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あたたかい。と思った。
ぼんやりと目を開く。そこは、真っ暗な空間が広がっていた。
「満足か。クソガキ」
体中が痛んで、力が入らない。声を出そうとすると、か細い息だけが漏れた。
青年のガルザがそれを見下ろしている。
「ざまあねえな。俺はお前みたいな一生懸命な奴が、一番……ムカつくぜ」
ガルザが座り込んで、面白くなさそうに舌打ちした。
そういう仕草は変わってないのかと、私は何だか可笑しかった。
「何を笑っていやがる。解ってるのか、お前沈んでいくんだぜ。永久の闇とやらに……そうさ、俺のいるところだ。……いいのかよ」
良いも悪いも体が動かない。ああ、でもこのガルザに、言わなきゃいけないことがある。
「ガルザ」
「ああん?」
「ごめんな」
「……」
「石、投げて、お前を、傷つけた。ご、めん。ごめんなさい」
「うるせえ黙れ」
「ぐ」
髪掴んで、ぐいっとされた。それで力が果てて。
「何もしてねえのに何がゴメンだ。馬鹿が」
ガルザが怒っていた。私は眠たくて。まぶたが落ちて塞がってゆく。どろどろしたものの中に体が沈んでいくのが解った。多分その先は、その先は。
「なんでお前の魂がぐちゃぐちゃにされて、異世界の記憶なんてもんが入り込んだと思う」
ガルザの声がする。それは、あまり怒った声ではなかった。
「おい、考えろ。沈むぞ! 沈む! クソッ」
引っ張りあげられ、そのまま抱きかかえられる。
頬をぴしゃぴしゃと叩かれる感触がした。
「寝るな。おい、起きろ。とっとと起きやがれ!」
「うんん……」
「思考を止めんな。くそっ、くそっ、前みたいに泣かせるぞコラ」
「……」
「聞け! 俺はお前が憎い。裏切ったお前が! 俺を化け物と罵ったお前が!」
「あ、う」
「友達ヅラしてたのをコロッと変えて、石を投げる連中に混じって怯えた目をしてたお前が!」
「……、……」
「憎いんだ。シオン」




