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水郷会児童福祉施設 あけぼし1

 スマホのアラームが聞こえる。どうやらもう朝になってしまったらしい。


「おはよう」


 私がスマホのアラームを止めると既に着替え終わっている弥生さんに声を掛けられた。私は寝ぼけながら「おはよう」と返すと布団を捲って起き上がる。


「昨日はお疲れ様。さっき逢川さんから連絡あって時間通り来るってさ」


「そう……。わかったぁ」


 私は間が抜けた声で返事すると洗面台に向かった。そして顔を洗って歯を磨いた。気分的には修学旅行の朝に近い気がする。


 歯磨きしながら次第に意識が覚醒していく。今日は私の魔法少女デビューの日。そう思うと少し不安を覚えた。きちんとお仕事出来るかな? 地底人のママが言っていたことが当たったらどうしよう? そんな考えが浮かんだ。不安がったところで何の意味もないのだけれど――。


 そうこうしていると研修所に鹿島さんがやってきた。時刻はまだ六時過ぎ。正直非常識な時間の訪問だと思う。


「おはようございまーす」


「おはようございます。早いですね」


「ええ。今日は聖那ちゃんのメイクアップのために来たんです」


 鹿島さんはそう言うとニッコリ笑った。そして「ね? 弥生ちゃん?」と弥生さんに視線を送る。


「うん。私が聖那ちゃんのメイクまで出来れば良いんだけどさ……。さすがに自分のだけで手一杯でね。だから鹿島ちゃんに手伝ってってお願いしたんだ。……あんがとね鹿島ちゃん」


「うん。大丈夫だよー。あとねー。今日は私も酒々井まで着いてくからね」


 鹿島さんはそう言うと「だから今日は一日よろしくお願いしまーす」と言って首を傾けた――。


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