「嘘じゃありません!」
「宮廷作法の授業があるじゃんか!」
「本日は神休みの日です!!」
「へ?」
「きゃぁ!?」
ゴンッ!!
今日は神休みの日だと…はは、休みの日じゃないか
安心してきたらなんか落ち着いてきたなぁ
「ユ~リ~さ~ま~」
ア…
言わずもがなニルフィの説教タイムが始まってしまった。
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ニルフィと掛け布団争奪戦とお説教を終わらした後に遅い昼食をとり軽く散歩をする
神休みの日は特に習い事などはない。他の貴族家ではないであろうがリンネ家は違う、身体を休める事も仕事のうちだそうだ
のんびりと家の中を散策し玄関近くまで来ると私服のニルフィの姿を見つける
ニルフィの私服は白いワンピースで麦藁帽子、いつもは隠れている両目も今日は片方だけ紅い瞳が見えている。
「やぁニルフィ、朝はごめんね。今日は出かける日だったのに」
「午後からだけですので何も問題ありませんよ」
にっこりと微笑んでくれるニルフィはいつも以上に綺麗だった
「もしかして彼氏とのデートでしたかな」
「わかりますか?」
「えっ?!もももちろんですとも」
ニルフィに彼氏だとッ!誰なんだ!このハッピー野郎め!!
くそうぅ羨ましいな!こんな素晴らしい子を落したやつが!!
「ユーリ様、大丈夫ですか?」
「あはは、カレシトオシアワセニー」
「ちょっと全然大丈夫じゃないじゃないですか!それに私は彼氏なんていません」
「ほんと?」
「はい、今日は下見に行くだけですからすぐに帰ってきますよ」
彼氏がいない・・・巨峰到達者いまだなし
本日の用事、ただの下見らしい。何の下見は知らないし知る気もない
けれどこれだけは言いたい
「いよっしゃぁぁっぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
万歳、本日はお赤飯よ!!
米はないけどね☆
今の私はとても走り出したい気分だぜ!!もう走っているけど
「オジョウサマァァァァ!!!」
ニルフィの声が家中に響いた事と
本日2回目のお説教が夜に決まったのは言うまでもないだろう。
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興奮冷めやまぬ状態で走っていると庭園にアリシアお姉さまがいた
ははぁん。太陽神ジオラルはこのままの調子でアリシアちゃんにもアタックしていこうぜということですな
「お姉さま、一緒にお茶でもいかがですか?」
スタスタスタ
お姉さまの歩みは止まらない
あれ~きこえてないのかな
「お姉さま、一緒にお茶でも…」
スタスタスタ
それでもお姉さまの歩きは止まらない
アリシアちゃん、本当にかまってちゃんですね
「お姉さま、一緒…」
スタスタスタ
それでもお姉さまの進軍は止まらない
あははは、少し寂しくなってきましたよ
「お姉さま…」
スタスタスタ
決してお姉さまの歩きは止まらない
ここまできたら自棄だぜ!
「お…」
スタスタスタ
なにこれ…意地でも話さないという確固たる意思すら感じる。
それでも私は諦めないぞ!!
「お姉さま!!お茶!!いかが!!ですか!!」
「うるさいわよ!!」
やっとお姉さまがこっちを向いてくれた
すっごい不機嫌な顔をしながら私を睨んでいる
「親睦を深めましょう!」
「嫌よ!」
わお、そんな即答されるほど嫌われてるのか…
しかしそんなので諦めることなんてしない!
なんせ家族ですから!!
「ありがとう!」
「嘘でしょ?!なんでそうなるのよ!」
「愛しあいましょうってことですね」
「なんでそうなるのよ!」
「家族なんですから」
「私と貴方は家族ではないわ!!」
家族ではない。確かに家族の定義はあやふやだ
私とアリシア、互いに母親の血は違う
けどそれだけの理由で家族じゃないってのは寂しいじゃないか
「アリシアお姉様、これだけは言わしていただきます」
「な、何よ…」
「周囲がなんと言おうと関係ない俺とお姉さまは家族だ。」
「違う」
「違わない!!」
無理矢理アリシアの顔を両手で掴み
声を低く言うとアリシアは黙ってしまった
「アリシアは俺のお姉ちゃん、お姉ちゃんなんだよ。わかる?」
「…」
「わかった?」
「わかったわよ」
アリシアお姉さまはやっぱり言ったらわかる
いいコダネ
「とりあえずお姉さま結婚しましょう」
「へ?」
片膝をつき片手にキスをする紳士のような告白
顔を真っ赤にするアリシアお姉さま
金髪美少女が顔を真っ赤
これはそそるものがありますなぁ
「な、何でなのよ!!」
「顔が好みです、身体は微妙ですし性格は駄目ですが」
「最低じゃない!」
「共に生きて行きたい」
「なんでそんな考えになるのよ!!」
「わかりませんか?」
「何でなのよ!!」
「家族になるためです!」
「なんでなのよぉぉぉぉ!!」
その日、姉妹は淑女らしくない行動をとったためメイド長+父上にお説教を貰った
特に私は多くの時間説教された…納得いかぬ
しかしその後ニルフィからも説教が待っていたため解放されたのは空が白みがかるくらいまで続いたのであった
続ける努力って大変ですね…