与那国島上陸作戦
20XX年 7月4日18:00 与那国島 海岸防衛線
「対空砲火用意!」急に慌ただしい空気になる。中国軍による空爆が始まったのだ。「てっ!」「ブゥーン!」VADSが唸りを上げる。射撃制御装置を搭載しているため、命中率は高い。急降下でロケット弾を撃ってくる敵機を撃墜した。
空自は撤退してしまったらしい。我々は見捨てられた。携SAMと機関砲だけではとても防げない。しばらくすると、海岸線に展開していたVADSがJ-16の爆撃を受けて破壊された。VADSも携SAMもから高高度を飛行する敵機は攻撃できない。小型兵器では射程が足りないのだ。
のちに海岸線の塹壕、迫撃砲陣地、空港、司令部が爆撃された。防空壕があったので助かったが、かなりの被害を受けた。また、海岸線に配置した障害物や水際地雷も一部破壊された。与那国島防衛はもはや絶望的だ。
18:30 与那国島沖 中国空母艦隊
「第1次攻撃隊が着艦するぞ!第2次攻撃隊は発艦用意!揚陸部隊も準備をしろ!」ついに上陸作戦が開始された。思っていたより敵陸・海軍の抵抗は少ない。唯一しつこく抵抗した敵航空部隊は我々をある程度蹴散らしたあと、撤退して行った。あれはかなりの痛手だ。艦載機を多数撃墜されたため、空母"江蘇"の甲板はがら空きである。本土からの増援を待つしかない。今は空母"江蘇"の僚艦"遼東"の艦載機が上陸地点の空爆を行っている。
揚陸艦"玉昭"からは上陸用舟艇やエアクッション艇などが離艦を始めている。舟艇には陸戦隊がひしめき合い、エアクッション艇には戦車や小型車両などが搭載されている。ヘリコプター部隊も離艦を始めた。いよいよ攻撃だ。
18:40 与那国島 海岸防衛線
空爆が止んだ。次は上陸部隊が来るはずだ···。今のうちに被害の確認、部隊の再編成を行った。被害も決して小さくない。海岸のVADS部隊は8機中5機が破壊された。障害物や地雷も破壊され、塹壕で待機していた隊員40名が死傷した。しかし迫撃砲部隊、中距離多目的誘導弾部隊は無傷だった。防空壕のおかげだった。敵上陸部隊に対する攻撃は可能だ。
「敵部隊視認!舟艇、ヘリなど複数!」偵察部隊から報告があった。「よーし!戦闘用意!中華野郎を皆殺しにするぞ!」まず中距離多目的誘導弾部隊が舟艇を撃破する。舟艇には敵兵が密集しているから、撃沈できれば大戦果だ。
18:50 敵上陸部隊が海岸に接近する。舟艇、エアクッション艇が水飛沫を上げるながら突進してくる。こちらは静かに身を潜めている。Mil-17輸送ヘリをZ-10攻撃ヘリが護衛している。あれに攻撃するのが総攻撃開始の合図だ···。
土煙を上げて、海岸近くの林から複数の携SAMが発射される。敵ヘリ部隊はフレアを放出してミサイルを避けようとするが、携SAMはしぶとい。たちまち先行のヘリ部隊が火だるまになった。「攻撃開始!」敵舟艇に中距離多目的誘導弾が次々と発射される。このミサイルは撃ちっぱなしが可能なため、全弾発射し次第すぐに退避することになっていた。
舟艇は必死に回避しようとするが、船の機動性でミサイルを回避できるはずもなく、全弾命中した。海に飛び込んだ兵は助かったが、乗ったままの兵士は爆発で吹き飛ばされた。粉々になった腕や脚などが舞い上がり、海を赤く染める。
中距離誘導弾の攻撃を避けられたものも、パニックにより早く海岸を目指そうとする。水際地雷があるとも気づかずに。またも陸戦隊員が吹き飛ばされる。なんとか上陸した者も、迫撃砲、十字砲火、軽MATの攻撃でほぼ全滅した。
「よーし、よくやった。大戦果だ!撤退するぞ」また空爆が始まるだろうから、素早く内陸部に撤退した。
同時刻 中国人民解放軍陸戦隊 ACG(揚陸指揮艦)
これまでの日本軍の様子からして、抵抗は少ないだろうと考えられていた。もしかしたら無血上陸も可能···などと考えたが、バカだった。突然ヘリコプター部隊が火だるまになったと思うと、舟艇部隊も次々と撃沈された。ACGの艦橋にも陸戦隊員の肉片が飛び散ってきて、ワイパーを動かさなくてはいけなくなった。輸送ヘリ1機あたり15人、舟艇1隻あたり30人ほど乗っているから、この様子だと200人以上は戦死しただろう。結構マズイ状況だ。
のちに艦隊に空爆と艦砲射撃を要請、海岸をこれでもかというほど攻撃した。その後再び上陸したが、抵抗は全くなく、銃声かと思ったものもあったが、結局イタズラのように仕掛けられた爆竹だった。敵兵の遺体も全くなく、内陸に退避したのだと思われた。
とりあえず橋頭堡は確保し、戦車も揚陸させた。多分敵はゲリラ戦で勝負するつもりだ。今度は我々がゲリラ狩りをすることになってしまった。
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