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アンダーグラウンド幕張6

 そんな風に車内で話しているとやがて車は幕張駅近くの地下駐車場へ入っていった。『二四時間パーキング』という黄色い看板を横目に地下に潜っていく。


 駐車場は平日の午前中だというのに結構な混み具合だった。逢川さんはそんな車だらけの中をスイスイ迷うことなく進んでいく。


「あーあ、来ちゃったよ」


 不意に美鈴さんがだるそうにぼやいた。


「香取ちゃんは蔵田さん苦手だもんなぁ」


「まぁね。あのオッサン見るとどうも鳥肌立つんだよね。言いたかないけど生理的に無理なんだよ。……悪い人じゃないんだろうけどさ」


「んー。分からなくはないかな。俺だって業者じゃなかったら正直近づきたくないし」


 二人はそう言って仲良くため息を吐いた。蔵田さんというの話の流れ的にはおそらく衣装屋さんのことだと思う。いったいどんな人なんだろ? そこまで言われると逆に見てみたくなる。


そんな二人のやりとりに弥生さんが「……二人ともいい加減にしなって。蔵田さんにはいつも迷惑掛けてるでしょ? 特にメイリンは何回衣装直して貰ってんの?」と怪訝な顔で口を挟んだ。どうやら弥生さんは衣装屋さんのことをそこまで悪くは思っていないらしい。


「はいはい。ったく弥生はいつも蔵田さんの肩持つよねぇ」


 美鈴さんはふて腐れたみたいに言うと深いため息を吐いた。そして「ああ、大丈夫だからね聖那ちゃん」と何の意味もない慰めみたいなことを言った――。



 そうこうしていると逢川さんが奥の月極スペースの前で車から降りた。そしてそのスペースの上に置いてある三角コーンをどけるとそこに車を駐車した。駐車場した場所の後ろの壁には『(株)トライメライ様』と書かれている。


 それから私たちは地下駐車場を壁沿いに歩いて行った。そしてしばらく歩くと古びた銀色のドアにたどり着いた。ドアには『関係者以外立ち入り禁止』と書かれている。


 私はそのドアを見て少し薄気味悪い気分になった。この先に何かある。私の直感がそれを告げていた。


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