1検体 「Let's 分析 Life!」
「そろそろ仕事しねぇとやべぇよな……」
敷きっぱなしの布団に寝っ転がったまま、スマホをいじり求人を探す。
今日で前職を辞めてからひと月ほど経つ。
そろそろ仕事をしないとやばい。金的な意味で。
「なんもやりたくねぇんだよな……」
スマホをスクロールしながら、求人を見ていく。
飲食業――却下。
清掃業――却下。
製造業――却下。
営業――却下。
俺の前職は接客業だった。
毎日毎日同じことの繰り返し。飽き飽きだ。
もっと夢のある仕事はないのかよ。
ひたすらスマホのスクロールを続ける。
ふと、とある求人が目に留まった。
【急募:分析業務経験者】
「分析業務かー」
アリ寄りのアリだな。
興味が湧き、寝っ転がっていた身体を起こす。
最近ずっと横になっていたからか、起き上がるだけで目眩がした。
きちんと働かない頭を使って、求人に目を通す。
【大自然の中で、分析屋さんになってみませんか?
衣食住お約束! Let's 分析 Life!】
随分とふざけた内容だ。
つーか、何する仕事なんだよ。
給料すら書いてねぇ、怪しすぎるわ!!
求人として機能してねぇし!!
Let's 分析 Life? その内容を教えろ!!
こんな求人、応募するような馬鹿がいたら会ってみたいぜ。
「でも……衣食住お約束、か」
正直、もう貯金もない。今月の家賃もやばい。
仕事もなければ金もない。たくさんあるのは督促状。
まもなく住むところもなくなりそうな25歳独身男。
「試しに面接だけでも行ってみるか……」
一応、理系大卒だし。
業務としてはやったことないけど。
まぁ、なんとかなるっしょ!!
経験してるし、嘘は吐いてない! 盛ったけど。
そんな軽い気持ちで応募ボタンをポチッとした。




