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プロローグ

20XX年 6月10日10:00  海上自衛隊呉基地

「武器の携行を確認!射撃せよ!」命令を受け、銃座の隊員が咄嗟に引き金を引く。「バババッ!」ブローニング重機関銃の銃声が響く。銃撃され、暴走していた小型船は炎上し、みるみる沈んでゆく。

この船は中国人が運転していた。停船命令にも関わらず護衛艦に接近し、しかも武器のようなものを携行していたため銃撃された。後に乗員の射殺死体が発見された。自衛隊が初めて組織的に人を殺したのだった。



この事件は問題になった。「"武器のようなもの"って、結局何だったの?」「こんな時期に中国人をむやみに殺しやがって···関係が悪化したらどうする!」···などなど。


結局のところ、関係は悪化してしまった。反日運動が激化する。老人は「日本軍め、またやりやがったな!」と非難し、大人は日本料理店などに投石し、子供は教科書の日本人に落書き。ついには中国本土で日本人が殺害されるという事件まで起こる···


中国人民解放軍も動き始めた。寧波(ニンポー)に中国艦隊が集結しているだとか。大規模な演習も活発化し、強大な軍事力を見せつける形になった。



日中関係は最悪なレベルに到達した。本来なら日米安保の強化を行う時期だが、そのようなことはなかった。ここ数年でアメリカ太平洋軍はかなり小規模になったのだ。超大国を誇ったアメリカも遂に力を失い、国内問題で精一杯だった。沖縄の米軍もグアムに移動し、MD(ミサイル防衛)の要であるイージス艦の規模も大幅に縮小された。日米安保はほぼ無力だ。


んなことで、自衛隊も一応強化された。強襲揚陸艦、AAV-7、オスプレイなどを導入し、陸上自衛隊に海兵隊機能を持たせた。しかし敵基地攻撃兵器の導入は、中韓を刺激するとして見送られた。

 自衛隊は最新最強の兵器を持ってる。中国軍なんて核でも撃たない限り自衛隊には勝てないだろう。これが日本人の考えだった。


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