表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
63/248

オフィス・トライメライ 幕張研修所2

 それから程なくして逢川さんがUGに戻ってきた。心なしか朝よりも無精髭が伸びたように感じる。


「いやぁ。ごめんねみんな。遅くなって」


 彼はそう謝ると申し訳なさそうにうなじを掻いた。


「いや、大丈夫だよ。てかウチらの為に社長と色々話してくれてたんでしょ?」


 美鈴さんはそう言うと逢川さんの顔を下から覗き込んだ。そして「いつもお疲れ様」と言ってポケットから栄養ドリンクを取り出すと彼の手に握らせた。その様子はまるで本物のカップルみたいだ。


「サンキュー香取ちゃん。まぁ……。俺だって多少は交渉ぐらいするさ。君らの待遇ぐらいはどうにかしたいからね」


 そう言うと彼は美鈴さんの頭を手のひらで軽くポンポンと叩いた。そうされた美鈴さんはまんざらでもない顔になる。たぶん彼女はこの手のノリが嫌いじゃないのだろう。


 それから私たちはしばらくUG内でダラダラ過ごした。店内には私たち以外に来客はない。というよりも地下街自体この時間は閑散としてしまうようだ。


「そういえば社長なんか言ってました?」


 不意に弥生さんが逢川さんにそう尋ねた。


「そうねぇ。特には……。あ! でも春日ちゃんのことは褒めてたよ。本当に助かってるって」


「そうですか……」


 弥生さんはせっかく褒められたというのに浮かない顔でそう答える。そして「まぁそれなら良かったです」と言って無理な笑顔を作った。


「まぁ。春日ちゃんの気持ちは分からなくもないけどさ。社長だって君のことを大切に思ってるんだよ? だから……」


 逢川さんがそうフォローを入れると弥生さんは「分かってます」と食い気味に答えた。そして「あーあ、お腹空きましたね」と不自然に話題を変えると痛々しい笑みを浮かべた――。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ