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防衛出動~尖閣沖海戦

20XX年 7月1日06:00  東京 首相官邸

「我が国は警察の対応能力を超える武力攻撃を受けており、国民の安全を保証することを大前提として、自衛隊法に基づき防衛出動を発令いたしました。中国に対しては、今回の攻撃について厳重抗議するとともに、以降も戦争行為を行うのであれば、武力を持っての制裁を行うことを···」首相から長々と防衛出動について説明された。


中国の反応は早く、「ゲリラ攻撃をしたなどは一言も発表していない。敵兵が中国人だったという証拠はあるのか?罪を擦り付けるな。挑発行為を行うのであればこちらも全軍を挙げて対抗する」と発表した。元々は中国の罠なのであるが、隠蔽のためこのような発表をした。実際は第二列島線まで侵攻するのが目的なのだが。 しかし「敵兵が中国人だったという証拠はあるのか?」という質問は本物だった。実際、日本はその証拠を掴んでいなかったのだ。しかし「1000名死傷したが、証拠はこれっぽっちも見つからなかった」と言えば日本国民が許さない。「銃の弾装が中国製だった」とか適当な理由を付け、正当化した。結局正解なのだが。




20XX年 7月2日07:00  尖閣諸島沖 中国空母艦隊 旗艦"江蘇"

防衛出動命令から24時間後、尖閣諸島沖では日本艦隊と中国艦隊がにらみ合いを続けていた。中国艦隊では膠着状態を打開するため、またも民間船を使って攻撃することにした。「さすがにこの手はもう使えないかな···」艦隊司令長官はそう思っていた。しかし上手く行くことを願い、特殊に改造した"98式120mmロケット発射筒"を搭載し、出撃させた。



07:20  尖閣諸島沖 護衛艦隊

「小型船接近!民間人と思われます!」イージス艦"ふそう"の艦橋監視員が報告する。「警戒せよ!武器の携行を確認し次第攻撃しろ!」と艦長から指示が出た。「もう攻撃して良いのでは?海保もこんな感じで殺られたみたいですし」副艦長が言う。「いや、駄目だ。"むやみに撃つな"と強く言われてな···そんなこと言ってたら攻撃できないと思うがね···」「全くですね」


会話を続けていると、突然民間船の搭載していた貨物用コンテナから煙を曳きながらミサイルが飛び出してきた。「コンテナ型のミサイル発射機!?マズイ!ミサイルを撃墜、応戦しろ!」···尖閣事件のときと同じであった。ミサイルを撃墜するため20mmCIWSが唸りを上げたが、標的が小さすぎる。対艦ミサイル撃墜用なのだから、対戦車ミサイルを撃墜できるわけもない。

 ミサイルはそのまま"ふそう"に命中。特殊に改造してあって、威力がやけに大きい。"ふそう"は戦闘不能となった。僚艦の"てるづき"が5インチ速射砲で応戦、小型船を撃沈した。小型船にとっては大戦果だった。乗員3名の戦死でイージス艦を撃破したのだ。




07:25  尖閣諸島沖 中国艦隊

「攻撃開始!ぶっぱなせ!」中国艦隊、航空機から次々と対艦ミサイルが発射される。SSN-22などの長音速ミサイルからYJ-3などの亜音速ミサイルまで計98発。日本艦隊に一直線に飛んで行く。

 まさか上手く行くとは思わなかった。日本軍は予想以上にバカなようだ。民間船1隻でパニックになる日本艦隊だから、この飽和攻撃にも耐えられないだろう。




同時刻  尖閣諸島沖 護衛艦隊

「"ふそう"の火災消火を急げ!」旗艦"いせ"の艦橋では混乱が続いていた。小型船の攻撃でイージス艦が被弾し、戦闘不能となった。ここに対艦ミサイルが飛び込んできたりしたら···

「敵が対艦ミサイル発射!数は···10···30···70··80以上!?」上空で偵察していたE-767AWACSから報告が来た。「ひでぶ!!」さすがの艦隊司令官の一等海佐もパニックになった。「と···とにかく迎撃を急げ!」


イージス艦がいなくなった今、艦隊の防空網は一気に弱体化した。"いせ"は他の護衛艦に護衛されるはずだが、その護衛艦たちも個艦防空で精一杯だった。「ブーン!」20mmCIWSが唸る。連射速度が3000発/分のため、普通の機関銃のように「ダダダダッ!」とは聞こえない。

YJ-3など亜音速ミサイルは撃墜できたものの、SSN-22長音速ミサイルはなかなか撃墜できない。「ドーンッ!」ついに僚艦の"しもつき"が被弾した。

 「"しもつき"被弾!」「"ふそう"艦尾に被弾!」「"あぶくま"大破!」CICに戦況が報告される。マズイ、全滅する···。司令官がそう思っていたとき、喧しい、聞きなれた轟音が近づいてきた。空自のF-15J、F-2が応援に来てくれたのだ。AAM-4を発射し、対艦ミサイルを撃墜していく。F-2は新型対艦ミサイルASM-3を発射している。「ありがたい!今のうちに撤退だ」


護衛艦隊は後方の"あたご"や"ちょうかい"が警備する海域まで撤退した。しかしその間にも数隻が敵対艦ミサイルの餌食になってしまった。


<尖閣沖海戦 両軍の被害>

日本 護衛艦隊: 損失 ふそう、たちかぜ

         大破 あぶくま、しもつき、すずづき、しらね

         その他損傷4隻

         死傷者361名

   空自  : F-15J、F-2それぞれ3機損失

         死傷者1名


中国 空母艦隊 : 損失 旅大級駆逐艦3隻、蘭州級駆逐艦1隻

         大破・損傷7隻

         死傷者505名



なんと、中国軍の方も被害は大きかった。理由は空自が開発した新型対艦ミサイルASM-3。長音速で飛翔できるミサイルであり、中国にこのようなミサイルの撃墜は難しかったのだ。結果、ほぼ全弾命中となった。

 しかし日本の被害も大きい。初戦でイージス艦を沈められたのだ。その他の艦艇も損傷した。


尖閣沖海戦は日中とも引き分けという形になった。 

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