与那国島 ゲリラ掃討作戦
20XX年 7月2日05:00 与那国島 与那国空港
情報によると、昨日尖閣沖で日中艦隊で戦闘になり、自衛隊がボロ負けしたそうだ。とはいえ中国も痛手を負ったようで、尖閣諸島沖からは一時撤退した。しかし日付が代わった頃に、上陸部隊を引き連れて再び現れたらしい。自衛隊は今のところ応戦する余裕はないようだ。護衛艦を10隻も撃破されたのだから、仕方ない。あの海域は"そうりゅう"潜水艦が警備しているから、ある程度足止めはできるだろう。
既に尖閣諸島は占領されているはずだ。所詮は無人島だから、大規模な上陸部隊なんて必要ない。なのに上陸部隊を引き連れているということは目標は与那国島だということだ。
ここ与那国島では、先日の攻撃によってゲリコマが潜んでいることが判明した。防衛出動が発令されて以来、与那国島の防衛は強化された。陸自では上陸阻止作戦を行うのだが、ゲリコマの存在は厄介だ。きっと情報収集をしている。こちらの部隊配置が敵上陸部隊に筒抜けになってしまう。
そこで大規模な掃討作戦が行われた。中国軍による上陸作戦が始まる前に掃討しなくてはいけない。しかしこの作戦は困難なものであった。
05:30 与那国島 西部方面普通科部隊
「これより掃討作戦を開始する。民間人はほとんど避難し、残りも安全な場所にいる。あと残ってるのはゲリコマだけだ。見つけたら即射殺しろ」と部隊長から命令があった。皆初の実戦のため緊張しているようだった。「民間人はほとんど避難し···」と言ったが、ちょっと違う。隔離されたのだ。民間人に化けたゲリコマの報告は複数ある。よって自由にしておくわけにはいかないのだ。
「バスッ!」作戦の説明をしていた部隊長が突然倒れた。頭を撃たれたようだった。射出口から肉片が飛び出てしまっている。「応戦しろ!」と叫んだ頃には敵は消えていた。明らかに普通の部隊とは違う。プロだ···
05:50
「攻撃を受けている!応援を要請する!」与那国島駐留部隊の兵舎からの連絡だった。その声は銃声や悲鳴と混じっていた。すぐに軽装甲機動車に乗り込み、現場に向かった。
しばらく走ると「10時方向に敵!」と、撤退してると思われる敵兵2名を発見した。すかさず銃架に搭載している12.7mm重機関銃で射撃した。「ダダダダッ!」直接当たらなくても銃弾の破片や巻き上げられた石などで殺傷することができる。すぐに敵も反撃してくる。いきなり接近弾だったが、防楯のおかげで助かった。「ダダダダッ!」3掃射目でようやく命中する。しかも運良く2名とも射殺できた。
兵舎に到着した。死体がころがっている。ほとんど陸自隊員のものだ。生存者に話を聴くと、突如攻撃され混乱状態になり、有効な反撃ができなかったそうだ。隊員21名が死傷するも3名を射殺したらしい。
これだけ被害を出して5名しか倒していない。司令部は陸自による掃討作戦を中止、島の絨毯爆撃に切り替えた。P-3Cに爆弾を搭載し、臨時の爆撃機とした。
07:00
与那国島のゲリラが潜んでいると思われる場所は徹底的に爆撃された。そこには住宅街も含まれていた。住人からのちに苦情が来るだろうが、今はそれどころではない。
この爆撃以降、敵ゲリラの行動はなくなった。陸自部隊にも捜索させたが、17名の死体だけで、結局生存者は発見できなかった。このゲリラの活動拠点を捜索したところ、ブービートラップによる爆発で2名が死亡。収集しようとした資料も無くなってしまった。しかし残骸から、特殊なナイトビジョンや、特殊にカスタムされた銃、陸自隊員から奪った弾薬などが発見された。ゲリラがMINIMIを使用していたのは、こうやって弾薬を奪って使うためだったのだ。
多数の死傷者を出し、与那国島のゲリラ掃討作戦は終了した。とはいえ日本本土にもゲリラはいる。これが本土で行われるとさらに多数の死傷者が出るだろう。しかもこの次は中国正規軍の部隊が上陸してくる。与那国島上陸作戦だ。




