第2話
全ての質問を聞き終えたのは俺が目を覚ましてから30分ほど経ったころだった。
「もう質問はないだろ?
今度は俺が質問をするからな。」
俺は5人を見渡し、何も言ってこないことを確認してから質問にはいった。
「まずは俺の名前が近藤真人っていう名前だってことはわかった。
で、目を覚まして最初に会った君が海野ユリナだっていうこともわかった。
他のあんた達は誰なんだ?」
最初に口火を切ったのは手を握ってきた奴だった。
「俺は鈴高義経。お前の高校の頃からの同級生で、大学でも同期だった。」
「大学?俺は卒業したのか?」
「いや、まだだ。
俺もお前も今年で4回生だ。
そこの海野ユリナも高校からの同級生で、おれとおまえの大学の同期だ。」
鈴高が話し終わると、次に出てきたのは大柄の男だった。
「俺は太田成振。お前たちの高校での担任だった。
なりはこんなんだが、こう見えてまだ30ジャストだ!」
「俺は橘魁斗。医者だ。
こっちは俺の嫁の姫。こいつも医者だ。
いや、医者というより俺のサポーターかな?
年は俺が32で姫が24だ。」
医者か…
医者のくせにその格好はなんなんだよ。
普通白衣着てるもんじゃないのか?
「じゃあ次。
あんた達の格好はコスプレなのか?」
「いいや違う。」
答えたのは担任だった太田だった。
「今は戦争してんのさ。」
「戦争?どことだよ?
それに戦争とその格好の関係性がわからない。
俺の記憶では兵士は迷彩服を着てヘルメットをかぶってるからな。」
「そうだな、まあ、初めから全部説明してやるか。」
太田はそういうと窓に歩み寄り、ブラインドをあげた。
光を遮るものがいきなりなくなったせいで、はじめは目が明るさに慣れなかった。
だが、徐々に慣れてきた目で見た光景は俺の想像していたものとあまりにもかけ離れていた。
まずここが高い位置にある部屋だということ。
おそらく10階より高い。
そしてさらにここが都心部だということ。
だがそれで終わりではない。
ここまでなら驚くことはなかった。
だが、ここから先の街外れから黒煙が何十本もあがっているのだ。
「今俺たちは日本国内で戦争してんのさ。
各都道県に別れてな。」
俺が言葉を失っているのに構わず太田は続ける。
「事の発端は2年前。
奴らが来たことから始まる。」
「奴らって?」
「異性人さ。
異なる星じゃなく、異なる性質だ。
おおよそ科学が通用する相手じゃない。
いや、科学というよりは人間の知能だな。
奴らは手始めに全ての人工衛星を破壊した。
そして地球での拠点を得るため、ロシアを攻撃、占拠した。
奴らの前じゃ兵器なんておもちゃみたいなもんさ。
核ミサイルを2発。もろに喰らってもピンピンしていやがるぐらいだ。
ロシアの占拠だって5分で済ませちまったしな。」
「5分!?
ちょっと待て!
さすがにそんなことできないだろ!
だって相手はロシアだぞ!?」
ロシアといえばアメリカと肩を並べる世界屈指の軍事力をほこっている。
そんな国を相手にさすがに5分じゃ無理だろう。
そう思った。
「いいや、できる。
やり方はまだ未明だが確かに方法はある。
…そうお前が言っていたよ。記憶をなくす前にな。」
記憶をなくす前にか…
ということは俺はかなりの手慣れだったのか?
それとも単に勘が鋭いだけか?
いや、今考えてもわかることじゃないな。
「そして奴らは俺たちにゲームを仕掛けてきた。
その内容は各国から代表チームを選出する。そしてさらにその各国の代表チームから勝者を選出し、その勝者にこの星を返す。
というものだ。
チームの決め方は日本では都道府県。アメリカなら州と様々だ。
代表チームは戦って勝つことで決める。
ただし制限時間は5年。戦闘を行えるの9.00〜18.00まで。
この時間外の戦闘行為はペナルティーが課せられる。
まあつまり殺される。
どうやって死ぬかっていうと、体が勝手に爆発するんだ。
もちろん体内に爆弾が仕掛けられているわけじゃない。レントゲンを撮ったからこれはかくじつだ。
奴らはなんらかの方法で殺している。
ちなみに、ここは大阪でお前は俺、鈴高、海野で構成されている中央部第50小隊のメンバーだ。
大阪は−」
太田が話している最中、端末のバイブレーションの音が響いた。
「すまない。」
太田は端末を取り出して画面を操作し始めた。
「…話の続きだが、後にしよう。
支援要請が出た。
今一番近い位置にいる俺たちにだ。
そういうわけだから、いくぞ。」
そういうと、太田と鈴高は急いで病室を出て行った。
海野って女の子の制止にも構わず。
「どうしよう…!
真人、どうする!?くる!?残る!?
いや、でも今回は前線だし…!」
海野はその場を行ったり来たりしだした。
ブツブツいいながら。
「真人が心配か?ユリナちゃん。」
声をかけたのは橘って人だった。
「うちの隊でよかったら引き受けるけど?」
海野は
うーん…
と唸りしばらくした後、お願いします!
と言って病室を飛び出していった。




