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ゲリラ戦

20XX年 7月4日23:00  与那国島 与那国岳

ここ与那国岳からは中国軍の上陸した与那国島西部にあるダンヌ浜や、占領された与那国空港を一望できる。ここに軽MATや携SAM、81mm迫撃砲で武装した西部方面普通科部隊2個小隊が配置されている。

 与那国岳からダンヌ浜、与那国空港までは1、2kmほどしか離れていない。暗視装置を使えば、橋頭堡から戦車が上陸してきたり、空港に輸送機が着陸しているのが見える。軽MAT、携SAM、迫撃砲ともに射程内であるため、攻撃も可能だが、今はその総攻撃に備えて待機中で、後方に展開している中距離多目的誘導弾部隊の攻撃準備が整い次第攻撃する予定だ。総攻撃をしたらまた後方に撤退、そこで攻撃したらまた撤退···という戦法で攻撃を行う。圧倒的に我々は不利だから、そういう戦い方が一番有効なのだ。


「こちら中MAT(中距離多目的誘導弾部隊)、攻撃準備が完了した。いつでも良いぞ」「了解。攻撃を開始する···」ようやく準備ができたようだ。海岸には敵部隊がひしめき合っている。我々は迫撃砲で上陸部隊を一掃し、中MAT部隊は海岸の揚陸艦などを攻撃する。

 「照明弾、発射よーい···てっ!」目標確認のため、まず照明弾が撃たれる。暗かった海岸が昼間のように明るく照らされる。「ようし、次は通常弾だ。発射よーい···てっ!」81mm迫撃砲が火を吹く。「ドンッ、ドンッ、ドンッ!」ほぼ連射である。時間をかけてしまうと発射地点が特定されてしまう。よって早く撃ち、早く逃げるのだ。海岸に次々と着弾し、敵部隊を襲う。1分もかからずに30発を発射、素早く撤退した。それと同時に中MATが着弾する。揚陸艦という大型目標に対しての攻撃には不向きだが、それでも物質を破壊することに成功した。

 



同時刻  与那国島 ダンヌ浜 中国人民解放軍陸戦隊

与那国島ごときに時間をかけすぎた。このあとも石垣島、西表島、宮古島を攻略しなくてはいけない。尖閣諸島は既に占領済みだが、正直あんな岩だらけの島は活動拠点にならない。拠点確保のためにも先島諸島は早く攻略しなくてはいけないのだ。そのため揚陸部隊をとっとと陸揚げし、艦隊を石垣に行かせようとした。


本土から輸送船も到着し、以降ピストン輸送することになる。ゲリラ狩りに必要な部隊を陸揚げさせていた。さすがに与那国の残存日本軍にもこの集団を攻撃できるほどの戦力は残っていないだろう···。

 とその時、急に浜が眩い光に包まれた。その直後、ヒューンという音と共に爆発が起こった。迫撃砲だ。まさか敵にこれだけの戦力が残っているとは思わなかった。せっかく陸揚げした部隊、物質が被害を受ける。1分後、迫撃砲の爆発が終わると、今度はミサイルが4発飛んできて、輸送船などに命中する。


 なんてこった···。煙が晴れると、複数の陸戦隊員の死体、炎上する物質、輸送船が見えた。上陸部隊の4割ほどが被害を受けただろう。今後の作戦を考えると、本土から再び与那国に部隊を送る必要がありそうだ。もはや石垣島どころではない。早く先島諸島を攻略しないといけないのに···最悪な状況だ。


こうなったら石垣、西表、宮古島の3島の攻略は"飛龍"に協力してもらうしかなさそうだ···。




7月5日00:00  中国 北京 作戦総司令部 

前線の部隊は何をやっているのだ?遅すぎる。予定ではもう先島諸島を占領し島を対空ミサイルを展開するなどして要塞化、場合によって沖縄を攻撃するという「飛び石作戦」を行うはずだった。それが今は与那国島さえ攻略できていない···

 そこで緊急の作戦会議を開き、作戦の見直しを行った。結論としては「与那国島はとりあえず放棄、石垣、西表、宮古島の3島の占領を最優先とする」こととなった。与那国島での抵抗が予想以上に大きかったからだ。そこで与那国島を孤立させる作戦を採ることにした。地図を見ればわかるが、与那国島は尖閣諸島より西にあり、3島は尖閣諸島より東にある。尖閣諸島を占領している今、この3を占領すれば日本列島から与那国島を分断することができるのだ。あとは少数の爆撃機などで与那国島を反復爆撃すれば、敵ゲリラも壊滅するだろう。占領はそれからで良い。しかもこの3島には"飛龍"部隊が展開しており、再びゲリラ攻撃も可能だ。与那国島よりは攻略が楽だろう。


早速与那国島の部隊に連絡、与那国島に陸揚げしたものを今度は石垣、西表、宮古島に運んでもらうことにした。環視用の1個中隊ほどを残して、艦隊を移動させた。




7月5日06:00  与那国島 与那国岳

敵部隊が撤退して行く。与那国島を占領したかったのではないのか?それほど我々の攻撃が強烈だったのか?


やる気満々の与那国島守備隊だが、攻撃目標であった中国軍は撤退し、このあと連日のように爆撃が行われることになる。3島が占領され、与那国島が孤立すれば、彼らの運命は絶望的だった。






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