紛争拡大
20XX年 7月6日00:00 ベトナム・中国国境
日本が侵略され、南西諸島はほぼ制圧されたらしい。これは我が国としてもマズイ状況だ。中国軍の西太平洋での行動範囲が広がってしまう。中国にとって良いことは我々にとっては大抵悪いことだ。
先日南沙諸島が謎の武装集団に攻撃され、占拠された。着々と第二列島線までの進出を始めている。ベトナム本土も危ない。ここ中越国境では、中国軍の国境での動きが活発になっているとして警戒が強化されているのだが、最悪の事態が起きた。数分前、少数の中国兵が国境を越えたため、ベトナム軍が射殺したのだ。
大抵大国との戦いはこうだ。こちらは相手に手出しできないが、相手はこちらに手出しできる。そうなると余裕をもって戦争の口実を作ることもできるのだ。
案の定、中国が侵攻を開始した。ベトナム軍の国境警備隊員が砲撃を受け、壊滅状態となった。その後敵の戦車部隊が越境。3時間足らずで首都ハノイは包囲された···。ベトナム戦争以来の国家存亡の危機だ。中国なんかに占領されてたまるか!どんな手段を使ってでも国を守らなくてはいけない。
04:00 東京 危機管理センター
「我が国もマズイ状況ですが、ベトナムも同じなようです。先ほど救援要請がありまして···。派兵したくてもできないと言うと、今度は核爆弾を入手したいから協力してくれと···」防衛大臣の報告に首相も驚いた。「核だと!?しかし何故我が国が協力せねばならんのだ?」「我が国はイランと友好な関係にあります。イランから核を買い、日本経由でベトナムに送ってくれと···」
数年前からイランの核開発には世界が目を光らせていた。イランはウラン炭鉱、ウラン濃縮場、製造工場が全てそろっている。よって安く沢山の核兵器を作れたのだ。
「ついでに我が国も核武装してはどうかと。日本、ベトナムの二国が核を持てば、十分な抑止力となるでしょう。」「何バカなことを言うか!」「しかし我が国も南西諸島をほぼ占領され、ゲリラ攻撃では民間人も殺されています。これ以上侵攻されたら直ぐに国民の怒りも爆発するでしょう···」首相は混乱していた。当然のように核売買の話をするのだから、混乱する。まあ、それだけ両国はマズイ状況だということだ。
07:00
真剣な協議の結果、ベトナムの要求は全面的に応じることとした。ベトナムは100kt級核爆弾10発を要求していた。日本の艦船では攻撃されるため、中立の立場であるオーストラリアの輸送船を借りて極秘に輸送することにした。日本では、レーザー兵器や新型ステルス戦闘機など「抑止力となりうる兵器が完成するまでの繋ぎ」として100kt級核爆弾5発を購入する検討だ。これも政府内だけの極秘情報だ。
イラン政府に話をしたところ、驚いた様子ではあったが「購入元を明かさない」という条件付きで売ってくれた。経済制裁などによりイランの財政は不安定になっている。核を15発も売れたら大儲けだ。イランから買ったということをバラしてはいけないので、核武装を宣言するときは「自国で開発した」と言わなくてはいけない。その程度なら問題もない。
ベトナムは大至急核が必要なので、10発中2発は空輸することにした。3日後には日本に到着する。残りは輸送船で輸送し、2週間後に到着する予定だ。
本格的な全面戦争となってきた。核戦争の危険さえあるため、慎重に戦う必要がある。
7月7日 中国 ウイグル自治区
特殊作戦群出身の日本人が、ウイグル独立派のもとにやって来た。日本軍の特殊部隊が戦い方を教えにやって来るとして、たくさんの反中国政府の独立派メンバーが集まった。
「独立を助けるため」という名目だが、日本のためでもある。中国国内で武装した独立派が一斉蜂起すれば治安維持に兵力が割かれ、日本も助かる。
どこから入手したのかは不明だが武器は十分にあるようで、AKやDSHK重機関銃、ドラグノフ、RPGまであった。この日本人は、銃の撃ち方、格闘技、ゲリラ攻撃の方法などを教えてやれと、政府から言われてやって来た。中国から見れば、国家ぐるみでテロを支援していることになる。バレるわけにはいかない。




